作品ID:131
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炎に従う〈はずの〉召喚獣
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
また会ったらきっとお互い。
前の話 | 目次 | 次の話 |
私が従うべきもの。それはフェクトやネオちゃん、それにハツカやオーティスに言わせれば水、と答えるだろう。
だけど私が従うべきものは水じゃないような気がする。
以前、スカラは言った。私に。まるで独り言のようだったから聞き逃しちゃいそうだったけどしっかりと聞き取った。
「あなたが従うべきものはあなたで決めないと。あなたは何から生まれて何を媒体にしてそうして今、此処に居るんでしょう? なら、それならあなたはそれに従うの? それは自分の意思をなくしているのと同じで、そこにあなたという生命体の意思はない。なら誰が決めたの? あなたはそれに従うべきだって。他人でしょ? でもそれでいいの? あなたが従うべきものはあなた自身で決めないと、いつか絶対後悔する」
あの時、スカラの表情は分からなかった。でも背後に夕焼けを背負っているスカラの声はいつもとは違って冷たくて、でも私が悩んでいた答えを出してくれて。
あまりにも簡単に言う言葉だったから、そしてその後、私は再確認するために家を飛び出したからスカラのその後の言葉は覚えてない。
〈スカラはどんな覚悟を抱いていたのか、それも知らない。もしかしたらオーティスなら知っているかもしれない〉
でもそれは自分自身で見つけるべきこと。他人に言われて納得できるようなことではない。それぐらい今の自分は分かる。
「ねえハツカ」
確かネオちゃんのお父さんって桐生ネル。ということは。
「ハツカ。ネルに会わせて」
「無理」
即答だった。返された返答に驚きつつも、とりあえずこちらも返事をする。
「何で無理なの? ネルはまだ指導者でしょう?」
「あーうん。確か『れいと』っていう奴と最前線と指導者を掛け持ちしちゃってます」
すっごく適当なハツカの言葉にネルとは違う人名が出てきたのに少しだけ疑問を抱きつつも言葉を重ねる。
その前に右足にかかる負担が左足よりも多くなったのを知って右足を見る。
「ね、ネオちゃん?」
「パパに、あえる?」
そういえばネオちゃん、お父さんのネルにほとんど会ったことないんだっけ。確かネルのお仕事がお仕事だからネオちゃんを危険なことに巻き込みたくないって日ごろから気をつけているんだっけ。
「うーん。どうだろうね? ネルが会いたいって思ったら会いに来てくれるかも」
でもそれはないな、と思ってしまう。先ほど述べたとおりネルは日ごろからネオを巻き込みたくないという思いからネオとは会わないでいる。急にネオと会ったとしても今度はハツカがネルに一言申すだろう。
今まで、ネオに会わなかったくせに。しかも仕事のせいにして。まあそれも分かるけど、今まで会わなかったんなら何で今会うの? ぐらいはいうかもしれない。
因みにハツカはネオと会っても大丈夫らしい。まあハツカの仕事がインタビュアーというものだからせいぜい、ハツカが戦場へ赴いてインタビューするぐらいしか危険はない。
「ハツカ。私が、従うべきものは私自身で決める、そうだよね?」
再確認。分かっている。この答えはくれないと。だけど確認しなくちゃ私の気がすまなかったんだ。
「……」
〈やっぱり、か〉
無言のハツカを見てやっぱり、と思いつつ自分で自分の従うべきものを探すため歩き出す。
「まあ、そりゃそうだろうね」
振り返る。ハツカに似た声が聞こえたような気がしたから。
よく見ればハツカの表情はあのときのスカラに似ていた。
〈スカラ?〉
思わず心に浮かんだその名前。いまだ残り続ける彼女が亡くなったという情報。
でも彼女はいなくなったわけじゃないのかもしれない。
〈スカラ。もしかして貴女は……〉
いや、この答えはフェクトたちが帰ってきてから言おう。そうしても遅くはない。
「ハツカ。行ってくるね。ネオちゃんも」
「う。キュリスねえちゃんもどっかいっちゃうの?」
「うん。でも戻ってくる。そうだ。フェクトたちが戻ってきたらこう言ってくれる?」
「なになに?」
また会うときはあの家で会おう?
