作品ID:217
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Devil+Angel=Reo
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
第15話。
前の話 | 目次 | 次の話 |
フェリアンヴェスピュリア大公国立学校、高等部生徒会室にて。
「会長、本当によかったんですか?」
生徒会書記、鋼夜春袈の質問に生徒会長の鋭意早紀は首をかしげる。
「何が?」
「いや、だから。紅來璃維とは仲良くない桐生媛や、NEV機関員であるライナ・メロディスを桐生刹那と一緒のチームにしたことですよ」
「……」
「桐生媛はともかく。ライナ・メロディスは現役のNEV機関員。元NEVの紅來とは違う。しかもライナは会長。貴女の部署に所属しているんですよ?」
「ええ。そうね。だから?」
「責任を、全て背負うということですか? NEV機関員を、天使と悪魔が居るチームに紛れ込ませるなど、NEV機関法に違反しますよ」
NEV機関法。それはフェリアンヴェスピュリア大公国がつくった法律とは別の、NEV機関でのみ効果がある法律のことである。
NEVは天使と悪魔に関する研究機関でもあるため、大公国といえど許可なく立ち入ることなど不可能。
そして、NEVは機関内で効果を発揮する法律をつくった。それがNEV機関法。
「NEV機関法第一項。レオ争奪戦においてチーム分けをする際には、天使と悪魔を一体ずつ、同じチームに入れること。また、NEV機関員は同機関員のみで構成されたチームにのみ、干渉・入ることを許す。……確かにNEV機関法には違反しているわ。けど、そんなの想定内」
「NEV機関員はその強大な力と権限をもっています。各々にね。だから今まで天使悪魔が居るチームにNEV機関員を紛れ込ませるなどなかったのに。しかもライナは普通の機関員じゃない」
「ライナが普通じゃないっていうのは私が一番わかってる。貴女に言われる前から気づいていた」
「なら何故」
「何故? さてね。ま、ライナは今のままじゃ強くなれない。結局、普通じゃないレベルから抜け出せないわ」
「抜け出すために、法に反するのですか……!?」
「ええ」
平然と言ってのける早紀に春袈は声が出ない。
「それに、ライナだけじゃないでしょう? 貴女だってNEV機関員でしょ?」
「それはっ」
「なら、問題ないわ」
意味がわからない。ライナ一人ではダメで、私が居ればいい? 分からない。
「十分、悩みなさい。答えがわかるまでね」
笑みを浮かべて生徒会室を後にする早紀。その後姿をみつめる春袈。
〈どうして? どうして、会長は……あの人は人を頼らない?〉
私の頭に浮かんだ疑問はそれだけだった。
だってそうでしょう? NEV機関法を違反してでもNEV機関員を2人も天使と悪魔が居るチームに入れる理由なんて今のところないの。
それに、NEV機関法を違反して責任を負うのはライナや私が所属する部署の長である会長。
どうして、あの人は私や他のメンバーに頼らないのだろう?
一人でそんな責任なんて負わなくてもいいはずなのに。
「刹那?」
「姉さん?」
璃維とライナ。2人の少年の声で意識を現実に戻す。
デスクチェアに座り、机の上には予習用のノートが開いていて、私の右手には青いシャープペンが握られていた。
「ん? なんでもない。ちょっと考え事」
そのとき、私の携帯がメール着信の合図。
送信主は鋭意早紀、と書かれていた。……? あれ。私、生徒会長とメールのアドレス交換した覚えない……。
とりあえず、メールを開く。タイトル・レオ争奪戦に関して。本文は以下の通り。
――レオ争奪戦のメンバーは決まった?
決まったんなら、報告してよ? じゃないとトーナメント表つくれないから。
あと、カウンターが正常に動くかどうか。確かめて。
それと後は。そうそう。第一回戦の内容。
一回戦はグループ総当たり戦。インターバルとか含めて全部で1週間。
ま、参加グループ数、今年多いんだよ。例年に比べてね。一番多いんじゃないかな?
