作品ID:141
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炎に従う〈はずの〉召喚獣
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
アルファドット・システム起動と始動。
前の話 | 目次 | 次の話 |
アルファドット・システムというのは召喚獣には欠かせぬエネルギーを源としている。だがこのアルファドットが消費するエネルギーは召喚獣の倍。何倍かはもう忘れてしまったけれど。でもそんなアルファドットを作り出してしまった私は他の召喚獣たちよりもエネルギー蓄積が容易にできるという。しかもかなりの濃度まで。
だからなのかもしれない。私がアルファドット・システムなんていうのを作り出して、それを戦術として用いたのは。
〈生体コンピュータ・リルディア。これより、貴女をこの戦闘においての司令官とする。尚、権限はアルファドット・システムを使用するまでとする〉
コンピュータ・モニタに映し出された文字。それは私をこの戦闘においてのみ、司令官の椅子を渡すといった内容だった。
〈リルディア。こっちはオーケー。そちら側から1メートルぐらい離れてるけどアルファドットの効果は得られるよね?〉
「キュリス。大丈夫。範囲内。フェクトが居るグループは? 近くに居る? できれば近くにいてほしかったから」
〈私が肉眼で見れる程度だから近いことになるのかな?〉
「いや。キュリスの目は信用ならないからなぁ……肉眼で見えるっていったって、フェクトとキュリスのグループは3キロ離れてる、いやでもなぁ……」
〈リルディア? 大丈夫?〉
「あぁ。うん。一応ね」
〈リルディア! 全速で飛ばしてきたが、間に合ったか?〉
「オーケー。じゃあアルファドット・システム。起動するね」
〈了解〉
二つの声が聞こえた。それは受諾の意だった。
「アルファドット・システム、起動。システムモード、フォロー。威力、全快。範囲、1メートル。対象グループ・ツー。尚、この対象はこちら側であることを認識しての事である」
リルディアがいるフォーススフィア全体が青く光る。それはもしかしたら緑よりも強い癒しの効果だった。
あらゆるフォロー。つまり支援を終えたリルディアに休む暇などなかった。というより、アルファドット・システムは切り札のようなものだ。その切り札を出した以上、敗北は許されぬ。それにリルディア自身、負けるなんて思っていなかった。
だから。
「アルファドット・システム、モードチェンジ。モード、アタック。尚、この対象はあちら側であることを認識しての事である」
間違えた。フェクトやキュリスのグループに支援効果を行ったのはいい。其処までは順調だった。だけど。
〈リルディア! オーティスの体内から発光が!〉
フェクトの声に驚き、システムを中止。蓄積されていたエネルギー解放。それが引き金になった。
モニタに表示された熱源、オーティスのものであるそれは膨張し縮小するを繰り返していた。まるで胎動。鳴動。オーティスの翼が更なる力を欲している。そしてオーティスも。だからここで高濃度のエネルギーがオーティスに向けて放たれたのはリルディアにとってとても不利になった。
間近で見ていて分かった事。
オーティスは本当に無属性で、それに値するぐらい自由奔放。
あと、髪の毛が真っ白かった。なんていうか、無属性だからか? 白いんだけどその髪自体が発光してるというか、髪自体から得体の知れない何かがあふれ出ているというか。
そんなことをオーティスの背中に乗っている自分は考えていた。
「ネル。高濃度エネルギーがくる。伏せろ」
翼で覆い隠され、伏せろといわれ。まあ上に翼があるから伏せるしかないのだが。
ちゃんと伏せていたら真っ向からまるで激流みたいにその、オーティスが言うエネルギーが来た。高濃度っていうぐらいだから結構、精神的に圧迫されるものなのかな? とか身構えていたけれどそうでもなかった。それよりもオーティスの髪を見ていて感じたあの得体の知れない何か。もしかしたら。
