作品ID:238
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Devil+Angel=Reo
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
第二部・第5話。
前の話 | 目次 | 次の話 |
「初めまして! 私、ガブリエル宮殿直行バスのガイドですっ!」
元気いっぱいな少女の声と姿とを確認すると春袈は顔をゆがめた。
「何でお前がガイドなんだ……」
「あっ! 春袈先輩、お久しぶりですっ」
「何が、お久しぶりです、だ。つい最近まで会っていなかったっけ?」
「うぅ……それはそうなんですが。って春袈先輩と話をするために来たんじゃないんですよ! 私!
私は、あなた方をガブリエル宮殿に連れてく役目があるんですよっ」
ふるふると首を横に振り、顔を上げた少女の顔は笑顔でいっぱいだった。
少女は所謂、エンジェルと呼ばれる、不特定多数の天使。
天使にはガブリエルなど称号を持つ天使のほかに称号を持たない天使をエンジェルと呼ぶ。
少女は長い黒髪を後頭部でポニーテールで結っており、着ている服はなぜか、メイド服だった。
……ガイドのはずなんだけど。
「えーとですね、バス停に直行バスが停まってあるのでそこまで徒歩でっ」
といってもバス停はそこまで、遠くなかった。徒歩3分ほどだ。
「春袈先輩ー。私、まだガブリエル様に仕えてるんですよぉー」
「……」
「私、もう疲れましたー」
「……」
「ガブリエル様、なんというか、カッチリしちゃったお嬢様で、型にはまりすぎなんですよー?」
バスの中で春袈の隣に座った、先ほどの少女が春袈に愚痴をこぼす。
「なら聞くけど、エンジェルは何がよかったの。誰が良かったの」
「……ラファエル様かなぁ?」
「へぇ。ミカエルじゃないんだ」
「うぅ、ミカエル様は確かにラファエル様の姉でらっしゃいますけど、ミカエル様は何だろう。
どっちかというとガブリエル様気質かな。お嬢様っていう感じ。
でもラファエル様だと、他の人じゃない感じ。
大勢で居ても、何処か浮いてる。そんな感じがいいな、とは思いますけどねぇ」
「ま、ラファエル様は確かにそんな感じするけど、外見で判断するものじゃないよ」
「?」
疑問符が浮かんだ少女に話すことはないという風に、目を閉じる春袈。
「ねえ、璃維。ラファエルって?」
「朝日奈翼が就く役職名。ミカエルもそう。ミカエルは翼の姉でもある騎士が就いてる」
「じゃあガブリエルは?」
「根本莉梨の役職名」
隣に座る璃維に確認する。……全部、天使関係なのかな?
「あっそろそろですねっ。
皆さん、ガブリエル宮殿に着くので、準備オーケーですかー!?」
少女の声がバス内に響く。
持ってきているバッグ類を持ち、後ろからライナの声が聞こえる。
「姉さん、媛が起きない」
「え!? 媛、寝てるの!?」
まさか、こんな短時間で妹の媛が眠るとは思わなかった。
「媛を起こすにはね……はい。媛を起こすときに私が用いるものです」
ライナの手にテープレコーダーを置き、再生させる。
テープレコーダーからは、音量は小さいものの、媛が好きなゲームミュージックが流れる。
……媛の目が見開き、座席から立ち上がる。
「貸してっ!」
テープレコーダーをライナから奪い取り、右耳に当てる。
音量が小さいため、こうしないと、よく聞こえない。
しかし媛の聴力は一般より少しだけ、いいため、寝ているときでも聞こえたらしい。
……相変らず、媛のゲーム好きは。
「こら、媛。もう宮殿に着くんだから、後ででもいいでしょ?」
テープレコーダーを媛から取り、肩下げ鞄に入れる。
バスを降り、目の前に広がったのは、大きな大きな鉄製の門。
門の両側には、天使のモチーフがついている。
門がゆっくりと開くのに合わせて、ガイド少女が入っていく。
「ではこちらへ!」
ポニーテールが揺れるのを見ながら、続いて春袈、私、璃維にライナと媛という順番で宮殿内に入っていく。
「ガブリエル様ー! 連れてきましたよっ」
ガブリエルと書かれたネームプレートがかけられた、扉の前でノック。
出てきたのは、ガブリエルではなかったと、後に私の幼馴染でもある紅來璃維は言った。
元気いっぱいな少女の声と姿とを確認すると春袈は顔をゆがめた。
「何でお前がガイドなんだ……」
「あっ! 春袈先輩、お久しぶりですっ」
「何が、お久しぶりです、だ。つい最近まで会っていなかったっけ?」
「うぅ……それはそうなんですが。って春袈先輩と話をするために来たんじゃないんですよ! 私!