ということなんで、伝えとけよ?。
何ともまぁ、軽い内容だった。
でも肝心な事は伝わった。後は。
「璃維、何で生徒会長が私のメールアドレス知ってるわけ?」
「……もしかして、早紀に電話した?」
「え? あぁ、うん。夏だから流し素麺するぞー! って言われて」
「多分、それで携帯の個人情報とか流れたのかも」
「え!?」
「いや、でもそう言ったプライバシー関係はNEV機関でも本当に限られた奴と、大公国王と王妃ぐらいだから、早紀はそれ使ったと思う。大丈夫。パスワードで開けなければならないぐらい、厳重に保管してるから。個人情報とかの類は」
「……なら、いいけど、さ?」
「で? 内容は?」
忘れかけていた。レオ争奪戦に関することを言わなくちゃ。
「えーと、メンバー決まったら、報告しろだって」
「? おかしいな」
「どうして? 璃維」
「いや、メンバー決まった時点で送ったはず。メール。俺が」
そう言いながら璃維はジーンズのポケットから携帯を出して確認している。
そして携帯を落とした。
「り、璃維!?」
「どうしたの、紅來君」
「い、いや。なんでもない。ただ別の奴に送ってただけだから」
「……まさか、瀬宮真希とかじゃないよね?」
拾いかけた携帯を、またも落とす璃維。多分、ライナが今、璃維に小声で話し掛けたから、その言葉で動揺したと思うんだけど。
でも、普通じゃない。動揺っぷりが。
「り、璃維? どうしたの?」
「なんでもない!」
珍しく、声を荒げて私の部屋を後にする璃維。
「どうしたの? 璃維」
「なんでもないよ、姉さん」
笑顔でライナがそういうものだから、それを信じるしかない。
……でも、凄く気になる。いや、でも璃維の問題っぽいし、私が立ち入る事じゃ……!
「会長、本当によかったんですか?」
生徒会書記、鋼夜春袈の質問に生徒会長の鋭意早紀は首をかしげる。
「何が?」
「いや、だから。紅來璃維とは仲良くない桐生媛や、NEV機関員であるライナ・メロディスを桐生刹那と一緒のチームにしたことですよ」
「……」
「桐生媛はともかく。ライナ・メロディスは現役のNEV機関員。元NEVの紅來とは違う。しかもライナは会長。貴女の部署に所属しているんですよ?」
「ええ。そうね。だから?」
「責任を、全て背負うということですか? NEV機関員を、天使と悪魔が居るチームに紛れ込ませるなど、NEV機関法に違反しますよ」
NEV機関法。それはフェリアンヴェスピュリア大公国がつくった法律とは別の、NEV機関でのみ効果がある法律のことである。
NEVは天使と悪魔に関する研究機関でもあるため、大公国といえど許可なく立ち入ることなど不可能。
そして、NEVは機関内で効果を発揮する法律をつくった。それがNEV機関法。
「NEV機関法第一項。レオ争奪戦においてチーム分けをする際には、天使と悪魔を一体ずつ、同じチームに入れること。また、NEV機関員は同機関員のみで構成されたチームにのみ、干渉・入ることを許す。……確かにNEV機関法には違反しているわ。けど、そんなの想定内」
「NEV機関員はその強大な力と権限をもっています。各々にね。だから今まで天使悪魔が居るチームにNEV機関員を紛れ込ませるなどなかったのに。しかもライナは普通の機関員じゃない」
「ライナが普通じゃないっていうのは私が一番わかってる。貴女に言われる前から気づいていた」
「なら何故」
「何故? さてね。ま、ライナは今のままじゃ強くなれない。結局、普通じゃないレベルから抜け出せないわ」
「抜け出すために、法に反するのですか……!?」
「ええ」
平然と言ってのける早紀に春袈は声が出ない。
「それに、ライナだけじゃないでしょう? 貴女だってNEV機関員でしょ?」
「それはっ」
「なら、問題ないわ」
意味がわからない。ライナ一人ではダメで、私が居ればいい? 分からない。
「十分、悩みなさい。答えがわかるまでね」
笑みを浮かべて生徒会室を後にする早紀。その後姿をみつめる春袈。
〈どうして? どうして、会長は……あの人は人を頼らない?〉
私の頭に浮かんだ疑問はそれだけだった。
だってそうでしょう? NEV機関法を違反してでもNEV機関員を2人も天使と悪魔が居るチームに入れる理由なんて今のところないの。
それに、NEV機関法を違反して責任を負うのはライナや私が所属する部署の長である会長。
どうして、あの人は私や他のメンバーに頼らないのだろう?
