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ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
第二章「ゴスラー市」:第4話「準備」
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第2章.第4話「準備」
冒険者ギルドは、午後4時くらいになると依頼の完了を報告する冒険者たちで混雑し始めた。俺は邪魔にならないよう、そして絡まれないよう早々に退散することにし、お勧めの宿を聞いてみた。
受付嬢は、「安全で食事のうまい宿ですか……、そうですね、“暁のドラゴン亭”という宿がいいかもしれません」と一軒の宿を紹介してくれた。
俺は受付嬢に礼を言い、混み始めたギルドを出ていく。宿は割と近く、歩くこと約5分で「暁のドラゴン亭」に到着した。
名前の割には2階建のこぢんまりとした宿で俺の第一印象は“名前負けしているな”だった。
中に入ると、清潔そうな床、磨き上げられた階段の手すりが目に入り、これは当たりかもと思わせる。入口の左脇にあるフロントには宿の主人らしい男がおり、そこで宿泊手続きをする。
ここはギルドの割引が効くそうで、まずギルドカードを見せる。宿の主人は二割引で一泊二食銀貨八枚に、前清算になると告げてきた。
二食付だが意外と高い。とりあえず三泊分支払っておく。
宿泊の手続きをしながら、宿の主人であるマルティンが、注意事項を説明していく。
「部屋は二階の二三号室だ。外に出る時は鍵をフロントに預けること。外出時には服や毛布といったものはいいが、現金や貴重品は部屋に置いておかないでくれ。無くなっても責任はとならないぞ。夕食は午後六時からで八時。八時以降は別料金になる。酒は別料金で都度精算だ。朝は午前五時から八時までで八時を過ぎると食堂を閉める。弁当がいるなら前の日にいってくれれば銀貨一枚で作っておく。何か聞きたいことはないか」
俺は特に質問事項を考えながら、鍵を受け取る。
マルティンは宿の主人にしてはまだ若く30歳くらい。この世界では背は低いほうで170cmくらいだ。
日本のホテルのように敬語ではなく、ぶっきらぼうな感じだが、誠実そうな雰囲気の男だ。
俺はとりあえず思いつくことを聞くことにした。
「体を洗いたいんだが、湯はあるか」
「一応、浴室がある。一時間以上前に言ってくれれば準備する」と言った後、「前金で銀貨三枚だ。たらいの湯でよければ銀貨一枚でいい」と意外と高い値段を言ってくる。
もう一つ気になっている洗濯についても聞いてみた。
「洗ってほしいものがあれば、フロントに持ってきてくれ。物によって料金が変わるから一概には言えないが、リネンのシャツなら一枚小銀貨五枚が相場だ」
これも意外と高いなと思ったが、「わかった。ありがとう。それじゃ湯の用意を頼む」と言って銀貨三枚を渡した。
どの程度の浴室かはわからないが、一回三千円はかなり高い。
毎日はちょっと厳しいなと思いながら、小物類と下着を買うこと思い出し、彼に店の場所を聞いてみる。
「ところで、近くに服や小物を売っている店はないかな?」
彼は宿の裏を指差しながら、「裏に服を売っている店がある」と言った後、「いろいろ見たいなら町の中心の方に行った方がいい。小物はここを出て北に五〇〇ヤード(約四六〇m)くらい行った所にある」と教えてくれた。
俺は礼を言った後、「一時間で戻ってくるから部屋の鍵はその時にもらう」と言って、宿を出ることにした。
まず、下着の予備がないことが気になっていたので、近場の服屋に向かう。
店に入るが、綿の服はなく、亜麻(リネン)か毛織物(ウール)しかなかった。ベッカルト村でもマイヤー村でもリネンかウールだったので、この辺りには綿が普及していないのかもしれない。