いいや。似ている。この正面から凄い勢いで今も近づいている高濃度エネルギーと、オーティスの髪から流れ出てる何かと。二つとも似ている。
それともうひとつ。
オーティスは現在、空中に立っている形になっている。因みに俺はというと。
〈何故、オーティスに護られる形になっていてさらに言えば俺も空中に立っているということ〉
なんていうか。本当になんていったら通じるんだろう。最近、間近でそれはもう近距離で〈戦闘をしている最中の〉召喚獣たちに睨みをかまし、さらには睨み返されたから何となく、本当になんとなくだけど驚きが少ない。
オーティスの背中から生えるこの翼はどこまでも黒い。なんていうか不気味な感じさえ覚えさせられる。でも黒いっていうか。
〈まるでこの色じゃ、返り血を浴びてそれが乾いた色みたいだ〉
赤黒いというか。なんか真っ黒じゃない。所々まだ乾ききってないような赤があるから。
オーティスって本当に何者? とか改めて思ってしまった。
「で? オーティス。このエネルギーをどうすると? まさかとは思うけれど、真っ向から来るなら真っ向から受け止めるとか考えてないよね?」
「いや、そのつもりだ」
「そっかそっか。そうだよね。オーティスだもんね」
何というか、ここまで予想通りな反応を返されると返事にも困るというものだ。
あれ? 何かおかしい。今、自分を包んでいる翼が鳴動というより胎動しているような気がする。簡単に言えば、翼に新たな命が宿るみたいに翼から力強い鼓動の音がする。
〈オーティス?〉
オーティスの姿が変わる。少年から青年へ。翼も変わる。一応、俺の身長が160センチある。だけどそんな俺もすっぽり包み隠せそうな大きさまで膨らむ。真っ白い髪がエネルギーが巻き起こした強風であおられる。少し俺の顔にもあたって痛い。
何より吃驚したのが。
「オーティス?」
オーティスの表情が変わっていた。戦場を駆け抜ける戦士へとその表情は変貌する。
ふと。オーティスの表情を見ていると舞い込んだそれを見つけた。
オーティスの髪と同じく強風に煽られているそれはウォークマンのようなものだった。
青い青い細長い機体のウォークマン。
それが全てのエネルギーを吸収したのを見逃すはずがなかった。
だからなのかもしれない。私がアルファドット・システムなんていうのを作り出して、それを戦術として用いたのは。
〈生体コンピュータ・リルディア。これより、貴女をこの戦闘においての司令官とする。尚、権限はアルファドット・システムを使用するまでとする〉
コンピュータ・モニタに映し出された文字。それは私をこの戦闘においてのみ、司令官の椅子を渡すといった内容だった。
〈リルディア。こっちはオーケー。そちら側から1メートルぐらい離れてるけどアルファドットの効果は得られるよね?〉
「キュリス。大丈夫。範囲内。フェクトが居るグループは? 近くに居る? できれば近くにいてほしかったから」
〈私が肉眼で見れる程度だから近いことになるのかな?〉
「いや。キュリスの目は信用ならないからなぁ……肉眼で見えるっていったって、フェクトとキュリスのグループは3キロ離れてる、いやでもなぁ……」
〈リルディア? 大丈夫?〉
「あぁ。うん。一応ね」
〈リルディア! 全速で飛ばしてきたが、間に合ったか?〉
「オーケー。じゃあアルファドット・システム。起動するね」
〈了解〉
二つの声が聞こえた。それは受諾の意だった。
「アルファドット・システム、起動。システムモード、フォロー。威力、全快。範囲、1メートル。対象グループ・ツー。尚、この対象はこちら側であることを認識しての事である」
リルディアがいるフォーススフィア全体が青く光る。それはもしかしたら緑よりも強い癒しの効果だった。
あらゆるフォロー。つまり支援を終えたリルディアに休む暇などなかった。というより、アルファドット・システムは切り札のようなものだ。その切り札を出した以上、敗北は許されぬ。それにリルディア自身、負けるなんて思っていなかった。
だから。
「アルファドット・システム、モードチェンジ。モード、アタック。尚、この対象はあちら側であることを認識しての事である」
