「タカオ、あのね、私今日夢を見たの」
「夢? メンタルモデルが、夢ですって?」
「そう。霧の兵器が夢を見たの」
「……あなたは、夢の概念を得て人に近付いたのかしら」
「きっとそう。でも人になるには、まだ遠い道のよう」
「私もまだ、人には遠いわ。 ……群像様からも」
「タカオの方がきっと、人に近い。あなたは恋と愛を知っている」
「あなたは知らないというの、?」
「うん、きっとまだ知らない」
「まだ?」
「いつか知ることができる気がする、たぶん」
「……夢だの『きっと』だの『たぶん』だの、あなたはほんとうに霧らしくないわ」
「でも人でもない。私は何なのだろう?」
「私に聞かないでよ。そういうことはヤマトにでも聞いてちょうだい」
160605