だけど私が従うべきものは水じゃないような気がする。
以前、スカラは言った。私に。まるで独り言のようだったから聞き逃しちゃいそうだったけどしっかりと聞き取った。
「あなたが従うべきものはあなたで決めないと。あなたは何から生まれて何を媒体にしてそうして今、此処に居るんでしょう? なら、それならあなたはそれに従うの? それは自分の意思をなくしているのと同じで、そこにあなたという生命体の意思はない。なら誰が決めたの? あなたはそれに従うべきだって。他人でしょ? でもそれでいいの? あなたが従うべきものはあなた自身で決めないと、いつか絶対後悔する」
あの時、スカラの表情は分からなかった。でも背後に夕焼けを背負っているスカラの声はいつもとは違って冷たくて、でも私が悩んでいた答えを出してくれて。
あまりにも簡単に言う言葉だったから、そしてその後、私は再確認するために家を飛び出したからスカラのその後の言葉は覚えてない。
〈スカラはどんな覚悟を抱いていたのか、それも知らない。もしかしたらオーティスなら知っているかもしれない〉
でもそれは自分自身で見つけるべきこと。他人に言われて納得できるようなことではない。それぐらい今の自分は分かる。
「ねえハツカ」
確かネオちゃんのお父さんって桐生ネル。ということは。
「ハツカ。ネルに会わせて」
「無理」
即答だった。返された返答に驚きつつも、とりあえずこちらも返事をする。
「何で無理なの? ネルはまだ指導者でしょう?」
「あーうん。確か『れいと』っていう奴と最前線と指導者を掛け持ちしちゃってます」
すっごく適当なハツカの言葉にネルとは違う人名が出てきたのに少しだけ疑問を抱きつつも言葉を重ねる。
その前に右足にかかる負担が左足よりも多くなったのを知って右足を見る。
「ね、ネオちゃん?」
「パパに、あえる?」
そういえばネオちゃん、お父さんのネルにほとんど会ったことないんだっけ。確かネルのお仕事がお仕事だからネオちゃんを危険なことに巻き込みたくないって日ごろから気をつけているんだっけ。
「うーん。どうだろうね? ネルが会いたいって思ったら会いに来てくれるかも」
でもそれはないな、と思ってしまう。先ほど述べたとおりネルは日ごろからネオを巻き込みたくないという思いからネオとは会わないでいる。急にネオと会ったとしても今度はハツカがネルに一言申すだろう。
今まで、ネオに会わなかったくせに。しかも仕事のせいにして。まあそれも分かるけど、今まで会わなかったんなら何で今会うの? ぐらいはいうかもしれない。
因みにハツカはネオと会っても大丈夫らしい。まあハツカの仕事がインタビュアーというものだからせいぜい、ハツカが戦場へ赴いてインタビューするぐらいしか危険はない。
「ハツカ。私が、従うべきものは私自身で決める、そうだよね?」
再確認。分かっている。この答えはくれないと。だけど確認しなくちゃ私の気がすまなかったんだ。
「……」
〈やっぱり、か〉
無言のハツカを見てやっぱり、と思いつつ自分で自分の従うべきものを探すため歩き出す。
「まあ、そりゃそうだろうね」
振り返る。ハツカに似た声が聞こえたような気がしたから。
よく見ればハツカの表情はあのときのスカラに似ていた。
〈スカラ?〉
思わず心に浮かんだその名前。いまだ残り続ける彼女が亡くなったという情報。
でも彼女はいなくなったわけじゃないのかもしれない。
〈スカラ。もしかして貴女は……〉
いや、この答えはフェクトたちが帰ってきてから言おう。そうしても遅くはない。
「ハツカ。行ってくるね。ネオちゃんも」
「う。キュリスねえちゃんもどっかいっちゃうの?」
「うん。でも戻ってくる。そうだ。フェクトたちが戻ってきたらこう言ってくれる?」
「なになに?」
また会うときはあの家で会おう?
後書き
作者:フェクト |
投稿日:2010/01/25 11:20 更新日:2010/01/25 11:20 『炎に従う〈はずの〉召喚獣』の著作権は、すべて作者 フェクト様に属します。 |
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