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作品ID:432
こちらの作品は、「感想希望」で、ジャンルは「一般小説」です。
文字数約1538文字 読了時間約1分 原稿用紙約2枚
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小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし /
消えたい気持ち
作品紹介
とある人間の感じた、人にとっては逃げているよういにしか見えない少女の物語。
逃げている?そう、健全者から見ればそれは逃げているようにしか見えない。
だが本人には言いようのない不安、言いようの無い闇を引き摺り、今だに克服できずにいる。
健全者、障害者。この間には、乗り越えられない溝、壁が存在する。
未来永劫、この壁や溝を壊すことは誰にも出来ないだろう。
まして、健全者に近い障害者の気持ちなど、本人や同じような境遇の人間にしか理解できない。
驕りとは言わない。しかし、その気持ちを理解しようと思わない限り、絶対に近付くことなど出来ないことをよく覚えておいて欲しい。
逃げている?そう、健全者から見ればそれは逃げているようにしか見えない。
だが本人には言いようのない不安、言いようの無い闇を引き摺り、今だに克服できずにいる。
健全者、障害者。この間には、乗り越えられない溝、壁が存在する。
未来永劫、この壁や溝を壊すことは誰にも出来ないだろう。
まして、健全者に近い障害者の気持ちなど、本人や同じような境遇の人間にしか理解できない。
驕りとは言わない。しかし、その気持ちを理解しようと思わない限り、絶対に近付くことなど出来ないことをよく覚えておいて欲しい。
「……っ!」
少女は夜中に飛び起きた。いいようのない不安、そして警戒するように周りを見る。大丈夫、私の部屋だ。誰もいない。いるのは闇と静寂だけだ。冷たい空気が肌に刺さる。
「……」
少女は布団の中に潜り、微かに震えている己の体を抱きしめた。大丈夫、怖くないよ。痛くないよ。苦しくないよ。まだ、動悸が治まらない。
言いようのない、根拠のない不安が加速する。存在が膨れ上がる。耳鳴りがする。思わず耳を両手で押さえるが止むことは無い。
少女――柊煉は、小学生、中学生のときいじめにあっていた。原因は、どうしようもないことだった。彼女が悪いわけじゃない。周りが悪いと言えば悪いが、だけどそれはある意味で仕方ない。
優劣に出てくるのが仕方ないことだった。子供はいつでも残酷である。そして辛さなんて分からないものだ。
――まして、それが『障害』という先天的、根本的なところにあるのだから。
彼女は『特定不能広範性発達機能障害』という障害を軽度ながら患っていた。
あまり世間には知られていないが、簡単に言えば自閉症とかアスペルガーとかの悪いところを広範囲に、それこそ特定不能なレベルで広がっているのだ。症状は人それぞれ。重度なら人との会話すら出来ないが、煉の場合は違う。精神が実年齢の3分の一、くらいだということ。そして突発的に発作を起こすこと、やる気を起こせないが主症状だ。だがそれだけじゃないかもしれない。所詮、解明されていない病気だ。
暴れたり、手先が震えて集中力が極端に低下したり、軽い恐慌状態になったり、震えが止まらなかったり。これは一種の感情の暴走が原因、とのことだが実際は解明されていない。
「……大丈夫」
煉は一人で孤独に一人震えながら呟いた。これは必須の言葉だ。煉は自分に精神的な波があることを知っている。回りにサポートしてくれる友達がいたから。人から見れば情緒不安定程度に見えてしまうが、そんな甘いもんじゃない。
突然、襲ってくる何に怯えているかも分からない感情。何に怒っているのか分からない感情。何に焦っているのか分からない感情。
こんなものが健全者にあるものか。と煉は一定の距離を常に置いていた。煉の場合、同じ障害者でも壁を感じる。彼らは何かしら煉より出来ないことがある。
感情を抑えられなかったり、倫理観が無かったり、やるべきことが分からないとか。
煉はそんなことはない。感情は暴走手前で何とか舵は取れるし、倫理観はしっかりしてる。やるべきことは昔はダメだったが今はある程度なんとかしている。だから距離を置いていた。
「大丈夫、大丈夫」
何度も何度も繰り返す。だんだん落ち着いてきている。だけど心はまだ不安で不安でたまらない。
「耳鳴り酷い……」
