作品ID:207
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Devil+Angel=Reo
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
第9話。
前の話 | 目次 | 次の話 |
――体育祭当日。
『今日は快晴! まさに体育祭日和ー! ってーことで!! 生徒諸君! 全力疾走、全力で尽くして、勝利に貢献するぞー!』
グラウンドの端っこに設置された簡易放送室……というか野外簡易放送局。
生徒会長が赤いハチマキを頭に巻きながら、マイクに向かって話す。
体育祭の組分けは頭に巻いたハチマキの色で判断される。
生徒会長は赤だから赤組。刹那と璃維、春袈は白いハチマキなので白組。
「せ、生徒会長、ものすごく気合入ってますね……!」
「あれじゃない? この学校に限っていえば、この体育祭も保健体育の点数に響くからじゃない? しかも結構」
刹那と春袈は既に白組のテントへ。璃維は体育祭最初の種目、100M走に参加するため、出走線に立っている。
「ねえ、正直なところさ。璃維ってどうなの? 足、速いの? 確か選抜リレーにも選ばれてたよね?」
「あ、はい。昔から走ることは結構好きみたいです。暇なときとか休日は外でて走ったりしてます。でも部活は陸上じゃないんですよね」
「珍しいねー。走るのが好きなら陸上入ればいいのに」
「本人に聞いたところ、走るのはあくまで趣味。趣味を部活などに持ち込む気はない、と話してましたけど」
「へぇー」
テントに置かれている人数分の椅子。それに座って話す姿は友人のイメージを与える。
そんな二人に近寄る姿が三つ。
「春袈、楽しそうデスね」
「というかこれは楽しそうだろ」
「ちょっとー、私の話聞いてたー? 生徒会長の話聞いてないで、友人と話してたなんて、それだけで授業態度の部分の点下げるわよ」
「うげ、唯納会計に瓢臥副会長、それにプラスで鋭意生徒会長!!」
鋼夜さんが椅子から立ち上がり、背後に迫っていた計三人の名前を呼ぶ。
「鋼夜さん、同じ生徒会役員の人?」
「決まってるじゃん! っていうか何でこっちに!? 三人とも赤組でしょ!? こっちは白組なのにーっ!」
「お、落ち着いて、鋼夜さん!」
突然の三人の登場により、冷静さを欠く鋼夜さん。仲が悪いのだろうか?
「あ、ちみが、えーと……そうそう。桐生刹那?」
「え、えぇ、そうですけど」
急にこちらを向き、話し掛ける生徒会長。
反応に少し遅れる。
「生徒会長、ターゲットの名前ぐらい覚えておいてくださいよ」
「えー。だってそれだけの容量ないんだもん、この頭には」
「まあ、いいですけど」
溜息をつく鋼夜さん。
ターゲット? 誰が? 私が?
でも、鋼夜さんと生徒会長の会話を聞いただけの今ではそのターゲットは私ということになる。
「あ。紅來璃維が帰ってきた」
生徒会長が指差す先には確かに璃維の姿。
ちょっと不機嫌そうなその姿は少しずつこちらに近づく。
「……NEVが何の用だ?」
「ちょ、ここでその名前を出さないでよ」
「そうそう。此処では生徒会で通ってるんデスよ?」
璃維が三人に話し掛ける。
私には璃維のいった『NEV』というのが何か分からない。ただ、その『NEV』というのと、この三人はなんらかの関係があるということだけはわかった。
「分かった。じゃあその生徒会役員さんが何の用だ? 刹那に用事なら事前に俺を通せといったはずだ」
「うわ、相変らずの思考回路」
璃維の声色から璃維が怒っているのは分かった。それに大して生徒会長は呆れ気味に呟く。
「あのね。私たちはただ、この桐生刹那って子が本当に……」
『男子100M走の次は女子100M! 選手の方はグラウンドへどうぞ!』
元気な女の子の声が響く。
その声に鋼夜さんと生徒会長は少し苛立っているようで。
「お前、少しは空気読めよ! こっちの空気!!」
「お前、これから大事な話するところだったんだぞ、こっち!! せっかく作った雰囲気台無しじゃん!!」
鋼夜さんの次に生徒会長が続く。相当お怒りの様子だ。
って、傍観してる場合じゃない! 確か鋼夜さんは100M走の選手だったはず!
