作品ID:153
あなたの読了ステータス
(読了ボタン正常)一般ユーザと認識
「炎に従う〈はずの〉召喚獣」を読み始めました。
読了ステータス(人数)
読了(46)・読中(0)・読止(0)・一般PV数(148)
読了した住民(一般ユーザは含まれません)
炎に従う〈はずの〉召喚獣
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
クリスタル・ガーデン訪問まで。
前の話 | 目次 | 次の話 |
フェクトが新たな空を創りだしてから9日後。
世界は新たなる空と共に新たなる光を見出した。
クリスタル・ガーデン。嘗ては強国だった場所であり、全ての召喚獣の母ともいえる召喚獣誕生の地。
召喚獣誕生の地、クリスタル・ガーデンには召喚獣のエネルギーを凝縮した液状クリスタルやエネルギーを凝縮し、固めたクリスタルが所々で見る事ができる。
ただクリスタル・ガーデンに立ち入る事を許されているのは召喚獣と召喚獣を召喚したもののみ。あとは何らかの理由でクリスタル・ガーデンに立ち入る事を許された異例な存在。
そして昔も今も残り続けるクリスタル・ガーデンの象徴とも言うべき塔。
その塔は決して高くない。寧ろドーム状になっていて天井は低く縦横に広い。
本来の塔とは棒状に上へとのびている形状。しかしクリスタル・ガーデンの塔とは違う。これこそ、クリスタル・ガーデンが召喚獣誕生の地とも言われる理由の一つ。
召喚獣は空に向かっていく塔を嫌う。召喚獣は万能ではない。それゆえに召喚獣は召喚された後、召喚したものに試され不要と判断されれば即、還される。
勿論、召喚獣はエネルギーの塊のようなものなので還されたあとの召喚獣は空へと還る。
そしてその還された召喚獣のエネルギーの小さな珠を拾い、新たなる召喚獣を生み出す役割をスカラは担っていた。
久々の地上に思わずフェクトは気を緩める。ずっと空を創りだすために最高濃度炎エネルギーを蓄積したり、〈これはオーティスがやってくれたが〉その最高濃度炎エネルギーを自らがあけた穴に張り巡らせたり、張り巡らせる際にはエネルギーを細い糸状にして糸状にしたそれを重ねて張り巡らせるなとか。
とにかく緻密な作業が続いていたせいで神経が削られている上に久々に地上へと降り立って安心感が一気に自分の体内を駆け抜ける。
「? キュリスは?」
自分の問いかけに答えるものはいない。ネオは俯きハツカはオーティスと今後のことを話し合っている。
「ネオ。キュリス、どこいった?」
確かに、空へと飛び立つ前は此処に居た。ネオやハツカと共に。
「キュリスねえちゃん、たびにでちゃった」
キュリスが旅に出た。その言葉の意味を本当の意味で受け取るのには時間は要らなかった。
キュリスのことだ。きっと自分の思いをちゃんと整理するために、そして以前から彼女は彼女が従うべきものに対して迷っていた。きっとそれも関係している。だから彼女は旅に出た。色んな人や召喚獣と会話して。そこで答えを見つけるつもりなのだろう。
ネオの頭を撫で、オーティスが丁度ハツカと話し終えたらしくこちらに歩み寄ってくる。
「フェクト。ここからクリスタル・ガーデンまで飛ばせるか?」
正直に言おう。先ほどのネオの言葉は思い当たる理由があってキュリスが旅にでたという事実を素直に直ぐ受け止めれたが、今度のオーティスの言葉は直ぐには受け止める事ができない。
というか受け止めたくない。それにはちゃんと理由がある。
「オーティス。今、数分前に此処に戻ってきて飛行能力に回すエネルギーなんてないの分かっていってるのか?」
「そんなこと聞かれないでも分かる。今のお前には飛行能力に回せるエネルギーはない。そんな余裕はない」
「なら無理だってことがわかるだろう」
「いいや。ギリギリで可能だ。つまり一時的にお前を牽引する形でお前の存在を消す」
「それは俺を空に還す、という?」
