錆兎がそれに気付いたのは、たまたまのことだった。転びそうになったを支えたとき、片手で背中を受け止めるような形になった。そこには、あるべき感触がなくて。
、そこに正座」
「? はい」
 の方が年上なのに、錆兎の方がとてもしっかりしている。それはよく言われることだったが、自分が大人びているのではなくが幼いのだと錆兎は思っている。従順に正座したを前に、錆兎は腕を組んだ。
「どうしてブラジャーをつけていないんだ」
「つけるほどの大きさではないと思って……」
「大きさの問題じゃない、はもう高校生なんだぞ」
「い、家の中だけですし、キャミソールは着ていますよ……?」
 何が悪いのかわかっていなさそうなを前に、錆兎は深く深くため息を吐く。は男と二人で暮らしているということを理解しているのだろうか。無論義勇がに何かするとは思っていないが、そういう問題ではない。そして何より、は錆兎の恋人である。幼馴染でもあるとはいえ、保護者が留守の家で恋仲の男を前にそんな無防備な格好でいるということの意味を、は欠片も理解していないのだろう。要するに、危機感が無いのだ。そういった行為だって何度もしているはずなのに、はどうにも「鱗滝さんちの錆兎くん」に対する一種の気安さが抜けていなかった。再びため息を吐いた錆兎は、の正面に座って胸を掴む。
「……ふぇっ!?」
 驚いて身を引かせようとしたの腰に手を回して抑え込み、もう片方の手でもにゅもにゅと小さな胸を揉みしだく。いくら小さいといってもこうして掴めば柔らかくて弾力があって、何よりの頬を赤く染めているのは羞恥だけではないのだ。ふにふにとした感触を楽しんでいると、「錆兎くん」とが弱々しい声を上げる。それは懇願めいた響きを含んでいたが、錆兎は無視してシャツ越しにの胸を撫で回したり揉みしだいたりと好き勝手弄り回した。
「……ほら、。勃ってる」
「い、いっちゃやだ、あッ、」
 ぷくりとシャツの下から存在を主張するそれを指先でつつくと、は身を捩らせながらも愛らしい喘ぎ声を漏らした。くにくにと摘んでは指先で押し潰し、軽く爪を立てては弾く。はもじもじと脚を擦り合わせていたが、錆兎はそれに気づかないふりをして胸ばかりを弄り回した。片方の胸だけを撫でたり揉んだり乳首を弄ったりと責め立てていると、もう片方の乳首もつんと硬くなっていることに気付いて。
「放っておいて悪かったな、こっちも触らないと寂しいだろう」
「ひゃんッ……!」
 そちらに顔を近付けて、かぷりと甘噛みするように歯を立てた。シャツ越しに突起を吸い上げて、舐め回す。じっとりと濡れていく布地が擦れてつらいらしく、甘く掠れた声を漏らしながらもいやいやをするように首を振る。本当に幼いと、錆兎はを見ているといつだって心配になるのだ。が義勇の元に引き取られてからこの方、少しぼうっとしているところのある年上の女の子の世話をついつい焼いてきて。は臆病で警戒心が強いのに、身内にはおそろしく無防備だという一面を知って。錆兎はの恋人になったのに、未だには錆兎と男女の仲であるということを根本的に理解していないところがある。いい加減まともに異性として意識されたいのに、そう伝えてもは錆兎のことが好きだと言って首を傾げる。「こういう」欲について、雰囲気で理解を促したのが悪かったのか。執拗に胸ばかり弄り回していくうちに、の表情が困惑から懇願へと、そして思考が保てないそれへと変化していく。必死に逃げようと身を捩らせるは、限界が近いのだろう。錆兎の手を掴むの手には、ほとんど力が籠っていない。片方の乳首を捏ね回しながらもう片方をちゅうっと吸い上げると、は高い声を上げてとうとう達した。
「は……ぁ、う、 」
「……胸だけでイけたな」
「っ、う……」
「大きさの問題じゃないだろう、キャミソールも役不足だ」
 錆兎が再び胸に手を伸ばしながら問うと、はこくこくと必死に頷いて「ごめんなさい」だとか「ゆるして」だとか口にする。それで今更錆兎の気が収まると思っているのだから、は本当に純粋すぎる。腰に回していた手でのショートパンツをずり下ろして、錆兎は何度目かになるため息を吐いたのだった。
 
190920
 受けが今ノーブラだと言うことに気付いてしまった攻め
 #男女カプにラッキースケベが起こるボタン
#みんなのボタンメーカー
https://t.co/vEfSB4r0fe
BACK