作品ID:191
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Devil+Angel=Reo
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
第1話。
前の話 | 目次 | 次の話 |
上に天使。下に悪魔。真ん中に人間。
天使は真っ白い小さな翼を背中に二枚生やし、手には天秤を持っている。天秤は人間に向けられていて、人間はそれを見上げている。
悪魔は真っ黒な大きな翼を背中に二枚生やし、手には死神のような大きな鎌を持ち、鎌の刃先端は人間に向けられている。人間はそれに気づかない。
人間は天使や悪魔とは違い、背中に何も生やしてはいなかった。
……が、人間の顔は苦痛の表情に形作られ、背中には、ぼんやりと黒くとも白くともとれる翼が二枚浮かび上がっていた。
それは人間が天使にも悪魔にもなれるということを証明する紋章だった。
フェリアンヴェスピュリア大公国。
この国にはあるお話がある。
……人間は一人で世界を彷徨っていた。そんな時、眩い光と暗い光が人間の正面に突如として現れた。
眩い光と暗い光の中から現れたのは天使と悪魔。
天使は天秤を持ち、悪魔は死神のような大きな鎌を持ち、両方とも人間に向けられていた。
人間は天秤と鎌を視界に捉えた瞬間、その表情を苦痛にゆがめた。
天秤が放つ眩い聖なる光。鎌から放たれる無言の黒い光。
どちらにも飛びつきたい衝動が人間を襲う。
人間は今まで独りだった。孤独だった。
ゆえに今、目の前にある二つの正反対の光に飛びつき、縋りつきたくなっている。
しかし人間は元の無表情を取り戻し、天使と悪魔に言い放った。
「人間は天使と悪魔、どちらにでも転びこむことができる。ならば、此処で今、私がそのどちらかを選ぶ事は早すぎる。私は天使と悪魔、どちらにもならないと思うがな」
人間は腰からロング・ソードを引き抜き、天使と悪魔に向け、その天秤と鎌を切り裂く。
眩い光と暗い光が消え、人間は天使と悪魔を居なかったものとして扱い、天使と悪魔の間をすり抜ける。
それから6歩。
人間の心の中に何かが入り込む。
眩い聖なる何かと暗い無言の何か。
天使の心と悪魔の心。
それが人間の心の中に入り込む。
そうしてできたのが、神様だ。
「ふいぃー」
「どうしたのさ、刹那ちゃー」
「いや、歴史って面倒って思ってさ」
「あぁ、さっきの時間でしょ。フェリアンヴェスピュリア大公国の歴史。正直さ。フェリアンヴェスピュリア大公国の歴史なんて、此処、フェリアンヴェスピュリア国立学校でしかやらないんじゃないのさ?」
「やらないねー普通は。でも此処は普通じゃないでしょ」
「なのさー」
〈正直どうでもいい。この大公国歴史なんて習わなくてもいいと思うんだけど、先生は後々、力になるからって〉
「刹那って、人間?」
「はっ!?」
「いや、刹那って人間? みたいな噂たってるからさー」
〈人間か人間じゃないかっていわれると……〉
「刹那ー!」
教室の扉で女子が私を呼ぶ。今まで話していた「?さ」が口癖の友人・レルに「ちょっとごめん」と言い、扉まで歩く。
「何?」
「2-Cの紅來って男子が刹那、呼んでるんだけど……」
「あぁ、うん。有難う!」
〈紅來って、璃維だよね〉
考えつつ、廊下を見ると竹刀を持ったこの学校の制服を着た男子が立っていた。
その表情は何も描かず、黒い両目は刹那の赤い髪の天辺を映す。
「璃維。私、こっち。目線、下げてよ」
ゆっくりと目線を下げる、目の前の少年、紅來 璃維。
私と璃維はとある共通点で知り合った。
3日ほど前、パソコンでとあるサークルを見つけた。
『フェリアンヴェスピュリアの歴史! ……歴史に存在した天使と悪魔はこのサークルに参加するべし!!』
それはそのままの意味で、実際にサークルを覗いてみたらスレッドとかに、
『天使の間』、『悪魔の間』、『灰色の交流』などと書かれていた。
しかし『灰色の交流』はあまり活動していないらしく、一人による書き込みで埋まっていた。
殆ど放置状態なのだろうか。
『悪魔と天使も簡単に交流できるんだ……わける理由なんてないんだ』
何故だか分からないけれど、この書き込みに返信したくなった。
『あ、はじめまして』
『……誰だ?』
〈えーとこういうときはペンネームってやつを使うんだよね〉
『私は「ネスタ」って言います』
『ネスタ?』
それからその人とのやり取りが始まった。
そしてその人が璃維と気づいたのは昨日のことだった。……意外と最近のこと。
「璃維。また後で璃維のクラス行くからさ。ね、今はちょっと……」
コクリと頷いて璃維は竹刀を持ったまま、璃維は自分のクラス、2-Cに戻っていく。
璃維は剣道部でなかなかの功績をあげている。が、その性格で授業も何もかもに支障が出ている。
『いい? 刹那。りぃちゃんはね。精神的な病気を患っているの』
