「お前は、夢という言葉すら知らなかったな」
「どうしたんですかソロモン、藪から棒に」
「いや、お前を拾った時のことを思い出してな。お前の夢は何だと訊いたら、夢って何ですかと言われたのには驚いたな」
「あの頃からソロモンは、何でも知っていましたね」
「お前が何も知らなすぎるんだ……なあ、」
「何ですか?」
「今のお前に、夢見る願いはあるのか」
「ソロモンの夢が、私の夢ですよ」
「お前今、適当言っただろう」
「あれ、バレましたか」
「……この野郎」
160718
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