仕方がないので、下着はリネンのトランクスと丸首のTシャツを二着ずつ購入。靴下はウールのものを三足購入した。
全部で銀貨五〇枚、五万円の買い物だった。新品を買ったのが高くなった原因なのだが、下着や靴下の中古(ユーズド)はちょっと嫌なので高くても我慢した。
そのまま、町の中心の商業地区に向かう。一軒の小物屋を見付け、木のコップ、歯ブラシ、歯磨き用の塩、手拭い二枚、石鹸らしきものを買う。
全部で銀貨十枚、石鹸らしきものが銀貨八枚もした。
(必要なものとはいえ、かなりの出費だな。石鹸は早まったかもしれない……)
宿に戻って、部屋に荷物を置きにいく。
部屋には、簡単な机といす、クローゼット、ベッドは清潔なシーツが掛けてあり、結構当りの宿のようだ。ちなみにトイレは階段横の共同トイレだった。
荷物を整理した後、手拭いと石鹸を持ち、浴室に向かう。
浴室に入ると直径一mくらいの大きめのたらいに三〇cmくらい湯が貯めてあった。
排水溝がある石畳のところがあり、桶がおいてあるのでここで湯を流すのだろう。
日本人の感覚では、湯を沸かして運ぶ手間とはいえ、銀貨三枚はかなり高い気がする。
早速、さっき買った石鹸を使ってみる。
だが、泡はなんとなく出る程度で、あまり汚れが落ちる気がしない。
だが、久しぶりに本格的に体を洗ったのでかなりの量の垢が落ちていく。
石鹸はすぐに溶けていき、十回くらい使えるかなといった感じだ。値段が値段なだけに微妙な気がする。
いっその事、自分で作ってしまおうかと思えるほどだ。まあ、何はともあれ頭も洗え、すっきりした。
湯が余ったので、下着の洗濯も済ませておいた。
さっぱりしたところで夕食に向かおうと思ったが、こういう時は防具をどうするんだろうと考えてしまった。こういう常識は教えてもらっていないため、少し悩んだが、結局、防具は部屋に置き、念のため剣でけを肩に掛け、食堂に向かうことにした。
食堂には仕事から帰ってきたばかりの冒険者たちが食事を取り始めている。
防具はまちまちで帰ってきたら外すのが普通のようだ。
武器は携行している人が多い。なんとなく正解だったことに安堵しながら、俺はカウンターの一番端に座り、鍵を見せて食事を頼む。
食事はメインを一皿とスープと野菜が少しにパンが三つ、飲み物はない。メインは何かの肉の煮込みで結構おいしい。
パンはパサついているのでスープに浸して食べるが、飲み物が欲しくなり、酒を給仕に頼む。
赤ワインとエールが基本だが、蜂蜜酒や果実酒もあった。
俺はエールを頼み、小銀貨五枚を支払う。
一リットルは入りそうな陶器製の大ジョッキにホップの効いていない常温のビールが入っている。
個人的にはキリキリに冷えた日本のビールが好みだが、ベルギービールも割りと好きだったので、抵抗なくおいしく飲めた。
俺は食事を平らげると、エールをちびちび飲みながら、周りの様子をみることにした。
食堂はテーブルが十台、カウンターが十席ほど、最大五十人ほど入れそうだが、今は半分ほど埋まった状態。照明はランプの明かりだけだが、思ったより明るい。
あまりじろじろ見るのも警戒されるので、給仕を探す振りをして回りを見渡す。
五人くらいのグループが三つと三人くらいのグループが三つ、カウンターにはお一人様が俺を含め四人、テーブル席はかなり盛り上がっているところもあるが、他は日本の居酒屋のようなガヤガヤ感はそれほど強くない。
まあ、毎日の食事でいつも盛り上がっていたら逆におかしいだろう。
年齢層は二十歳代中頃の俺と同世代が多く、駆け出しという雰囲気はない。
受付嬢に安全な宿をと頼んだので、中堅どころが泊まる宿になったのかもしれない。
男女比については、思ったより女の人が多い。九対一以下かと思ったが、七対三位の割合だ。この宿は冒険者御用達だそうなので、客のほとんどが冒険者と考えると女性冒険者は意外に多いのかもしれない。
