作品ID:156
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炎に従う〈はずの〉召喚獣
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
フェクトアンドオーティス、困惑、激情。
前の話 | 目次 | 次の話 |
クリスタル・ガーデンを訪問するまではわかった。けどな。
「おい。オーティス。この検問、どうするんだよ……」
「こんな軟弱なものは、力ずくで通過するに決まっているだろう? お前は何を聞くか。質問するならもう少し違った質問にしろ」
「だぁかぁら! その『力ずく』って何なんだよ」
「そんなもの、お前でも考えられるだろうが」
〈毎回の事だが、腹たつ。オーティスめ〉
「ん? どうした? フェクト」
「何でも」
クリスタル・ガーデン入門するまえにこの検問を潜りぬけなければならない。だが我々がここに呼ばれた理由は処罰の有無とどれぐらいの刑罰が与えられるのか。その理由がある前でこれ以上の問題は犯したくない。いや、本当に。
「これ以上、問題犯してクリスタル・ガーデンから問題視されるのは勘弁してほしい。ていうか召喚獣なら誰でもクリスタル・ガーデンを敵に回したくないと思うんだがお前は違うのか」
「残念ながら? 私も召喚獣だ。召喚獣全てを取り締まるクリスタル・ガーデンを敵に回すなど考えただけで頭痛がするな。ということで、だ」
「?」
「この際、クリスタル・ガーデン側に見つからない程度に暴れるっていうのは……」
「お前、バカだろ。絶対にバカだろ? クリスタル・ガーデンを敵に回したくないなら、暴れるなって言ってるんだ!」
「んな、お前、私に暴れるな、というのか。お前の方こそバカだろう。私は一日1時間は暴れないとダメなんだ」
「お前はあれか。凶暴化したモンスターか。害があるからお前こそクリスタル・ガーデン側に売り渡していいか?」
「……嫌だ」
「だろう。よし。なら暴れるな」
「……」
オーティスはこう見えても一日一時間は暴れないとダメなタイプである。要するに体を動かしていないと直ぐストレスが溜まるのだ。
「クリスタル・ガーデンに呼ばれているんだが」
「名は?」
「フェクトタクティス」
「オーティスタクティス」
「……ああ。勝手に空を創り出した召喚獣か。確かにクリスタル・ガーデン最高責任者の名で呼び寄せたと書いてある。通っていいぞ」
何故か長刀を持っている検問官はフェクト達の名を聞くとゲートを開け、フェクト達を通した。
「まったく。あいつはなんであんなに偉そうなんだ。私たちは好きで呼ばれたのではないぞ?」
「オーティス。言っておくが、此処に呼ばれた責任は確実にこちら側にあるぞ。いいか? 俺たちは勝手に空を創り出した。最高濃度エネルギーを有する空を、だ。別の媒体なら兎も角、最高濃度エネルギーを有する媒体を復活もしくは創り出した場合、クリスタル・ガーデンに呼ばれるのは当然だろうが」
「だとしてもだ。私たちは呼ばれた側だ。そして呼んだ側はガーデン側。ガーデン側は私たちに対してそれなりの対応をとらなくてはならないのではないか?」
「いいから。ほら。ガーデン内部に入るぞ」
クリスタル・ガーデンを象徴する塔の鉄の門を潜り、目を見開いた。
「おい。オーティス。此処はどこだ」
「私に聞くな。私も困惑しているんだ」
「だろうな……」
「本当だ……」
フェクトとオーティスが困惑しているのは門を潜った内部に対して困惑している。
此処は本来、門を潜ればこんな大草原は広がっていない。しかも大草原の真ん中に玉座なんてない。此処は門を潜った先にちゃんと螺旋階段があり、登った先には広々とした王室がある。そこに玉座があるのだが……。
「というかお前は誰だ」
「んな、お前は誰だって……バカ、この玉座に座っているということはこのクリスタル・ガーデン最高責任者の証だろうが」
「その言葉遣いのどこがクリスタル・ガーデン最高責任者なんだ」
「言葉遣いで最高責任者を決めちゃダメだろうが」
「んなことお前に言われたくないな」
フェクトの問いに玉座に座るものが答え、その言葉にオーティスがイライラとした声色で答えまた玉座の者が答え今度はフェクトとオーティスの声が重なった。
「お前ら本当にバカだな」
「お前に言われたくない」
「というか本当にお前は誰だ。見知らぬものにバカ呼ばわりされたくないな」
「フェクトちゃんもオーティスちゃんも冷たい……」
「オーティス。こいつをまずは潰していいか?」