間違えた。フェクトやキュリスのグループに支援効果を行ったのはいい。其処までは順調だった。だけど。
〈リルディア! オーティスの体内から発光が!〉
フェクトの声に驚き、システムを中止。蓄積されていたエネルギー解放。それが引き金になった。
モニタに表示された熱源、オーティスのものであるそれは膨張し縮小するを繰り返していた。まるで胎動。鳴動。オーティスの翼が更なる力を欲している。そしてオーティスも。だからここで高濃度のエネルギーがオーティスに向けて放たれたのはリルディアにとってとても不利になった。
間近で見ていて分かった事。
オーティスは本当に無属性で、それに値するぐらい自由奔放。
あと、髪の毛が真っ白かった。なんていうか、無属性だからか? 白いんだけどその髪自体が発光してるというか、髪自体から得体の知れない何かがあふれ出ているというか。
そんなことをオーティスの背中に乗っている自分は考えていた。
「ネル。高濃度エネルギーがくる。伏せろ」
翼で覆い隠され、伏せろといわれ。まあ上に翼があるから伏せるしかないのだが。
ちゃんと伏せていたら真っ向からまるで激流みたいにその、オーティスが言うエネルギーが来た。高濃度っていうぐらいだから結構、精神的に圧迫されるものなのかな? とか身構えていたけれどそうでもなかった。それよりもオーティスの髪を見ていて感じたあの得体の知れない何か。もしかしたら。
いいや。似ている。この正面から凄い勢いで今も近づいている高濃度エネルギーと、オーティスの髪から流れ出てる何かと。二つとも似ている。
それともうひとつ。
オーティスは現在、空中に立っている形になっている。因みに俺はというと。
〈何故、オーティスに護られる形になっていてさらに言えば俺も空中に立っているということ〉
なんていうか。本当になんていったら通じるんだろう。最近、間近でそれはもう近距離で〈戦闘をしている最中の〉召喚獣たちに睨みをかまし、さらには睨み返されたから何となく、本当になんとなくだけど驚きが少ない。
オーティスの背中から生えるこの翼はどこまでも黒い。なんていうか不気味な感じさえ覚えさせられる。でも黒いっていうか。
〈まるでこの色じゃ、返り血を浴びてそれが乾いた色みたいだ〉
赤黒いというか。なんか真っ黒じゃない。所々まだ乾ききってないような赤があるから。
オーティスって本当に何者? とか改めて思ってしまった。
「で? オーティス。このエネルギーをどうすると? まさかとは思うけれど、真っ向から来るなら真っ向から受け止めるとか考えてないよね?」
「いや、そのつもりだ」
「そっかそっか。そうだよね。オーティスだもんね」
何というか、ここまで予想通りな反応を返されると返事にも困るというものだ。
あれ? 何かおかしい。今、自分を包んでいる翼が鳴動というより胎動しているような気がする。簡単に言えば、翼に新たな命が宿るみたいに翼から力強い鼓動の音がする。
〈オーティス?〉
オーティスの姿が変わる。少年から青年へ。翼も変わる。一応、俺の身長が160センチある。だけどそんな俺もすっぽり包み隠せそうな大きさまで膨らむ。真っ白い髪がエネルギーが巻き起こした強風であおられる。少し俺の顔にもあたって痛い。
何より吃驚したのが。
「オーティス?」
オーティスの表情が変わっていた。戦場を駆け抜ける戦士へとその表情は変貌する。
ふと。オーティスの表情を見ていると舞い込んだそれを見つけた。
オーティスの髪と同じく強風に煽られているそれはウォークマンのようなものだった。
青い青い細長い機体のウォークマン。
それが全てのエネルギーを吸収したのを見逃すはずがなかった。
後書き
作者:フェクト |
投稿日:2010/02/02 18:09 更新日:2010/02/02 18:09 『炎に従う〈はずの〉召喚獣』の著作権は、すべて作者 フェクト様に属します。 |
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