作品ID:233
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Devil+Angel=Reo
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
第二部・第2話。
前の話 | 目次 | 次の話 |
「ラファエル様―っ!!」
此処は、レオ争奪戦に関する最高峰監査所。此処ではレオ争奪戦に関する物事を取り締まるのだ。
そしてそんな監査所を取り巻くようにして円形に設置された宮殿。宮殿は全てで七つ。
その七つのうち、ラファエルが住まう宮殿でラファエルの宮殿に仕えるメイドの声が響き渡る。
「何?」
その声に反応し、ラファエル様と呼ばれた16歳の少女が自室から出てくる。
少女は天然パーマの黒髪にリボン付のカチューシャをつけている。
服は半袖の薄いピンクがかかっており、袖部分はフリルがついていた。
その少女の名を朝日奈 翼という。
「ラファエル様っ。ミカエル様がいらっしゃってます……!」
「へぇ。それが? どうしてそんなに慌ててるの?」
翼はミカエルという言葉を知っていた。それは同じ天使を指す言葉であり、自分のラファエルという名と同じ意味であった。
一般的にだが。
ラファエルや、ミカエルなどはレオ争奪戦に関与する天使の役職である。
その役職には権限が与えられており、その権限は等しいものである。
そしてそのミカエルとは自分の姉がついている役職名であった。
それゆえに、翼は何故と問うのだ。別に姉が来ようとそんなに慌てる必要はないのに。
「それが、その。ミカエル様がご立腹でして」
「? ミカエルが? どうしてよ」
キレにくい姉は、そうそう怒る事などない。
しかしそんな姉がキレる程のこと。
何かあったのだろうか? まあ、姉がキレているのならメイドが慌てるのも仕方ない。
姉の怒り顔は私でも怖いものだから。
「うーん。じゃあ、様子とか見たいから部屋に呼んで?」
「は、はい!」
メイドが慌てて玄関の方へと走り去っていく。
〈お姉ちゃんになんかあったのかなぁ?〉
そう思いながら、自室に戻る。
「ラファエル!!」
自室に入り込んできて、久々に会う実の姉の第一声は「久しぶり」でもなく、その言葉だった。
「何よ、お姉ちゃん」
「何、ではない! あれほど、ガブリエルと接触したらダメだって言ったのに!」
「何でよ?」
「だから、何でではない! ガブリエルは元悪魔なんだぞ!?」
ガブリエルの役職についている少女・根本莉梨。
彼女は元悪魔である。しかし今は天使であるため、翼などはそんなに気にしていないのだ。
というより気にせず居た方がいいと翼は思う。
だって、七つしかないのだ。七人しか居ないのだ。
「ラファエル……翼は分かってない……! 悪魔は怖い。確かに怖いさ。私たち天使よりも多いんだからさ? でもさ、それで負けてちゃダメだっていうのも分かる。だから翼はガブリエルとも仲良く……」
「違うよ」
空気を切り裂くような声。それは翼のものだった。
「私は、悪魔とか天使とかよく知らないよ。だって、ラファエルに就職したのも、つい一週間前。だけどさ。ううん。だからこそなんだよね。悪魔とか天使のこと、あまり知らなくてもいいって思っちゃうの。だってさ。私以外は詳しいわけでしょう? そういったこと。でも一人ぐらい、知らない人が居ればバランスいいんじゃないかって、思ったのよ。だからこそ、知りたくないんだ。だから、私はガブリエルが悪魔だったとしても、別にいいの。だって、七人しか居ないのよ?」
そういい残して、翼は自室から去る。
「翼……!」
少し、怒りも含んだ女性の声が主の居ない部屋に響いた――。
「幼き頃の桐生刹那か……。確か、アッラーフだっけ?」
ガブリエルの宮殿でガブリエルとウリエル、ラファエルが集まり、極秘会談を行っていた。
「ええ。でも、今は悪魔である紅來璃維と干渉し、解職されてますわ」
「……まぁいいや。でも、天使もキツいよねー。私たち七人の中に入るためには、悪魔との干渉がないことが絶対条件、だなんて」
「そこですぐ、解職されますからね」
ガブリエルの問いにラファエルが答え、ウリエルがそれに続く。それに答えるのはラファエル。
「どうする? アッラーフを復職させちゃう?」
ガブリエルの言葉が宮殿の地下に響いた。