「フェクト。奇遇だな。私もそう思っていた。なんだったらこの際、私とお前のコンボで倒すか」
「よし。賛成」
「ちょっと待て。分かったから! 分かったから、エネルギーは仕舞おう! うん!」
玉座の者が慌てた様子でフェクトとオーティスの両手に宿っていくエネルギーの粒子を仕舞うよう願う。
それに溜息を吐いて仕方なくエネルギーを仕舞うフェクトたち。
「用件は? 早く言ってくれないとイライラしてこのイライラをお前にぶつけるぞ」
「名前も名乗っていない上に指図するとは……お前、覚悟はできているだろうな?」
「フェクトはまだいいけどさ! オーティス、ちょっ君は酷すぎだろっ! 名は名乗る! んで指図もしない! これでどうだ!?」
「まったく。なら早く名乗れ。んで用件を早く言え」
だんだん、オーティスのイライラが募ってきた。
フェクトは自分の髪を左手でかきあげ、溜息を吐く。
「僕はクリスタル・ガーデン最高責任者」
「おい。名前ってそれとか言わないよな?」
「だってこれが名前なんだもん……! だから首絞めないで! フェクトぉ……」
「まあいい。用件は?」
「君達にクリスタル・ガーデン側から処罰の有無が問われているのは知ってるよね。今日はその有無と刑罰の問題ね」
フェクトたちはおとなしくその言葉の続きを待った。
「処罰はない。ということはナシね。ただ刑罰はある。まあ刑罰と言ってもすごーく軽いものだから。少し、エネルギーの容量を減らすだけだから」
「おい。それって死活問題だろうがぁ!」
とうとう、オーティスのイライラが限界点を突破した。玉座に座る責任者の首を絞め、空中に浮かせる。右手一本で責任者の細い首を持ち上げているあたり本当に怒っているのだろう。
「オーティス。待て。確かに俺たち召喚獣にとって使用できるエネルギーの容量が少なくなってしまうのは死活問題に等しい。だがな。何も責任者をしめあげなくてもいいんじゃないか?」
「……フェクト。お前はな、私に暴れることなく期間を過ごせというのか? お前、それ一番腹たつことだぞ。分かってるのか?」
〈ああ、何か俺、今からこの状況打破する方法が見つからないんだけど……〉
心中で嘆いてしまうフェクトが此処に居た。
因みに。責任者はその左手に一枚の紙を握ったまま青褪めた顔でぐったりと項垂れていた。
「おい。オーティス。この検問、どうするんだよ……」
「こんな軟弱なものは、力ずくで通過するに決まっているだろう? お前は何を聞くか。質問するならもう少し違った質問にしろ」
「だぁかぁら! その『力ずく』って何なんだよ」
「そんなもの、お前でも考えられるだろうが」
〈毎回の事だが、腹たつ。オーティスめ〉
「ん? どうした? フェクト」
「何でも」
クリスタル・ガーデン入門するまえにこの検問を潜りぬけなければならない。だが我々がここに呼ばれた理由は処罰の有無とどれぐらいの刑罰が与えられるのか。その理由がある前でこれ以上の問題は犯したくない。いや、本当に。
「これ以上、問題犯してクリスタル・ガーデンから問題視されるのは勘弁してほしい。ていうか召喚獣なら誰でもクリスタル・ガーデンを敵に回したくないと思うんだがお前は違うのか」
「残念ながら? 私も召喚獣だ。召喚獣全てを取り締まるクリスタル・ガーデンを敵に回すなど考えただけで頭痛がするな。ということで、だ」
「?」
「この際、クリスタル・ガーデン側に見つからない程度に暴れるっていうのは……」
「お前、バカだろ。絶対にバカだろ? クリスタル・ガーデンを敵に回したくないなら、暴れるなって言ってるんだ!」
「んな、お前、私に暴れるな、というのか。お前の方こそバカだろう。私は一日1時間は暴れないとダメなんだ」
「お前はあれか。凶暴化したモンスターか。害があるからお前こそクリスタル・ガーデン側に売り渡していいか?」
「……嫌だ」
「だろう。よし。なら暴れるな」
「……」
オーティスはこう見えても一日一時間は暴れないとダメなタイプである。要するに体を動かしていないと直ぐストレスが溜まるのだ。
「クリスタル・ガーデンに呼ばれているんだが」
「名は?」
「フェクトタクティス」
「オーティスタクティス」
「……ああ。勝手に空を創り出した召喚獣か。確かにクリスタル・ガーデン最高責任者の名で呼び寄せたと書いてある。通っていいぞ」
何故か長刀を持っている検問官はフェクト達の名を聞くとゲートを開け、フェクト達を通した。
「まったく。あいつはなんであんなに偉そうなんだ。私たちは好きで呼ばれたのではないぞ?」
