※日本妹

 
「ロマーノさん、起きてください、ロマーノさん」
 うんうんと魘されているロマーノを、はそっと揺り起こす。何事かぶつぶつと呟きながら起き上がったロマーノは、の姿を瞳に映してどこか安堵したように眦の力を緩めた。
「大丈夫ですか、ロマーノさん。ひどく魘されていましたよ」
「……お前のせいだぞ、このやろー」
「えっ」
 心配した相手に突然罵られ、はわたわたと慌て出す。もしや寝る前に出した飲み物が悪かったのか、それとも布団が固かっただろうか。真っ青になるからぷいっと目を逸らして、ロマーノはボソッと呟いた。
「お前がいないから、変な夢を見ちまったじゃねーか」
「夢、ですか?」
「最っ低の悪夢だぞ、お前がいなくなる夢なんか……」
 真っ赤な顔で、ロマーノはちらりとを見る。思わぬ言葉に驚愕したもまた、頬を真っ赤に染めていたのだった。
 
160528
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