「まあ言い換えればそうだな。しかし仮の、だ。一時的にしろお前には空に行ってもらわなければならなくなった」
「要するに? 俺は今、エネルギーがないから飛行も攻撃もできない。だからオーティスが俺を連れて行く形でクリスタル・ガーデンへと赴く。だけどその際、俺は擬人化のまま飛べない。そこまでエネルギー余裕はないから。だから空へと一時的に俺の存在を還すと? オーティスに言わせてもらう。空へと還すのもまたエネルギーが必要だ。飛行すらできない俺に飛行する際、使うエネルギーよりも大きなエネルギーを使う空へと還す手段はとれないと思うが?」
召喚獣は万能ではない。当然、不老不死でなければ己が使えるエネルギーにも限界はある。それともう一つ言えば常に召喚獣の行動はエネルギーに縛られている。
召喚獣一匹につき使う事ができるエネルギーは濃度に変換すると高濃度まで。それでも十分なほどだが召喚獣は何か行動する度に、エネルギーを消費していく。
それは空へと還る際にも同じことが言える。
だからオーティスが言ったことは今のフェクトに対してのみ、可能なことではない。
「……ならどうする?」
「どうする? って。結局はクリスタル・ガーデンに行かなければならないのか?」
「できるだけ早急に」
「何で」
「召喚獣が何か大きなことをする際には、まあそれこそ今回みたいな新たな空を創りだすみたいな大きなことをするためには全ての召喚獣の母ともいうべき召喚獣誕生の地であるクリスタル・ガーデンに申告しなければならない」
「いや、そこは分かるけど。……もしかして、オーティス」
「クリスタル・ガーデンに申告するのを忘れた」
「やっぱり……」
「おかげで空を創り出した後、クリスタル・ガーデンに来いという書類とデータがきた」
「そこで処分を言い渡されると」
「処分、といっても空を創り出しただけ、いや今のクリスタル・ガーデンを纏めている奴は当てにならないからな。いい加減で」
「まるでネルみたいだな」
「ああ。丁度そんな感じだ」
こうして、クリスタル・ガーデン訪問が決まった。
世界は新たなる空と共に新たなる光を見出した。
クリスタル・ガーデン。嘗ては強国だった場所であり、全ての召喚獣の母ともいえる召喚獣誕生の地。
召喚獣誕生の地、クリスタル・ガーデンには召喚獣のエネルギーを凝縮した液状クリスタルやエネルギーを凝縮し、固めたクリスタルが所々で見る事ができる。
ただクリスタル・ガーデンに立ち入る事を許されているのは召喚獣と召喚獣を召喚したもののみ。あとは何らかの理由でクリスタル・ガーデンに立ち入る事を許された異例な存在。
そして昔も今も残り続けるクリスタル・ガーデンの象徴とも言うべき塔。
その塔は決して高くない。寧ろドーム状になっていて天井は低く縦横に広い。
本来の塔とは棒状に上へとのびている形状。しかしクリスタル・ガーデンの塔とは違う。これこそ、クリスタル・ガーデンが召喚獣誕生の地とも言われる理由の一つ。
召喚獣は空に向かっていく塔を嫌う。召喚獣は万能ではない。それゆえに召喚獣は召喚された後、召喚したものに試され不要と判断されれば即、還される。
勿論、召喚獣はエネルギーの塊のようなものなので還されたあとの召喚獣は空へと還る。
そしてその還された召喚獣のエネルギーの小さな珠を拾い、新たなる召喚獣を生み出す役割をスカラは担っていた。
久々の地上に思わずフェクトは気を緩める。ずっと空を創りだすために最高濃度炎エネルギーを蓄積したり、〈これはオーティスがやってくれたが〉その最高濃度炎エネルギーを自らがあけた穴に張り巡らせたり、張り巡らせる際にはエネルギーを細い糸状にして糸状にしたそれを重ねて張り巡らせるなとか。
とにかく緻密な作業が続いていたせいで神経が削られている上に久々に地上へと降り立って安心感が一気に自分の体内を駆け抜ける。
「? キュリスは?」