女性もゴツイ感じの戦士系が多く、俺のストライクゾーンからは少し外れている。
年齢的には違和感はないだろうが、今日登録してきたばかりのルーキーがいる雰囲気ではないと思い、早々に退散する。
部屋に戻る途中、フロントに寄り、翌日の弁当を頼んでおく。
部屋に戻り、装備の点検をする。
両手剣はかなり大型になったので取り回しが難しい。明日から自主トレーニングをしようと思った。
ツーハンドソード(大)
攻撃100、命中40、必要STR500、レンジ6ft、長さ5.0ft、重量6.5lb
持ち運びは背中に背負う形にしているので、それほどではないが、重さも倍近くになり、振り回す時にかなり力がいる。
相変わらず必要STRに足りていないので、当分振り回すことは出来ない。早く筋力を付けなければいけないと思っている。
ハードレザーアーマーは前の革鎧に比べかなり防御力が上がっている感じだ。
どうやって皮をこんなに硬くしているのかはわからないが、叩くと木かプラスチックようなコンコンという硬い音がする。
昨日のうちに調整は終わっているので違和感はないが、肩の動きが若干制限されている気がする。アーマーを着込んで剣の鍛錬をした方がよさそうだ。
明日からの依頼、ギルドではクエストと言うそうだが、クエストの選択について考えてみる。
受けられるクエストは、GランクかFランクになる。
Gランクは一クエスト当り銀貨1枚くらいが相場だ。かなり安いのでできるだけFランクのクエストにしたい。
Fランクは採取系と配達系が主体だ。
配達系は時間が掛かるので採取系がいいだろう。幸い鑑定が使えるので近くに行けば適当に草を鑑定すれば目的のものを見つけられる。
Fランクへの昇格のためには五十のクエストをクリアする必要がある。
一日に二つずつとしても一ヶ月近く掛かる計算だ。
なにかいい方法がないか、常に考えておこう。
冒険者ギルドは、午後4時くらいになると依頼の完了を報告する冒険者たちで混雑し始めた。俺は邪魔にならないよう、そして絡まれないよう早々に退散することにし、お勧めの宿を聞いてみた。
受付嬢は、「安全で食事のうまい宿ですか……、そうですね、“暁のドラゴン亭”という宿がいいかもしれません」と一軒の宿を紹介してくれた。
俺は受付嬢に礼を言い、混み始めたギルドを出ていく。宿は割と近く、歩くこと約5分で「暁のドラゴン亭」に到着した。
名前の割には2階建のこぢんまりとした宿で俺の第一印象は“名前負けしているな”だった。
中に入ると、清潔そうな床、磨き上げられた階段の手すりが目に入り、これは当たりかもと思わせる。入口の左脇にあるフロントには宿の主人らしい男がおり、そこで宿泊手続きをする。
ここはギルドの割引が効くそうで、まずギルドカードを見せる。宿の主人は二割引で一泊二食銀貨八枚に、前清算になると告げてきた。
二食付だが意外と高い。とりあえず三泊分支払っておく。
宿泊の手続きをしながら、宿の主人であるマルティンが、注意事項を説明していく。
「部屋は二階の二三号室だ。外に出る時は鍵をフロントに預けること。外出時には服や毛布といったものはいいが、現金や貴重品は部屋に置いておかないでくれ。無くなっても責任はとならないぞ。夕食は午後六時からで八時。八時以降は別料金になる。酒は別料金で都度精算だ。朝は午前五時から八時までで八時を過ぎると食堂を閉める。弁当がいるなら前の日にいってくれれば銀貨一枚で作っておく。何か聞きたいことはないか」
俺は特に質問事項を考えながら、鍵を受け取る。
マルティンは宿の主人にしてはまだ若く30歳くらい。この世界では背は低いほうで170cmくらいだ。
日本のホテルのように敬語ではなく、ぶっきらぼうな感じだが、誠実そうな雰囲気の男だ。
俺はとりあえず思いつくことを聞くことにした。