「オーティス。言っておくが、此処に呼ばれた責任は確実にこちら側にあるぞ。いいか? 俺たちは勝手に空を創り出した。最高濃度エネルギーを有する空を、だ。別の媒体なら兎も角、最高濃度エネルギーを有する媒体を復活もしくは創り出した場合、クリスタル・ガーデンに呼ばれるのは当然だろうが」
「だとしてもだ。私たちは呼ばれた側だ。そして呼んだ側はガーデン側。ガーデン側は私たちに対してそれなりの対応をとらなくてはならないのではないか?」
「いいから。ほら。ガーデン内部に入るぞ」
クリスタル・ガーデンを象徴する塔の鉄の門を潜り、目を見開いた。
「おい。オーティス。此処はどこだ」
「私に聞くな。私も困惑しているんだ」
「だろうな……」
「本当だ……」
フェクトとオーティスが困惑しているのは門を潜った内部に対して困惑している。
此処は本来、門を潜ればこんな大草原は広がっていない。しかも大草原の真ん中に玉座なんてない。此処は門を潜った先にちゃんと螺旋階段があり、登った先には広々とした王室がある。そこに玉座があるのだが……。
「というかお前は誰だ」
「んな、お前は誰だって……バカ、この玉座に座っているということはこのクリスタル・ガーデン最高責任者の証だろうが」
「その言葉遣いのどこがクリスタル・ガーデン最高責任者なんだ」
「言葉遣いで最高責任者を決めちゃダメだろうが」
「んなことお前に言われたくないな」
フェクトの問いに玉座に座るものが答え、その言葉にオーティスがイライラとした声色で答えまた玉座の者が答え今度はフェクトとオーティスの声が重なった。
「お前ら本当にバカだな」
「お前に言われたくない」
「というか本当にお前は誰だ。見知らぬものにバカ呼ばわりされたくないな」
「フェクトちゃんもオーティスちゃんも冷たい……」
「オーティス。こいつをまずは潰していいか?」
「フェクト。奇遇だな。私もそう思っていた。なんだったらこの際、私とお前のコンボで倒すか」
「よし。賛成」
「ちょっと待て。分かったから! 分かったから、エネルギーは仕舞おう! うん!」
玉座の者が慌てた様子でフェクトとオーティスの両手に宿っていくエネルギーの粒子を仕舞うよう願う。
それに溜息を吐いて仕方なくエネルギーを仕舞うフェクトたち。
「用件は? 早く言ってくれないとイライラしてこのイライラをお前にぶつけるぞ」
「名前も名乗っていない上に指図するとは……お前、覚悟はできているだろうな?」
「フェクトはまだいいけどさ! オーティス、ちょっ君は酷すぎだろっ! 名は名乗る! んで指図もしない! これでどうだ!?」
「まったく。なら早く名乗れ。んで用件を早く言え」
だんだん、オーティスのイライラが募ってきた。
フェクトは自分の髪を左手でかきあげ、溜息を吐く。
「僕はクリスタル・ガーデン最高責任者」
「おい。名前ってそれとか言わないよな?」
「だってこれが名前なんだもん……! だから首絞めないで! フェクトぉ……」
「まあいい。用件は?」
「君達にクリスタル・ガーデン側から処罰の有無が問われているのは知ってるよね。今日はその有無と刑罰の問題ね」
フェクトたちはおとなしくその言葉の続きを待った。
「処罰はない。ということはナシね。ただ刑罰はある。まあ刑罰と言ってもすごーく軽いものだから。少し、エネルギーの容量を減らすだけだから」
「おい。それって死活問題だろうがぁ!」
とうとう、オーティスのイライラが限界点を突破した。玉座に座る責任者の首を絞め、空中に浮かせる。右手一本で責任者の細い首を持ち上げているあたり本当に怒っているのだろう。
「オーティス。待て。確かに俺たち召喚獣にとって使用できるエネルギーの容量が少なくなってしまうのは死活問題に等しい。だがな。何も責任者をしめあげなくてもいいんじゃないか?」
「……フェクト。お前はな、私に暴れることなく期間を過ごせというのか? お前、それ一番腹たつことだぞ。分かってるのか?」
〈ああ、何か俺、今からこの状況打破する方法が見つからないんだけど……〉
心中で嘆いてしまうフェクトが此処に居た。
因みに。責任者はその左手に一枚の紙を握ったまま青褪めた顔でぐったりと項垂れていた。
後書き
作者:フェクト |
投稿日:2010/03/02 10:36 更新日:2010/03/02 10:36 『炎に従う〈はずの〉召喚獣』の著作権は、すべて作者 フェクト様に属します。 |
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