自分の問いかけに答えるものはいない。ネオは俯きハツカはオーティスと今後のことを話し合っている。
「ネオ。キュリス、どこいった?」
確かに、空へと飛び立つ前は此処に居た。ネオやハツカと共に。
「キュリスねえちゃん、たびにでちゃった」
キュリスが旅に出た。その言葉の意味を本当の意味で受け取るのには時間は要らなかった。
キュリスのことだ。きっと自分の思いをちゃんと整理するために、そして以前から彼女は彼女が従うべきものに対して迷っていた。きっとそれも関係している。だから彼女は旅に出た。色んな人や召喚獣と会話して。そこで答えを見つけるつもりなのだろう。
ネオの頭を撫で、オーティスが丁度ハツカと話し終えたらしくこちらに歩み寄ってくる。
「フェクト。ここからクリスタル・ガーデンまで飛ばせるか?」
正直に言おう。先ほどのネオの言葉は思い当たる理由があってキュリスが旅にでたという事実を素直に直ぐ受け止めれたが、今度のオーティスの言葉は直ぐには受け止める事ができない。
というか受け止めたくない。それにはちゃんと理由がある。
「オーティス。今、数分前に此処に戻ってきて飛行能力に回すエネルギーなんてないの分かっていってるのか?」
「そんなこと聞かれないでも分かる。今のお前には飛行能力に回せるエネルギーはない。そんな余裕はない」
「なら無理だってことがわかるだろう」
「いいや。ギリギリで可能だ。つまり一時的にお前を牽引する形でお前の存在を消す」
「それは俺を空に還す、という?」
「まあ言い換えればそうだな。しかし仮の、だ。一時的にしろお前には空に行ってもらわなければならなくなった」
「要するに? 俺は今、エネルギーがないから飛行も攻撃もできない。だからオーティスが俺を連れて行く形でクリスタル・ガーデンへと赴く。だけどその際、俺は擬人化のまま飛べない。そこまでエネルギー余裕はないから。だから空へと一時的に俺の存在を還すと? オーティスに言わせてもらう。空へと還すのもまたエネルギーが必要だ。飛行すらできない俺に飛行する際、使うエネルギーよりも大きなエネルギーを使う空へと還す手段はとれないと思うが?」
召喚獣は万能ではない。当然、不老不死でなければ己が使えるエネルギーにも限界はある。それともう一つ言えば常に召喚獣の行動はエネルギーに縛られている。
召喚獣一匹につき使う事ができるエネルギーは濃度に変換すると高濃度まで。それでも十分なほどだが召喚獣は何か行動する度に、エネルギーを消費していく。
それは空へと還る際にも同じことが言える。
だからオーティスが言ったことは今のフェクトに対してのみ、可能なことではない。
「……ならどうする?」
「どうする? って。結局はクリスタル・ガーデンに行かなければならないのか?」
「できるだけ早急に」
「何で」
「召喚獣が何か大きなことをする際には、まあそれこそ今回みたいな新たな空を創りだすみたいな大きなことをするためには全ての召喚獣の母ともいうべき召喚獣誕生の地であるクリスタル・ガーデンに申告しなければならない」
「いや、そこは分かるけど。……もしかして、オーティス」
「クリスタル・ガーデンに申告するのを忘れた」
「やっぱり……」
「おかげで空を創り出した後、クリスタル・ガーデンに来いという書類とデータがきた」
「そこで処分を言い渡されると」
「処分、といっても空を創り出しただけ、いや今のクリスタル・ガーデンを纏めている奴は当てにならないからな。いい加減で」
「まるでネルみたいだな」
「ああ。丁度そんな感じだ」
こうして、クリスタル・ガーデン訪問が決まった。
後書き
作者:フェクト |
投稿日:2010/02/23 09:36 更新日:2010/02/23 09:36 『炎に従う〈はずの〉召喚獣』の著作権は、すべて作者 フェクト様に属します。 |
前の話 | 目次 | 次の話 |
読了ボタン