「体を洗いたいんだが、湯はあるか」
「一応、浴室がある。一時間以上前に言ってくれれば準備する」と言った後、「前金で銀貨三枚だ。たらいの湯でよければ銀貨一枚でいい」と意外と高い値段を言ってくる。
もう一つ気になっている洗濯についても聞いてみた。
「洗ってほしいものがあれば、フロントに持ってきてくれ。物によって料金が変わるから一概には言えないが、リネンのシャツなら一枚小銀貨五枚が相場だ」
これも意外と高いなと思ったが、「わかった。ありがとう。それじゃ湯の用意を頼む」と言って銀貨三枚を渡した。
どの程度の浴室かはわからないが、一回三千円はかなり高い。
毎日はちょっと厳しいなと思いながら、小物類と下着を買うこと思い出し、彼に店の場所を聞いてみる。
「ところで、近くに服や小物を売っている店はないかな?」
彼は宿の裏を指差しながら、「裏に服を売っている店がある」と言った後、「いろいろ見たいなら町の中心の方に行った方がいい。小物はここを出て北に五〇〇ヤード(約四六〇m)くらい行った所にある」と教えてくれた。
俺は礼を言った後、「一時間で戻ってくるから部屋の鍵はその時にもらう」と言って、宿を出ることにした。
まず、下着の予備がないことが気になっていたので、近場の服屋に向かう。
店に入るが、綿の服はなく、亜麻(リネン)か毛織物(ウール)しかなかった。ベッカルト村でもマイヤー村でもリネンかウールだったので、この辺りには綿が普及していないのかもしれない。
仕方がないので、下着はリネンのトランクスと丸首のTシャツを二着ずつ購入。靴下はウールのものを三足購入した。
全部で銀貨五〇枚、五万円の買い物だった。新品を買ったのが高くなった原因なのだが、下着や靴下の中古(ユーズド)はちょっと嫌なので高くても我慢した。
そのまま、町の中心の商業地区に向かう。一軒の小物屋を見付け、木のコップ、歯ブラシ、歯磨き用の塩、手拭い二枚、石鹸らしきものを買う。
全部で銀貨十枚、石鹸らしきものが銀貨八枚もした。
(必要なものとはいえ、かなりの出費だな。石鹸は早まったかもしれない……)
宿に戻って、部屋に荷物を置きにいく。
部屋には、簡単な机といす、クローゼット、ベッドは清潔なシーツが掛けてあり、結構当りの宿のようだ。ちなみにトイレは階段横の共同トイレだった。
荷物を整理した後、手拭いと石鹸を持ち、浴室に向かう。
浴室に入ると直径一mくらいの大きめのたらいに三〇cmくらい湯が貯めてあった。
排水溝がある石畳のところがあり、桶がおいてあるのでここで湯を流すのだろう。
日本人の感覚では、湯を沸かして運ぶ手間とはいえ、銀貨三枚はかなり高い気がする。
早速、さっき買った石鹸を使ってみる。
だが、泡はなんとなく出る程度で、あまり汚れが落ちる気がしない。
だが、久しぶりに本格的に体を洗ったのでかなりの量の垢が落ちていく。
石鹸はすぐに溶けていき、十回くらい使えるかなといった感じだ。値段が値段なだけに微妙な気がする。
いっその事、自分で作ってしまおうかと思えるほどだ。まあ、何はともあれ頭も洗え、すっきりした。
湯が余ったので、下着の洗濯も済ませておいた。
さっぱりしたところで夕食に向かおうと思ったが、こういう時は防具をどうするんだろうと考えてしまった。こういう常識は教えてもらっていないため、少し悩んだが、結局、防具は部屋に置き、念のため剣でけを肩に掛け、食堂に向かうことにした。
食堂には仕事から帰ってきたばかりの冒険者たちが食事を取り始めている。
防具はまちまちで帰ってきたら外すのが普通のようだ。
武器は携行している人が多い。なんとなく正解だったことに安堵しながら、俺はカウンターの一番端に座り、鍵を見せて食事を頼む。
食事はメインを一皿とスープと野菜が少しにパンが三つ、飲み物はない。メインは何かの肉の煮込みで結構おいしい。