「こ、鋼夜さん、確か100M走の選手じゃなかった!?」
その声に春袈と生徒会長はグラウンドに走っていく。
……アナウンスの元気な女の子を睨みながら。
「せ、生徒会長も選手だったんだ。100M走の……」
「そうデスよー。知らなかったんデスか?」
「知らなかったって、元々、私と生徒会長には関係などなく――!」
「そこまで。そろそろ自分の場所に戻る」
「む。紅來、邪魔する?」
「邪魔じゃない。アドバイスだ」
「ま、いいけど」
渋々、会計と副会長は赤組のテントに戻っていく。
それに溜息をつく璃維。
「璃維、鋼夜さん以外の生徒会役員さんも知ってるの?」
「…………知っているというより、知り合い以上友達未満」
「わ、分かったような分からなかったような」
私が、首をかしげた直後。
グラウンドが真っ二つに割れた。
そしてそれに飲み込まれそうな女子100M走の選手たち。
さらにいえば……
「本当にトラブル発生デスか」
「とにかく、春袈と生徒会長救出。それが最重要事項」
「分かってますよ。でも私たちの力だけじゃ強すぎる」
赤組テントから会計と副会長が走り出す。そして璃維も。
「なら、俺のエネルギーと相殺すればいい」
それから、璃維の背中には真っ黒の、先が尖った翼。会計と副会長の背中には純白の曲線と直線が交わった翼が生えた。
そして宣言。
「NEV機関、ナンバー12.これより、一体の未承認悪魔と一時的に行動する線をとる。尚ナンバー11.も同行」
副会長のその宣言が終わったところで私の視界はモノクロに染まった。
『今日は快晴! まさに体育祭日和ー! ってーことで!! 生徒諸君! 全力疾走、全力で尽くして、勝利に貢献するぞー!』
グラウンドの端っこに設置された簡易放送室……というか野外簡易放送局。
生徒会長が赤いハチマキを頭に巻きながら、マイクに向かって話す。
体育祭の組分けは頭に巻いたハチマキの色で判断される。
生徒会長は赤だから赤組。刹那と璃維、春袈は白いハチマキなので白組。
「せ、生徒会長、ものすごく気合入ってますね……!」
「あれじゃない? この学校に限っていえば、この体育祭も保健体育の点数に響くからじゃない? しかも結構」
刹那と春袈は既に白組のテントへ。璃維は体育祭最初の種目、100M走に参加するため、出走線に立っている。
「ねえ、正直なところさ。璃維ってどうなの? 足、速いの? 確か選抜リレーにも選ばれてたよね?」
「あ、はい。昔から走ることは結構好きみたいです。暇なときとか休日は外でて走ったりしてます。でも部活は陸上じゃないんですよね」
「珍しいねー。走るのが好きなら陸上入ればいいのに」
「本人に聞いたところ、走るのはあくまで趣味。趣味を部活などに持ち込む気はない、と話してましたけど」
「へぇー」
テントに置かれている人数分の椅子。それに座って話す姿は友人のイメージを与える。
そんな二人に近寄る姿が三つ。
「春袈、楽しそうデスね」
「というかこれは楽しそうだろ」
「ちょっとー、私の話聞いてたー? 生徒会長の話聞いてないで、友人と話してたなんて、それだけで授業態度の部分の点下げるわよ」
「うげ、唯納会計に瓢臥副会長、それにプラスで鋭意生徒会長!!」
鋼夜さんが椅子から立ち上がり、背後に迫っていた計三人の名前を呼ぶ。
「鋼夜さん、同じ生徒会役員の人?」
「決まってるじゃん! っていうか何でこっちに!? 三人とも赤組でしょ!? こっちは白組なのにーっ!」
「お、落ち着いて、鋼夜さん!」
突然の三人の登場により、冷静さを欠く鋼夜さん。仲が悪いのだろうか?
