※事後

「あの……義勇さま……?」
「ああ」
 遠慮がちに声をかけるも、義勇はをうつ伏せに組み敷いたまま動かない。今日は二回目もするのだろうかと、一糸纏わぬ姿のはふるりと背を震わせた。いつもが自分でやると言い張っても性行為の後始末をしてくれる義勇だが、どうしてか今日はの尻を掴んだまま微動だにもしない。どころか臀裂を広げてその奥まで晒してしまうものだから、恥ずかしくてはぎゅうっと目を強く瞑った。
「……ここに」
 義勇の指が、押し開いた割れ目の奥をするりと撫でる。びくりと体を震わせたを見下ろす義勇の表情が見えなくて、少しだけ怖い。臀部を掴む義勇の手は、発熱しているように熱くて。
「ほくろがある」
 とんとんと、指先で位置を教えるように軽く叩かれる。義勇とこういう行為に及ばなければ、一生自分でも気付かなかったような場所。そこを指摘されるのが、何だかとても恥ずかしいことのように思えては枕に顔を埋めた。ここにも、と内腿を撫でた義勇の声はどこか楽しそうで。
「義勇さま……」
 恥ずかしいけれど、もういっそ義勇の気の済むまでいじり倒してほしい。ぷるぷると羞恥に震える姿が最も義勇を楽しませていると知らぬまま、は布団をぎゅっと握り締めて赤い頬を枕に押し付けたのだった。
 
190610
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