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作品ID:169
「炎に従う〈はずの〉召喚獣」へ

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炎に従う〈はずの〉召喚獣

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


全ての終わりと召喚獣の銅像と最終話。

前の話 目次

 全ての終わりと召喚獣の銅像とクリスタル・ガーデン。





「楯羽ーっ! そっち行ったよ! 召喚獣で迎撃してよねっ! いっつもアンタ、見過ごすというか面倒がって攻撃しないから……」

 はいはい。分かりましたよーだ。

「何その、返事! まあいいや。楯羽、まずはアンタの召喚獣を手なずけないとね。……まったく。昔はもっと便利いいモノだったのにね。召喚獣って。擬人化みたいなことできたんでしょ? なのに今じゃそのまんま。獣の形でしかないもんね」

 召喚獣も時が経たら変わるものだよ。それに、召喚獣を悪く言うのはダメだよ。教科書にも載ってたでしょ? クリスタル・ガーデンにも祀られている召喚獣が居るって。

「そりゃあそうだけど」

 召喚獣にも色々あるなら、人間にもあるってものでしょ?

「うーん……まあ確かにフェクトタクティスやオーティスタクティスのことを悪く言うのは私も反対だけど」

 なら!

「分かった、ってアンタぁ!? ちょっ、規定違反ー! プログラム用の設備、召喚獣が壊してるぅー!」

 えぇ!? ああ! 雷攻! だめでしょ! 遊んじゃ!

「違う! 遊んでるんじゃなくて、壊してるの! って違いますって先生っ! 私じゃないんです! 確かに管理責任は私にありますけどってマジで勘弁してくださいっ!」



 あのクリスタル・ガーデンを巡る争いも止まった。でもほんの半年だ。半年前までガーデンを巡って争いが起こっていた。そしてそれを止めたのがフェクトタクティスとオーティスタクティス。