一人でそんな責任なんて負わなくてもいいはずなのに。
「刹那?」
「姉さん?」
璃維とライナ。2人の少年の声で意識を現実に戻す。
デスクチェアに座り、机の上には予習用のノートが開いていて、私の右手には青いシャープペンが握られていた。
「ん? なんでもない。ちょっと考え事」
そのとき、私の携帯がメール着信の合図。
送信主は鋭意早紀、と書かれていた。……? あれ。私、生徒会長とメールのアドレス交換した覚えない……。
とりあえず、メールを開く。タイトル・レオ争奪戦に関して。本文は以下の通り。
――レオ争奪戦のメンバーは決まった?
決まったんなら、報告してよ? じゃないとトーナメント表つくれないから。
あと、カウンターが正常に動くかどうか。確かめて。
それと後は。そうそう。第一回戦の内容。
一回戦はグループ総当たり戦。インターバルとか含めて全部で1週間。
ま、参加グループ数、今年多いんだよ。例年に比べてね。一番多いんじゃないかな?
ということなんで、伝えとけよ?。
何ともまぁ、軽い内容だった。
でも肝心な事は伝わった。後は。
「璃維、何で生徒会長が私のメールアドレス知ってるわけ?」
「……もしかして、早紀に電話した?」
「え? あぁ、うん。夏だから流し素麺するぞー! って言われて」
「多分、それで携帯の個人情報とか流れたのかも」
「え!?」
「いや、でもそう言ったプライバシー関係はNEV機関でも本当に限られた奴と、大公国王と王妃ぐらいだから、早紀はそれ使ったと思う。大丈夫。パスワードで開けなければならないぐらい、厳重に保管してるから。個人情報とかの類は」
「……なら、いいけど、さ?」
「で? 内容は?」
忘れかけていた。レオ争奪戦に関することを言わなくちゃ。
「えーと、メンバー決まったら、報告しろだって」
「? おかしいな」
「どうして? 璃維」
「いや、メンバー決まった時点で送ったはず。メール。俺が」
そう言いながら璃維はジーンズのポケットから携帯を出して確認している。
そして携帯を落とした。
「り、璃維!?」
「どうしたの、紅來君」
「い、いや。なんでもない。ただ別の奴に送ってただけだから」
「……まさか、瀬宮真希とかじゃないよね?」
拾いかけた携帯を、またも落とす璃維。多分、ライナが今、璃維に小声で話し掛けたから、その言葉で動揺したと思うんだけど。
でも、普通じゃない。動揺っぷりが。
「り、璃維? どうしたの?」
「なんでもない!」
珍しく、声を荒げて私の部屋を後にする璃維。
「どうしたの? 璃維」
「なんでもないよ、姉さん」
笑顔でライナがそういうものだから、それを信じるしかない。
……でも、凄く気になる。いや、でも璃維の問題っぽいし、私が立ち入る事じゃ……!
後書き
作者:斎藤七南 |
投稿日:2010/06/23 19:05 更新日:2010/06/23 19:05 『Devil+Angel=Reo』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。 |
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