作品ID:240
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Devil+Angel=Reo
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
第二部・第6話。
前の話 | 目次 | 次の話 |
ガイドの少女がノックした扉の向こう側に居たのは、この部屋の主でもあるガブリエルではないと、私の幼馴染でもある紅來璃維は言ったものだ。
「……璃維、あの人がガブリエル、さま?」
「……いや、違う」
「え?」
小声で交わされる私と璃維の会話。
「はじめまして。私はガブリエル、ではないです。
私はラファエル。名を朝日奈翼と申します」
出てきたのはガブリエルではなく、ラファエル。
つまり、翼だ。
相変らずの天然パーマの黒髪とリボン付のカチューシャ。
しかし、服装は違っていた。
丈が長いワンピース、マキシ丈ワンピース。上にトップスを羽織っているその姿。
表情は笑みの形に固定され、その笑みを崩そうとも思わない。
「あのとき、車の中でラジオをながして、喋ったのは私ではありません。
あれはガブリエルです。
しかし、ガブリエルは……ミスをおかしました」
最後の方は声の音量を小さくして話していたその言葉。
「ガブリエルはあのとき」
「皆様方は私の姉と似たチーム名をお持ちですっていう言葉だろ?」
翼の言葉を遮り、璃維が確認の言葉をかける。
「……璃維君ですか。ええ。確かに。あのとき、ガブリエルはそう言ってしまった。
ガブリエルが話した言葉は全て、私が原稿としてガブリエルに渡したものでした。
しかし、私の目線で書いてしまったため、原稿にそのような文章が……。
私はそれを訂正するのを忘れ、ガブリエルもそのまま読んでしまった」
それでも、ガブリエルが恐れたのはそっちではない、と璃維は思った。
ガブリエルは、あのとき、アッラーフという単語を言った。
アッラーフ。それは自分の隣に立つ幼馴染でもある桐生刹那の、幼き桐生刹那の役職名だった。
それを言ってしまったという事は、結論からして刹那に昔の記憶を蘇ることとなる。
まあ、車でバスでも隣に座っていたが……記憶を辿る様子などなかった。
……そういう節はあったが。
それが一番、この紅來璃維でさえ、恐れること。
そしてガブリエルも。
刹那にアッラーフであったことを思い出させてしまえば、そのあとの影響が計り知れない。
というのも、だ。
アッラーフに与えられている権限は確かに、ラファエルや他の称号と同等だ。
しかし、発言力としては絶大な影響力がある。
それが、唯一神とまで言われるアッラーフの存在意味。
全ての天使を押さえつける、アッラーフの存在意味は、そこにある。
「さて、璃維君。どうして、ここにライナ君や春袈さんが居るのです?」
首をかしげて問う翼。それに顔をゆがめ、同時に思考する。
そしてすぐわかった。
「あぁ、そうか。早紀はトーナメント表を作るのに聞いたし、早紀はNEVに所属してるからか。
翼じゃなくて、ラファエル。問題ない。これはNEVが認めてること。
ま、だからといってお前たちにはどうこうあるってわけじゃないが」
「……璃維君。NEVが公認しているのなら構いませんが、それならば何故、此処に桐生姉妹が居るのです?」
「それは刹那が天使であること。媛も天使だが、人数あわせってとこかな」
「ちょ、人数あわせって。もっと何か言い方なかった?」
少し怒り気味に媛が発する。璃維の人数あわせ発言にキレ気味のご様子だ。
「それでこのラファエロ・サンティが、できあがるわけなんだが?
