作品ID:204
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Devil+Angel=Reo
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
第7話。
前の話 | 目次 | 次の話 |
午後3時。先ほどの店から徒歩9分ほどのところにある公園。
遊具で遊んでいる小学生たちを視界に捉えて、設置されているベンチに私、璃維、鋼夜さんは座る。
「あの、鋼夜さん……先ほど、レジに向かうとき鋼夜さんの背中に、ぼんやりとですが……その……真っ白い翼が見えたんですけど……」
「あぁ、それね。うん。見えてオーケー。私、天使だから」
「そうなんですか。……ん?」
「だから、天使。私が。だから私の背中に真っ白い翼が生えていても見えていてもおかしくないでしょ?」
「そうですけど、天使とか悪魔とかアレは空想上の話で……!」
「あれれ? 璃維、アンタ言ってなかったんだ。桐生さんに」
鋼夜さんが隣に座っている璃維に話し掛ける。
「言ってない。そのうち知るだろうな、っていうか知り合ったのはかなり前。刹那がかなり小さい頃。丁度、刹那の両親が亡くなって、その葬儀ん時か。刹那と出会ったのは。まあ、刹那自身は憶えていないだろうけど」
足を組み、目を閉じて話す璃維。
私は、璃維とであったときはあの掲示板だと思った。
でも違うという事を璃維は話す。私は憶えていない。璃維が言うように。
「璃維、まさか璃維、天使か悪魔かそのどっちかだなんて、言わないよね……?」
ベンチから立ち上がって、璃維の前に立って、放つその言葉は彼に向かって疑問の念を示していた。
「……俺は悪魔。だから春袈や刹那とは対極に位置するもの。本当ならば、交わるはずのない存在だった」
目を開く璃維。私をまっすぐ、ぶれることなく見るその両眼は先ほどまでの穏やかな表情なんかじゃなくて、真剣なそのもので。
「待って! 私も天使だって分かるの!? だって、鋼夜さんは璃維も知ってる通り、さっき鋼夜さん自身が言ったとおり、天使だって分かるけど、私も天使だなんて分からないでしょう!?」
両手を広げて、声を荒げて言う言葉は公園に響き渡る。
私の声に反応してなのか、木にとまっていた鳥たちが羽音を響かせながら空へと羽ばたいていく。
その音に冷静さを取り戻してベンチに座る。
「貴女、青色のウォークマンを持っていたでしょう? それが貴女が天使という証」
鋼夜さんはそう言って、ベンチから立ち上がり、公園を去っていく。
まるで、もうあちらからは話すことなんてないみたいに。
鋼夜さんが去った事で、ベンチには私と璃維の二人が座っていることになる。
私たちを包むかのように風が吹き抜けていき、それにあわせて私と璃維の髪が揺れる。
「璃維、御免……」
さっきの大声のことを、そしてその内容に対しても謝ると璃維は私の前に立ち、右手を差し出してくる。
璃維の右手の甲には鎌をモチーフにしたペイント。そして銀色のブレスレット。
「刹那が謝る必要はない。俺は、ただ刹那の祖母から頼まれただけ。刹那には何も言うな。刹那に……俺たち、天使と悪魔のことを言ってしまえば刹那の日常が壊れるし、刹那の身の安全が保障されないって言われて」
右手の甲から掌に。掌には小さな鎌のストラップ。
「これ、春袈が俺に預けたもの。まあ正しくは俺に返したもの、なんだけど……」
ストラップを左手の親指と人差し指でつまんで、私の目の前でゆらゆらと揺らす。
「このストラップ、結構大事な物でさ。これがないと俺は自我を保つ事もできない。春袈は何で俺はこれがないと暴走してしまうのかを研究してくれていた。あの学校には地下施設があるし、この国の王宮地下にも大きな研究施設がある。それを利用して、春袈はこのストラップと俺との関係を調べてくれていた。その間、俺は監禁状態にあった。正直、その頃の記憶は全部吹っ飛んでるが」
ストラップを私のバッグから出したウォークマンにつける。
「なあ、刹那。お前、Reoって信じるか?」
璃維の言葉が終わったときぐらい。
ウォークマンとストラップが金色に光って、私の意識はどっかに飛んでしまった。