パンはパサついているのでスープに浸して食べるが、飲み物が欲しくなり、酒を給仕に頼む。
赤ワインとエールが基本だが、蜂蜜酒や果実酒もあった。
俺はエールを頼み、小銀貨五枚を支払う。
一リットルは入りそうな陶器製の大ジョッキにホップの効いていない常温のビールが入っている。
個人的にはキリキリに冷えた日本のビールが好みだが、ベルギービールも割りと好きだったので、抵抗なくおいしく飲めた。
俺は食事を平らげると、エールをちびちび飲みながら、周りの様子をみることにした。
食堂はテーブルが十台、カウンターが十席ほど、最大五十人ほど入れそうだが、今は半分ほど埋まった状態。照明はランプの明かりだけだが、思ったより明るい。
あまりじろじろ見るのも警戒されるので、給仕を探す振りをして回りを見渡す。
五人くらいのグループが三つと三人くらいのグループが三つ、カウンターにはお一人様が俺を含め四人、テーブル席はかなり盛り上がっているところもあるが、他は日本の居酒屋のようなガヤガヤ感はそれほど強くない。
まあ、毎日の食事でいつも盛り上がっていたら逆におかしいだろう。
年齢層は二十歳代中頃の俺と同世代が多く、駆け出しという雰囲気はない。
受付嬢に安全な宿をと頼んだので、中堅どころが泊まる宿になったのかもしれない。
男女比については、思ったより女の人が多い。九対一以下かと思ったが、七対三位の割合だ。この宿は冒険者御用達だそうなので、客のほとんどが冒険者と考えると女性冒険者は意外に多いのかもしれない。
女性もゴツイ感じの戦士系が多く、俺のストライクゾーンからは少し外れている。
年齢的には違和感はないだろうが、今日登録してきたばかりのルーキーがいる雰囲気ではないと思い、早々に退散する。
部屋に戻る途中、フロントに寄り、翌日の弁当を頼んでおく。
部屋に戻り、装備の点検をする。
両手剣はかなり大型になったので取り回しが難しい。明日から自主トレーニングをしようと思った。
ツーハンドソード(大)
攻撃100、命中40、必要STR500、レンジ6ft、長さ5.0ft、重量6.5lb
持ち運びは背中に背負う形にしているので、それほどではないが、重さも倍近くになり、振り回す時にかなり力がいる。
相変わらず必要STRに足りていないので、当分振り回すことは出来ない。早く筋力を付けなければいけないと思っている。
ハードレザーアーマーは前の革鎧に比べかなり防御力が上がっている感じだ。
どうやって皮をこんなに硬くしているのかはわからないが、叩くと木かプラスチックようなコンコンという硬い音がする。
昨日のうちに調整は終わっているので違和感はないが、肩の動きが若干制限されている気がする。アーマーを着込んで剣の鍛錬をした方がよさそうだ。
明日からの依頼、ギルドではクエストと言うそうだが、クエストの選択について考えてみる。
受けられるクエストは、GランクかFランクになる。
Gランクは一クエスト当り銀貨1枚くらいが相場だ。かなり安いのでできるだけFランクのクエストにしたい。
Fランクは採取系と配達系が主体だ。
配達系は時間が掛かるので採取系がいいだろう。幸い鑑定が使えるので近くに行けば適当に草を鑑定すれば目的のものを見つけられる。
Fランクへの昇格のためには五十のクエストをクリアする必要がある。
一日に二つずつとしても一ヶ月近く掛かる計算だ。
なにかいい方法がないか、常に考えておこう。
後書き
作者:狩坂 東風 |
投稿日:2012/12/08 16:10 更新日:2012/12/09 14:43 『ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)』の著作権は、すべて作者 狩坂 東風様に属します。 |
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