作品ID:208
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Devil+Angel=Reo
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
第10話。
前の話 | 目次 | 次の話 |
『どうして!? どうして、私が下ろされるんですか!!』
グラウンドが真っ二つに割れて、それに巻き込まれて。モノクロに染まった視界の中で。脳内の中で、ゆっくりと記憶が巡る。
9年前。私はまだ、9歳。その頃から私はNEVで働いていた。
そんな中、私はとある研究チームから下ろされた。
「理由を述べてください! じゃないと納得できません!」
「理由も何も、ただ、貴女を下ろす。それだけのことでしょう?」
「ですから、何故私が研究チームから下ろされるのかを聞いているのです! 機関長!」
目の前で大きな黒い革の椅子に座るNEV機関、最高責任者の機関長に向けて問いを発する。
「答えてください、機関長!! ……どうして、どうして私が下ろされるですか!?」
閉められた機関長室の扉。ただ一人で室内に残された私は大きなこの部屋の無駄に高い天井を仰ぎ見て、一言。
「何故、私が……これまでそれなりの実績を出してきたのに……!」
「生徒会長、大丈夫ですか……!?」
鋼夜春袈の声で視界は相変らずモノクロなままなものの、私の意識は彼女に定められた。
「ええ。鍛え方が違うから。これぐらいの衝撃なら大丈夫。それよりも、まず他の生徒たちの状態。体の方に損傷がなくても、精神的な面で損傷があれば、私はそれ相応の責任を負う」
真っ二つになったグラウンド。瓦礫がつみあがったような形。山になったその中心部。そこに私と春袈はいた。
幸い、身動きはとれるので会話も問題ない。
「まあ、生徒たちの方は大丈夫でしょう。私が自治してる学校生徒だもの。これぐらいでって楽観視してるわけじゃないけど、グラウンドが真っ二つに割れたことについて驚きはせよ……大丈夫よ。根拠はないという始末だけどね。それに私たちも大丈夫」
「ただ、酸素の問題ですよね?」
「大丈夫。大丈夫だから。酸素がなくなるよりも先に、私の仲間たちが駆けつけてくれる」
〈そう、あのときみたいにね。いつだってそうだった〉
「生徒会長の、仲間? 生徒会メンバーですか?」
「ええ。彼らとは決して浅い関係じゃないしね。信用できるわ。それに……きっと、否。絶対に紅來璃維も私の仲間に協力してるわ」
「璃維が?」
「ええ。そう、あの悪魔の璃維君もね」
ガラガラと瓦礫が少しずつ、崩れていく。そして突然、光が差し込む。
「やっほー。待ってたよ……。ま、予想よりも5分オーバーだけどね」
光の向こうに居るのは、NEV機関所属員。つまり生徒会メンバーと紅來璃維。
「ごめんデス。私、結構急ぎました」
「ま、いいけど。それより何で紅來璃維が? NEV大嫌いな悪魔じゃなかったの?」
引き上げてもらい、グラウンド……といっても崩壊したグラウンドと呼べないグラウンドなわけなんだけども。
その崩壊したグラウンドに立つ私と紅來璃維に引き上げてもらっている春袈。
「確かに俺はNEVなんて大嫌いだ。むしろ、お前らの存在のせいで俺の悪魔としての存在も危うくなった。嫌っているというよりお前らなんて居なくなれ、状態だ。しかし、今回は違う。お前だけが巻き込まれてる状態なら俺は刹那を護ることに徹した」
「ちょっと待ち。アンタ、桐生刹那が巻き込まれてない状態なら私を助ける事もNEVに協力することもないんでしょ? 桐生刹那は巻き込まれてない……」
「刹那が言った。春袈を助けろって。春袈を助けろって言われたら助ける。それが刹那の願いなら」
〈……ああそうか。こいつはこういう奴だった。……私が下ろされたときも〉
「相変らず、アンタは変わらないのね?。何? 主君に従う騎士ってとこ?」
「どういう意味だ?」
「そのまんま。主君が桐生刹那で騎士が紅來璃維、アンタ。合ってるでしょ?」
〈私が研究チーム下ろされたときもアンタは変わらず、じーっと現実を見続けてた〉
「ねえ、紅來……アンタやっぱり昔と変わらないよ。NEVに所属していたときとね」
紅來の肩を叩いて言う私。それに続く生徒会メンバー。
「早紀も変わってない。何もかもってわけじゃない。でも、変わるはずがないんだ。お前が」
9年前と変わらない二人。
元NEVと現NEV。
悪魔と天使。
そんな二人に共通する点は『護るものがある』ということ。