遊具で遊んでいる小学生たちを視界に捉えて、設置されているベンチに私、璃維、鋼夜さんは座る。
「あの、鋼夜さん……先ほど、レジに向かうとき鋼夜さんの背中に、ぼんやりとですが……その……真っ白い翼が見えたんですけど……」
「あぁ、それね。うん。見えてオーケー。私、天使だから」
「そうなんですか。……ん?」
「だから、天使。私が。だから私の背中に真っ白い翼が生えていても見えていてもおかしくないでしょ?」
「そうですけど、天使とか悪魔とかアレは空想上の話で……!」
「あれれ? 璃維、アンタ言ってなかったんだ。桐生さんに」
鋼夜さんが隣に座っている璃維に話し掛ける。
「言ってない。そのうち知るだろうな、っていうか知り合ったのはかなり前。刹那がかなり小さい頃。丁度、刹那の両親が亡くなって、その葬儀ん時か。刹那と出会ったのは。まあ、刹那自身は憶えていないだろうけど」
足を組み、目を閉じて話す璃維。
私は、璃維とであったときはあの掲示板だと思った。
でも違うという事を璃維は話す。私は憶えていない。璃維が言うように。
「璃維、まさか璃維、天使か悪魔かそのどっちかだなんて、言わないよね……?」
ベンチから立ち上がって、璃維の前に立って、放つその言葉は彼に向かって疑問の念を示していた。
「……俺は悪魔。だから春袈や刹那とは対極に位置するもの。本当ならば、交わるはずのない存在だった」
目を開く璃維。私をまっすぐ、ぶれることなく見るその両眼は先ほどまでの穏やかな表情なんかじゃなくて、真剣なそのもので。
「待って! 私も天使だって分かるの!? だって、鋼夜さんは璃維も知ってる通り、さっき鋼夜さん自身が言ったとおり、天使だって分かるけど、私も天使だなんて分からないでしょう!?」
両手を広げて、声を荒げて言う言葉は公園に響き渡る。
私の声に反応してなのか、木にとまっていた鳥たちが羽音を響かせながら空へと羽ばたいていく。
その音に冷静さを取り戻してベンチに座る。
「貴女、青色のウォークマンを持っていたでしょう? それが貴女が天使という証」
鋼夜さんはそう言って、ベンチから立ち上がり、公園を去っていく。
まるで、もうあちらからは話すことなんてないみたいに。
鋼夜さんが去った事で、ベンチには私と璃維の二人が座っていることになる。
私たちを包むかのように風が吹き抜けていき、それにあわせて私と璃維の髪が揺れる。
「璃維、御免……」
さっきの大声のことを、そしてその内容に対しても謝ると璃維は私の前に立ち、右手を差し出してくる。
璃維の右手の甲には鎌をモチーフにしたペイント。そして銀色のブレスレット。
「刹那が謝る必要はない。俺は、ただ刹那の祖母から頼まれただけ。刹那には何も言うな。刹那に……俺たち、天使と悪魔のことを言ってしまえば刹那の日常が壊れるし、刹那の身の安全が保障されないって言われて」
右手の甲から掌に。掌には小さな鎌のストラップ。
「これ、春袈が俺に預けたもの。まあ正しくは俺に返したもの、なんだけど……」
ストラップを左手の親指と人差し指でつまんで、私の目の前でゆらゆらと揺らす。
「このストラップ、結構大事な物でさ。これがないと俺は自我を保つ事もできない。春袈は何で俺はこれがないと暴走してしまうのかを研究してくれていた。あの学校には地下施設があるし、この国の王宮地下にも大きな研究施設がある。それを利用して、春袈はこのストラップと俺との関係を調べてくれていた。その間、俺は監禁状態にあった。正直、その頃の記憶は全部吹っ飛んでるが」
ストラップを私のバッグから出したウォークマンにつける。
「なあ、刹那。お前、Reoって信じるか?」
璃維の言葉が終わったときぐらい。
ウォークマンとストラップが金色に光って、私の意識はどっかに飛んでしまった。
後書き
作者:斎藤七南 |
投稿日:2010/05/22 18:14 更新日:2010/05/22 18:14 『Devil+Angel=Reo』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。 |
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