私は、あなた方をガブリエル宮殿に連れてく役目があるんですよっ」
ふるふると首を横に振り、顔を上げた少女の顔は笑顔でいっぱいだった。
少女は所謂、エンジェルと呼ばれる、不特定多数の天使。
天使にはガブリエルなど称号を持つ天使のほかに称号を持たない天使をエンジェルと呼ぶ。
少女は長い黒髪を後頭部でポニーテールで結っており、着ている服はなぜか、メイド服だった。
……ガイドのはずなんだけど。
「えーとですね、バス停に直行バスが停まってあるのでそこまで徒歩でっ」
といってもバス停はそこまで、遠くなかった。徒歩3分ほどだ。
「春袈先輩ー。私、まだガブリエル様に仕えてるんですよぉー」
「……」
「私、もう疲れましたー」
「……」
「ガブリエル様、なんというか、カッチリしちゃったお嬢様で、型にはまりすぎなんですよー?」
バスの中で春袈の隣に座った、先ほどの少女が春袈に愚痴をこぼす。
「なら聞くけど、エンジェルは何がよかったの。誰が良かったの」
「……ラファエル様かなぁ?」
「へぇ。ミカエルじゃないんだ」
「うぅ、ミカエル様は確かにラファエル様の姉でらっしゃいますけど、ミカエル様は何だろう。
どっちかというとガブリエル様気質かな。お嬢様っていう感じ。
でもラファエル様だと、他の人じゃない感じ。
大勢で居ても、何処か浮いてる。そんな感じがいいな、とは思いますけどねぇ」
「ま、ラファエル様は確かにそんな感じするけど、外見で判断するものじゃないよ」
「?」
疑問符が浮かんだ少女に話すことはないという風に、目を閉じる春袈。
「ねえ、璃維。ラファエルって?」
「朝日奈翼が就く役職名。ミカエルもそう。ミカエルは翼の姉でもある騎士が就いてる」
「じゃあガブリエルは?」
「根本莉梨の役職名」
隣に座る璃維に確認する。……全部、天使関係なのかな?
「あっそろそろですねっ。
皆さん、ガブリエル宮殿に着くので、準備オーケーですかー!?」
少女の声がバス内に響く。
持ってきているバッグ類を持ち、後ろからライナの声が聞こえる。
「姉さん、媛が起きない」
「え!? 媛、寝てるの!?」
まさか、こんな短時間で妹の媛が眠るとは思わなかった。
「媛を起こすにはね……はい。媛を起こすときに私が用いるものです」
ライナの手にテープレコーダーを置き、再生させる。
テープレコーダーからは、音量は小さいものの、媛が好きなゲームミュージックが流れる。
……媛の目が見開き、座席から立ち上がる。
「貸してっ!」
テープレコーダーをライナから奪い取り、右耳に当てる。
音量が小さいため、こうしないと、よく聞こえない。
しかし媛の聴力は一般より少しだけ、いいため、寝ているときでも聞こえたらしい。
……相変らず、媛のゲーム好きは。
「こら、媛。もう宮殿に着くんだから、後ででもいいでしょ?」
テープレコーダーを媛から取り、肩下げ鞄に入れる。
バスを降り、目の前に広がったのは、大きな大きな鉄製の門。
門の両側には、天使のモチーフがついている。
門がゆっくりと開くのに合わせて、ガイド少女が入っていく。
「ではこちらへ!」
ポニーテールが揺れるのを見ながら、続いて春袈、私、璃維にライナと媛という順番で宮殿内に入っていく。
「ガブリエル様ー! 連れてきましたよっ」
ガブリエルと書かれたネームプレートがかけられた、扉の前でノック。
出てきたのは、ガブリエルではなかったと、後に私の幼馴染でもある紅來璃維は言った。
後書き
作者:斎藤七南 |
投稿日:2010/07/19 11:53 更新日:2010/07/19 11:53 『Devil+Angel=Reo』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。 |
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