どこかご指摘でも?」
「……まあいいでしょう」
「その話し方やめれば? 翼」
璃維の一言により、翼の表情が一変する。笑みから怒りの表情。
「ラファエルに対してその物言い……!」
「だから、別にいいじゃん」
「何がいいんですかっ!」
「え、俺と翼の仲?」
「……あぁ」
その一言により、あっさりと翼は納得したらしい。
しかしすぐ、表情を改め。
「しかし、今は非公式とはいえ、ラファエルとレオ争奪戦参加チームの話し合いです。
いくらなんでも、この場でその話し方は、くだけすぎですよ? 璃維君」
最初は真剣なものだったが、笑みを浮かべた元の表情になる。
「オーケー。ラファエル」
「了承してもらえたのならば、嬉しいです」
頬に手を添え笑みを浮かべる、翼。
翼が璃維と知り合ったのは、過去のレオ争奪戦にある。
「……璃維、あの人がガブリエル、さま?」
「……いや、違う」
「え?」
小声で交わされる私と璃維の会話。
「はじめまして。私はガブリエル、ではないです。
私はラファエル。名を朝日奈翼と申します」
出てきたのはガブリエルではなく、ラファエル。
つまり、翼だ。
相変らずの天然パーマの黒髪とリボン付のカチューシャ。
しかし、服装は違っていた。
丈が長いワンピース、マキシ丈ワンピース。上にトップスを羽織っているその姿。
表情は笑みの形に固定され、その笑みを崩そうとも思わない。
「あのとき、車の中でラジオをながして、喋ったのは私ではありません。
あれはガブリエルです。
しかし、ガブリエルは……ミスをおかしました」
最後の方は声の音量を小さくして話していたその言葉。
「ガブリエルはあのとき」
「皆様方は私の姉と似たチーム名をお持ちですっていう言葉だろ?」
翼の言葉を遮り、璃維が確認の言葉をかける。
「……璃維君ですか。ええ。確かに。あのとき、ガブリエルはそう言ってしまった。
ガブリエルが話した言葉は全て、私が原稿としてガブリエルに渡したものでした。
しかし、私の目線で書いてしまったため、原稿にそのような文章が……。
私はそれを訂正するのを忘れ、ガブリエルもそのまま読んでしまった」
それでも、ガブリエルが恐れたのはそっちではない、と璃維は思った。
ガブリエルは、あのとき、アッラーフという単語を言った。
アッラーフ。それは自分の隣に立つ幼馴染でもある桐生刹那の、幼き桐生刹那の役職名だった。
それを言ってしまったという事は、結論からして刹那に昔の記憶を蘇ることとなる。
まあ、車でバスでも隣に座っていたが……記憶を辿る様子などなかった。
……そういう節はあったが。
それが一番、この紅來璃維でさえ、恐れること。
そしてガブリエルも。
刹那にアッラーフであったことを思い出させてしまえば、そのあとの影響が計り知れない。
というのも、だ。
アッラーフに与えられている権限は確かに、ラファエルや他の称号と同等だ。
しかし、発言力としては絶大な影響力がある。
それが、唯一神とまで言われるアッラーフの存在意味。
全ての天使を押さえつける、アッラーフの存在意味は、そこにある。
「さて、璃維君。どうして、ここにライナ君や春袈さんが居るのです?」
首をかしげて問う翼。それに顔をゆがめ、同時に思考する。
そしてすぐわかった。
「あぁ、そうか。早紀はトーナメント表を作るのに聞いたし、早紀はNEVに所属してるからか。
翼じゃなくて、ラファエル。問題ない。これはNEVが認めてること。
ま、だからといってお前たちにはどうこうあるってわけじゃないが」
「……璃維君。NEVが公認しているのなら構いませんが、それならば何故、此処に桐生姉妹が居るのです?」
「それは刹那が天使であること。媛も天使だが、人数あわせってとこかな」
「ちょ、人数あわせって。もっと何か言い方なかった?」
少し怒り気味に媛が発する。璃維の人数あわせ発言にキレ気味のご様子だ。
「それでこのラファエロ・サンティが、できあがるわけなんだが?
どこかご指摘でも?」
「……まあいいでしょう」
「その話し方やめれば? 翼」
璃維の一言により、翼の表情が一変する。笑みから怒りの表情。
「ラファエルに対してその物言い……!」
「だから、別にいいじゃん」
「何がいいんですかっ!」
「え、俺と翼の仲?」
「……あぁ」
その一言により、あっさりと翼は納得したらしい。
しかしすぐ、表情を改め。
「しかし、今は非公式とはいえ、ラファエルとレオ争奪戦参加チームの話し合いです。
いくらなんでも、この場でその話し方は、くだけすぎですよ? 璃維君」
最初は真剣なものだったが、笑みを浮かべた元の表情になる。
「オーケー。ラファエル」
「了承してもらえたのならば、嬉しいです」
頬に手を添え笑みを浮かべる、翼。
翼が璃維と知り合ったのは、過去のレオ争奪戦にある。
後書き
作者:斎藤七南 |
投稿日:2010/07/20 19:56 更新日:2010/07/20 19:56 『Devil+Angel=Reo』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。 |
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