決まってこういうときは偏頭痛と耳鳴りに襲われる。今回の発作はまだいいが、酷いとまともに手元のことが出来ないほどの耳鳴りと偏頭痛に襲われることもある。
「……どうせ、私なんて」
いつも頭の隅にある考え。
――――いつかこの世界とお別れしよう。
という暗い考え。要は自殺だ。死んでしまえば苦しみから解放される。
どうせ生きる理由なんて無い。生き続ける理由も無い。
だけど、死ぬような理由も無い。痛いのは嫌だ。
だからこの年になってもいまだに生き続け、生き恥を曝していることが煉にとっては負い目。
その度死にたくなる。本気で消えてしまいたくなる。
「居場所があってもいたくない。死にたいな、ほんと……」
逃げ出したい。逃げたい。生きてても苦しみ続けるこの痛み。
何時までも苦しむと考えると、死にたい衝動が加速する。
「いつまで続くのかな……」
死にたい。消えてしまいたい。
少女は夜中に飛び起きた。いいようのない不安、そして警戒するように周りを見る。大丈夫、私の部屋だ。誰もいない。いるのは闇と静寂だけだ。冷たい空気が肌に刺さる。
「……」
少女は布団の中に潜り、微かに震えている己の体を抱きしめた。大丈夫、怖くないよ。痛くないよ。苦しくないよ。まだ、動悸が治まらない。
言いようのない、根拠のない不安が加速する。存在が膨れ上がる。耳鳴りがする。思わず耳を両手で押さえるが止むことは無い。
少女――柊煉は、小学生、中学生のときいじめにあっていた。原因は、どうしようもないことだった。彼女が悪いわけじゃない。周りが悪いと言えば悪いが、だけどそれはある意味で仕方ない。
優劣に出てくるのが仕方ないことだった。子供はいつでも残酷である。そして辛さなんて分からないものだ。
――まして、それが『障害』という先天的、根本的なところにあるのだから。
彼女は『特定不能広範性発達機能障害』という障害を軽度ながら患っていた。
あまり世間には知られていないが、簡単に言えば自閉症とかアスペルガーとかの悪いところを広範囲に、それこそ特定不能なレベルで広がっているのだ。症状は人それぞれ。重度なら人との会話すら出来ないが、煉の場合は違う。精神が実年齢の3分の一、くらいだということ。そして突発的に発作を起こすこと、やる気を起こせないが主症状だ。だがそれだけじゃないかもしれない。所詮、解明されていない病気だ。
暴れたり、手先が震えて集中力が極端に低下したり、軽い恐慌状態になったり、震えが止まらなかったり。これは一種の感情の暴走が原因、とのことだが実際は解明されていない。
「……大丈夫」
煉は一人で孤独に一人震えながら呟いた。これは必須の言葉だ。煉は自分に精神的な波があることを知っている。回りにサポートしてくれる友達がいたから。人から見れば情緒不安定程度に見えてしまうが、そんな甘いもんじゃない。
突然、襲ってくる何に怯えているかも分からない感情。何に怒っているのか分からない感情。何に焦っているのか分からない感情。
こんなものが健全者にあるものか。と煉は一定の距離を常に置いていた。煉の場合、同じ障害者でも壁を感じる。彼らは何かしら煉より出来ないことがある。
感情を抑えられなかったり、倫理観が無かったり、やるべきことが分からないとか。
煉はそんなことはない。感情は暴走手前で何とか舵は取れるし、倫理観はしっかりしてる。やるべきことは昔はダメだったが今はある程度なんとかしている。だから距離を置いていた。
「大丈夫、大丈夫」
何度も何度も繰り返す。だんだん落ち着いてきている。だけど心はまだ不安で不安でたまらない。
「耳鳴り酷い……」
決まってこういうときは偏頭痛と耳鳴りに襲われる。今回の発作はまだいいが、酷いとまともに手元のことが出来ないほどの耳鳴りと偏頭痛に襲われることもある。
「……どうせ、私なんて」
いつも頭の隅にある考え。
――――いつかこの世界とお別れしよう。
という暗い考え。要は自殺だ。死んでしまえば苦しみから解放される。
どうせ生きる理由なんて無い。生き続ける理由も無い。
だけど、死ぬような理由も無い。痛いのは嫌だ。
だからこの年になってもいまだに生き続け、生き恥を曝していることが煉にとっては負い目。
その度死にたくなる。本気で消えてしまいたくなる。
「居場所があってもいたくない。死にたいな、ほんと……」
逃げ出したい。逃げたい。生きてても苦しみ続けるこの痛み。
何時までも苦しむと考えると、死にたい衝動が加速する。
「いつまで続くのかな……」
死にたい。消えてしまいたい。
後書き
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