 今此処にある空も以前は消えていたもの。けれどそれが今はちゃんとこうしてある。それもフェクトタクティスが創りだしたもの。オーティスタクティスも。

 ……本当なら、あの二人も一緒に此処に居るはずだったのにね。



 半年前、私は召喚獣という存在を怖がっていた。だけどあの二人が居てくれたから、存在してたから私は召喚獣を好きになれた。

 そして、召喚獣と共存することを覚えたんだ。

 それを守っていくことが私、朝龍 楯羽のルールだから。

 じゃあ半年前の出来事を思い出してみる。





「フェクト! ガーデンがっ!」

「オーティス……エネルギーが散っていく。エネルギーの粒が空へと還っていく」

「フェクト? 今はそんなこと言ってる場合じゃないっ! 早く対処しろ!」

「いや、対処する必要なんてないだろ?」

「……何?」

 ガーデンが争いの中心地となったことに愕然とし、思考をめぐらせるのも嫌になったようなフェクトが言う。



「俺たちがエネルギーを吸収して、銅像になればいんだよ……」

「はっ!?」

 フェクトの言葉に驚き、オーティスがフェクトのほうに勢いよく振り向く。



「銅像ってバカ、お前、私たちが争いの中心になってるということに気づけ」

 さて。説明しよう。この争い別名「ガーデン・クラッシャー」はガーデンに対して反抗意識をもっている召喚獣や人間が団結し、ガーデンに争いを仕掛けるというものだ。

 そしてこれはガーデンに加担したものも争いの中心になる。つまりフェクトやオーティスも中心の人物になる。



「俺たちがクリスタル・ガーデン内に銅像として篭れば、あいつらにエネルギーも供給されないだろ……?」

「……賛成はできない。私は残る。お前は銅像になりたければなってろ。私は何が何でも残る」

「それじゃあダメなんだよっ!」

「?」

「まだわかんないのか!? この争いの本当の原因はガーデンじゃない! 俺たちなんだっ! 俺たちが勝手に空を創り出したりしたから……っ!」

「フェクト、お前まさか、空のエネルギーがあいつらに全てわたったとか言わないだろうな!?」

「あぁそうだ。俺たちは空のエネルギーを復活させてしまったせいで、ガーデンが狙われて」

「……フェクト、もういい。お前は要するにこのことに対する罰を何の形でもいいから受けたいんだろ? そしてその罰は私たちが銅像になってこの世界から消えること」

「オーティス」

「はぁ。フェクト? 私はお前に言った事がある」





「楯羽! アンタは私が護ってやるからっ! つーことで、私たちは必ず、二人で一つがモットーだかんね!?」





「私はフェクト、お前を護ると。そして必ず二人で一つというのをルールにすると」





「楯羽?。私、やっぱり召喚獣テスト、受けるよ。召喚獣に関する書物も情報もないけれど、少しぐらい召喚獣に関して勉強してみようと思う。テストを受ければ召喚獣のこと、好きになれるかもしれない」

 そっか。有難う。私が礼を言う事じゃないかもしれないけど、有難う。召喚獣の代わりに礼を言わせて。

「楯羽ってさ。本当に召喚獣大好きだよね。わざわざ召喚獣に名前をつけてるぐらいだし」

 今は放課後。グラウンドでは召喚獣同士で戦闘している者、他には今、私たちみたいに召喚獣のブラッシングをしている者。各々が好きなことをしている。まあ共通していることは召喚獣に関する事をしている、という点。

 そして私、楯羽も自分の召喚獣……雷攻〈四本足の黄色い毛並み、すっごいサラサラですよ、に他には緑色の両目、すっごい眼光きついですよ。同じクラスの召喚獣と比べてもかなりきついですよ、に大柄な体つきのくせにライオンみたいに鬣があったりしてる私の召喚獣〉にブラッシング。

 隣で雷攻の眼光を必死に耐えている友人に言われた言葉。



 風がふき、それに呼応するかのように私の黒髪が揺れ、私の履いている茶色いブーツの紐や着ている黒いジャケットも揺れる。

 視界に映る木々が風に揺れる。

 世界がこのとき全て揺れた。



 雷攻っ! ブラッシング終わったよ。

「あらま。雷攻の目つきがやわらかくなったわね。……ちょっ、雷攻、アンタ私のほう見るときは凄く目つきが鋭くなるのね」

 雷攻は基本的、私以外の人間は信用しないタイプだから。

「うわっ。何その厄介者。まあ? 召喚獣に好かれてるなら楯羽も安心して生活できるよね。だって召喚獣にすかれてるなら召喚獣に護ってもらえるじゃん」

 えぇ? 護ってくれるんじゃないの!?

「まあね! 楯羽は私が護るっ! 雷攻、残念でしたぁー。君の愛しい楯羽は私が護るんですぅー!」

『貴様、この俺に向かってどんな口の利き方を、しかもタテハはお前が護るだと? ふざけるな。タテハは俺を拾い、此処まで育ててくれたんだ。この借りは絶対に返すと決めた。まあどうしてもというならお前の召喚獣を出せ。俺直々に叩きのめしてやる』

 雷攻! 喧嘩は吹っかけちゃダメって教えたでしょ!? 全くもう。

『タテハ。……すまない』

 別にいいけど。



 フェクトタクティスやオーティスタクティスの素顔は知らない。それに、フェクトタクティスやオーティスタクティスというのはどんな召喚獣なのか分からない。だけど分かる。フェクトタクティスやオーティスタクティスはどんな召喚獣なのか。



 きっと、凄く優しい召喚獣なんだろうな。





 ――また一つの召喚獣生命体と一つの人間生命体が新たな生活を始めた。そしてそれが明かされるかどうかは『神なる生命体』の意思による。

後書き


作者:フェクト
投稿日:2010/03/15 15:20
更新日:2010/03/15 15:20
『炎に従う〈はずの〉召喚獣』の著作権は、すべて作者 フェクト様に属します。

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