「あ、ちみが、えーと……そうそう。桐生刹那?」
「え、えぇ、そうですけど」
急にこちらを向き、話し掛ける生徒会長。
反応に少し遅れる。
「生徒会長、ターゲットの名前ぐらい覚えておいてくださいよ」
「えー。だってそれだけの容量ないんだもん、この頭には」
「まあ、いいですけど」
溜息をつく鋼夜さん。
ターゲット? 誰が? 私が?
でも、鋼夜さんと生徒会長の会話を聞いただけの今ではそのターゲットは私ということになる。
「あ。紅來璃維が帰ってきた」
生徒会長が指差す先には確かに璃維の姿。
ちょっと不機嫌そうなその姿は少しずつこちらに近づく。
「……NEVが何の用だ?」
「ちょ、ここでその名前を出さないでよ」
「そうそう。此処では生徒会で通ってるんデスよ?」
璃維が三人に話し掛ける。
私には璃維のいった『NEV』というのが何か分からない。ただ、その『NEV』というのと、この三人はなんらかの関係があるということだけはわかった。
「分かった。じゃあその生徒会役員さんが何の用だ? 刹那に用事なら事前に俺を通せといったはずだ」
「うわ、相変らずの思考回路」
璃維の声色から璃維が怒っているのは分かった。それに大して生徒会長は呆れ気味に呟く。
「あのね。私たちはただ、この桐生刹那って子が本当に……」
『男子100M走の次は女子100M! 選手の方はグラウンドへどうぞ!』
元気な女の子の声が響く。
その声に鋼夜さんと生徒会長は少し苛立っているようで。
「お前、少しは空気読めよ! こっちの空気!!」
「お前、これから大事な話するところだったんだぞ、こっち!! せっかく作った雰囲気台無しじゃん!!」
鋼夜さんの次に生徒会長が続く。相当お怒りの様子だ。
って、傍観してる場合じゃない! 確か鋼夜さんは100M走の選手だったはず!
「こ、鋼夜さん、確か100M走の選手じゃなかった!?」
その声に春袈と生徒会長はグラウンドに走っていく。
……アナウンスの元気な女の子を睨みながら。
「せ、生徒会長も選手だったんだ。100M走の……」
「そうデスよー。知らなかったんデスか?」
「知らなかったって、元々、私と生徒会長には関係などなく――!」
「そこまで。そろそろ自分の場所に戻る」
「む。紅來、邪魔する?」
「邪魔じゃない。アドバイスだ」
「ま、いいけど」
渋々、会計と副会長は赤組のテントに戻っていく。
それに溜息をつく璃維。
「璃維、鋼夜さん以外の生徒会役員さんも知ってるの?」
「…………知っているというより、知り合い以上友達未満」
「わ、分かったような分からなかったような」
私が、首をかしげた直後。
グラウンドが真っ二つに割れた。
そしてそれに飲み込まれそうな女子100M走の選手たち。
さらにいえば……
「本当にトラブル発生デスか」
「とにかく、春袈と生徒会長救出。それが最重要事項」
「分かってますよ。でも私たちの力だけじゃ強すぎる」
赤組テントから会計と副会長が走り出す。そして璃維も。
「なら、俺のエネルギーと相殺すればいい」
それから、璃維の背中には真っ黒の、先が尖った翼。会計と副会長の背中には純白の曲線と直線が交わった翼が生えた。
そして宣言。
「NEV機関、ナンバー12.これより、一体の未承認悪魔と一時的に行動する線をとる。尚ナンバー11.も同行」
副会長のその宣言が終わったところで私の視界はモノクロに染まった。
後書き
作者:斎藤七南 |
投稿日:2010/05/27 16:49 更新日:2010/05/28 18:54 『Devil+Angel=Reo』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。 |
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