此処は、レオ争奪戦に関する最高峰監査所。此処ではレオ争奪戦に関する物事を取り締まるのだ。
そしてそんな監査所を取り巻くようにして円形に設置された宮殿。宮殿は全てで七つ。
その七つのうち、ラファエルが住まう宮殿でラファエルの宮殿に仕えるメイドの声が響き渡る。
「何?」
その声に反応し、ラファエル様と呼ばれた16歳の少女が自室から出てくる。
少女は天然パーマの黒髪にリボン付のカチューシャをつけている。
服は半袖の薄いピンクがかかっており、袖部分はフリルがついていた。
その少女の名を朝日奈 翼という。
「ラファエル様っ。ミカエル様がいらっしゃってます……!」
「へぇ。それが? どうしてそんなに慌ててるの?」
翼はミカエルという言葉を知っていた。それは同じ天使を指す言葉であり、自分のラファエルという名と同じ意味であった。
一般的にだが。
ラファエルや、ミカエルなどはレオ争奪戦に関与する天使の役職である。
その役職には権限が与えられており、その権限は等しいものである。
そしてそのミカエルとは自分の姉がついている役職名であった。
それゆえに、翼は何故と問うのだ。別に姉が来ようとそんなに慌てる必要はないのに。
「それが、その。ミカエル様がご立腹でして」
「? ミカエルが? どうしてよ」
キレにくい姉は、そうそう怒る事などない。
しかしそんな姉がキレる程のこと。
何かあったのだろうか? まあ、姉がキレているのならメイドが慌てるのも仕方ない。
姉の怒り顔は私でも怖いものだから。
「うーん。じゃあ、様子とか見たいから部屋に呼んで?」
「は、はい!」
メイドが慌てて玄関の方へと走り去っていく。
〈お姉ちゃんになんかあったのかなぁ?〉
そう思いながら、自室に戻る。
「ラファエル!!」
自室に入り込んできて、久々に会う実の姉の第一声は「久しぶり」でもなく、その言葉だった。
「何よ、お姉ちゃん」
「何、ではない! あれほど、ガブリエルと接触したらダメだって言ったのに!」
「何でよ?」
「だから、何でではない! ガブリエルは元悪魔なんだぞ!?」
ガブリエルの役職についている少女・根本莉梨。
彼女は元悪魔である。しかし今は天使であるため、翼などはそんなに気にしていないのだ。
というより気にせず居た方がいいと翼は思う。
だって、七つしかないのだ。七人しか居ないのだ。
「ラファエル……翼は分かってない……! 悪魔は怖い。確かに怖いさ。私たち天使よりも多いんだからさ? でもさ、それで負けてちゃダメだっていうのも分かる。だから翼はガブリエルとも仲良く……」
「違うよ」
空気を切り裂くような声。それは翼のものだった。
「私は、悪魔とか天使とかよく知らないよ。だって、ラファエルに就職したのも、つい一週間前。だけどさ。ううん。だからこそなんだよね。悪魔とか天使のこと、あまり知らなくてもいいって思っちゃうの。だってさ。私以外は詳しいわけでしょう? そういったこと。でも一人ぐらい、知らない人が居ればバランスいいんじゃないかって、思ったのよ。だからこそ、知りたくないんだ。だから、私はガブリエルが悪魔だったとしても、別にいいの。だって、七人しか居ないのよ?」
そういい残して、翼は自室から去る。
「翼……!」
少し、怒りも含んだ女性の声が主の居ない部屋に響いた――。
「幼き頃の桐生刹那か……。確か、アッラーフだっけ?」
ガブリエルの宮殿でガブリエルとウリエル、ラファエルが集まり、極秘会談を行っていた。
「ええ。でも、今は悪魔である紅來璃維と干渉し、解職されてますわ」
「……まぁいいや。でも、天使もキツいよねー。私たち七人の中に入るためには、悪魔との干渉がないことが絶対条件、だなんて」
「そこですぐ、解職されますからね」
ガブリエルの問いにラファエルが答え、ウリエルがそれに続く。それに答えるのはラファエル。
「どうする? アッラーフを復職させちゃう?」
ガブリエルの言葉が宮殿の地下に響いた。
後書き
作者:斎藤七南 |
投稿日:2010/07/15 19:25 更新日:2010/07/15 19:25 『Devil+Angel=Reo』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。 |
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