天使は真っ白い小さな翼を背中に二枚生やし、手には天秤を持っている。天秤は人間に向けられていて、人間はそれを見上げている。
悪魔は真っ黒な大きな翼を背中に二枚生やし、手には死神のような大きな鎌を持ち、鎌の刃先端は人間に向けられている。人間はそれに気づかない。
人間は天使や悪魔とは違い、背中に何も生やしてはいなかった。
……が、人間の顔は苦痛の表情に形作られ、背中には、ぼんやりと黒くとも白くともとれる翼が二枚浮かび上がっていた。
それは人間が天使にも悪魔にもなれるということを証明する紋章だった。
フェリアンヴェスピュリア大公国。
この国にはあるお話がある。
……人間は一人で世界を彷徨っていた。そんな時、眩い光と暗い光が人間の正面に突如として現れた。
眩い光と暗い光の中から現れたのは天使と悪魔。
天使は天秤を持ち、悪魔は死神のような大きな鎌を持ち、両方とも人間に向けられていた。
人間は天秤と鎌を視界に捉えた瞬間、その表情を苦痛にゆがめた。
天秤が放つ眩い聖なる光。鎌から放たれる無言の黒い光。
どちらにも飛びつきたい衝動が人間を襲う。
人間は今まで独りだった。孤独だった。
ゆえに今、目の前にある二つの正反対の光に飛びつき、縋りつきたくなっている。
しかし人間は元の無表情を取り戻し、天使と悪魔に言い放った。
「人間は天使と悪魔、どちらにでも転びこむことができる。ならば、此処で今、私がそのどちらかを選ぶ事は早すぎる。私は天使と悪魔、どちらにもならないと思うがな」
人間は腰からロング・ソードを引き抜き、天使と悪魔に向け、その天秤と鎌を切り裂く。
眩い光と暗い光が消え、人間は天使と悪魔を居なかったものとして扱い、天使と悪魔の間をすり抜ける。
それから6歩。
人間の心の中に何かが入り込む。
眩い聖なる何かと暗い無言の何か。
天使の心と悪魔の心。
それが人間の心の中に入り込む。
そうしてできたのが、神様だ。
「ふいぃー」
「どうしたのさ、刹那ちゃー」
「いや、歴史って面倒って思ってさ」
「あぁ、さっきの時間でしょ。フェリアンヴェスピュリア大公国の歴史。正直さ。フェリアンヴェスピュリア大公国の歴史なんて、此処、フェリアンヴェスピュリア国立学校でしかやらないんじゃないのさ?」
「やらないねー普通は。でも此処は普通じゃないでしょ」
「なのさー」
〈正直どうでもいい。この大公国歴史なんて習わなくてもいいと思うんだけど、先生は後々、力になるからって〉
「刹那って、人間?」
「はっ!?」
「いや、刹那って人間? みたいな噂たってるからさー」
〈人間か人間じゃないかっていわれると……〉
「刹那ー!」
教室の扉で女子が私を呼ぶ。今まで話していた「?さ」が口癖の友人・レルに「ちょっとごめん」と言い、扉まで歩く。
「何?」
「2-Cの紅來って男子が刹那、呼んでるんだけど……」
「あぁ、うん。有難う!」
〈紅來って、璃維だよね〉
考えつつ、廊下を見ると竹刀を持ったこの学校の制服を着た男子が立っていた。
その表情は何も描かず、黒い両目は刹那の赤い髪の天辺を映す。
「璃維。私、こっち。目線、下げてよ」
ゆっくりと目線を下げる、目の前の少年、紅來 璃維。
私と璃維はとある共通点で知り合った。
3日ほど前、パソコンでとあるサークルを見つけた。
『フェリアンヴェスピュリアの歴史! ……歴史に存在した天使と悪魔はこのサークルに参加するべし!!』
それはそのままの意味で、実際にサークルを覗いてみたらスレッドとかに、
『天使の間』、『悪魔の間』、『灰色の交流』などと書かれていた。
しかし『灰色の交流』はあまり活動していないらしく、一人による書き込みで埋まっていた。
殆ど放置状態なのだろうか。
『悪魔と天使も簡単に交流できるんだ……わける理由なんてないんだ』
何故だか分からないけれど、この書き込みに返信したくなった。
『あ、はじめまして』
『……誰だ?』
〈えーとこういうときはペンネームってやつを使うんだよね〉
『私は「ネスタ」って言います』
『ネスタ?』
それからその人とのやり取りが始まった。
そしてその人が璃維と気づいたのは昨日のことだった。……意外と最近のこと。
「璃維。また後で璃維のクラス行くからさ。ね、今はちょっと……」
コクリと頷いて璃維は竹刀を持ったまま、璃維は自分のクラス、2-Cに戻っていく。
璃維は剣道部でなかなかの功績をあげている。が、その性格で授業も何もかもに支障が出ている。
『いい? 刹那。りぃちゃんはね。精神的な病気を患っているの』
後書き
作者:斎藤七南 |
投稿日:2010/05/01 12:54 更新日:2010/05/03 08:43 『Devil+Angel=Reo』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。 |
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