戦帰りに小さな花を見つけて、こういった可憐なものを好む主に持って帰れば喜ぶだろうかと手を伸ばした。
ふとその手が血や泥で汚れているのが目に入り、花に触れることなく伸ばした手を下す。
土産などなくとも無事であるというだけで喜んで迎えてくれる主の、その首の白さが妙に目について、汚れたままの手をその白に伸ばした。
ぱきり、鳴った音は。
150511
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