グラウンドが真っ二つに割れて、それに巻き込まれて。モノクロに染まった視界の中で。脳内の中で、ゆっくりと記憶が巡る。
9年前。私はまだ、9歳。その頃から私はNEVで働いていた。
そんな中、私はとある研究チームから下ろされた。
「理由を述べてください! じゃないと納得できません!」
「理由も何も、ただ、貴女を下ろす。それだけのことでしょう?」
「ですから、何故私が研究チームから下ろされるのかを聞いているのです! 機関長!」
目の前で大きな黒い革の椅子に座るNEV機関、最高責任者の機関長に向けて問いを発する。
「答えてください、機関長!! ……どうして、どうして私が下ろされるですか!?」
閉められた機関長室の扉。ただ一人で室内に残された私は大きなこの部屋の無駄に高い天井を仰ぎ見て、一言。
「何故、私が……これまでそれなりの実績を出してきたのに……!」
「生徒会長、大丈夫ですか……!?」
鋼夜春袈の声で視界は相変らずモノクロなままなものの、私の意識は彼女に定められた。
「ええ。鍛え方が違うから。これぐらいの衝撃なら大丈夫。それよりも、まず他の生徒たちの状態。体の方に損傷がなくても、精神的な面で損傷があれば、私はそれ相応の責任を負う」
真っ二つになったグラウンド。瓦礫がつみあがったような形。山になったその中心部。そこに私と春袈はいた。
幸い、身動きはとれるので会話も問題ない。
「まあ、生徒たちの方は大丈夫でしょう。私が自治してる学校生徒だもの。これぐらいでって楽観視してるわけじゃないけど、グラウンドが真っ二つに割れたことについて驚きはせよ……大丈夫よ。根拠はないという始末だけどね。それに私たちも大丈夫」
「ただ、酸素の問題ですよね?」
「大丈夫。大丈夫だから。酸素がなくなるよりも先に、私の仲間たちが駆けつけてくれる」
〈そう、あのときみたいにね。いつだってそうだった〉
「生徒会長の、仲間? 生徒会メンバーですか?」
「ええ。彼らとは決して浅い関係じゃないしね。信用できるわ。それに……きっと、否。絶対に紅來璃維も私の仲間に協力してるわ」
「璃維が?」
「ええ。そう、あの悪魔の璃維君もね」
ガラガラと瓦礫が少しずつ、崩れていく。そして突然、光が差し込む。
「やっほー。待ってたよ……。ま、予想よりも5分オーバーだけどね」
光の向こうに居るのは、NEV機関所属員。つまり生徒会メンバーと紅來璃維。
「ごめんデス。私、結構急ぎました」
「ま、いいけど。それより何で紅來璃維が? NEV大嫌いな悪魔じゃなかったの?」
引き上げてもらい、グラウンド……といっても崩壊したグラウンドと呼べないグラウンドなわけなんだけども。
その崩壊したグラウンドに立つ私と紅來璃維に引き上げてもらっている春袈。
「確かに俺はNEVなんて大嫌いだ。むしろ、お前らの存在のせいで俺の悪魔としての存在も危うくなった。嫌っているというよりお前らなんて居なくなれ、状態だ。しかし、今回は違う。お前だけが巻き込まれてる状態なら俺は刹那を護ることに徹した」
「ちょっと待ち。アンタ、桐生刹那が巻き込まれてない状態なら私を助ける事もNEVに協力することもないんでしょ? 桐生刹那は巻き込まれてない……」
「刹那が言った。春袈を助けろって。春袈を助けろって言われたら助ける。それが刹那の願いなら」
〈……ああそうか。こいつはこういう奴だった。……私が下ろされたときも〉
「相変らず、アンタは変わらないのね?。何? 主君に従う騎士ってとこ?」
「どういう意味だ?」
「そのまんま。主君が桐生刹那で騎士が紅來璃維、アンタ。合ってるでしょ?」
〈私が研究チーム下ろされたときもアンタは変わらず、じーっと現実を見続けてた〉
「ねえ、紅來……アンタやっぱり昔と変わらないよ。NEVに所属していたときとね」
紅來の肩を叩いて言う私。それに続く生徒会メンバー。
「早紀も変わってない。何もかもってわけじゃない。でも、変わるはずがないんだ。お前が」
9年前と変わらない二人。
元NEVと現NEV。
悪魔と天使。
そんな二人に共通する点は『護るものがある』ということ。
後書き
作者:斎藤七南 |
投稿日:2010/05/29 17:54 更新日:2010/05/29 17:54 『Devil+Angel=Reo』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。 |
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