作品ID:255
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Devil+Angel=Reo
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
第二部・第11話。
前の話 | 目次 | 次の話 |
――さあアッラーフよ。今ここに誕生せよ。
何も気負う必要ない。
何故ならば、お前は唯一神だからだ。
「翼、それ以上はアッラーフなしで決めるには、他の天使の意思が集まって初めてできること。
それに、何もガブリエルが本当に不必要であるとは限らないだろ」
キレたままの翼をとめることができるのは、彼女が慕う旧アッラーフと、姉、そしてこの紅來璃維だ。
「……でも、旧アッラーフ様が」
「旧アッラーフじゃない。そんな奴はいない。此処にいるのは、
過去にアッラーフと呼ばれた桐生刹那だけだ」
翼の言葉に璃維が反論する。
その言葉に納得する部分が少なからずあったのか、翼は両手に握っていた短剣を懐に仕舞いこむ。
そして溜息一つ。
「はぁ……分かりました。ですが、ガブリエル。
これ以上、このチームに干渉する事は禁じます。いいですね?
璃維君も、それぐらいならばいいでしょう?」
首をかしげる動作にあわせて、翼の黒髪が揺れる。
その言葉に璃維もガブリエル・根本莉梨も頷き、翼は笑みをつくる。
「ならいいですね。……桐生刹那さんの意識が戻るのを祈ってます」
璃維が振り返れば、ソファーに横たわった刹那の姿。
どうやら、春袈とライナが頭痛のせいで意識不明に陥った刹那を横たわらせたらしかった。
目線を二人にやると、少し気まずそうに頷いた。
……紅來璃維という少年が、どれだけこの桐生刹那という少女を大事にしているか。
それを分かっている二人だからこそ、ただ頷くだけじゃなく、表情をゆがめた。
刹那の姿を確認した、すぐ後。
部屋の扉が開き、二つの足音が扉の向こうへと、廊下側へと消えていこうとする。
しかし、璃維はそれを許さなかった。
「ガブリエル……莉梨。これ以上、大天使に逆らわない方がいい」
その言葉を聞いた後、莉梨は何も言わず、部屋を出て行った。
「刹那は大丈夫?」
春袈が心配している。彼女のせいではないというのに。
「きっと、アッラーフという言葉を聞いて、一時的な頭痛に襲われただけだ。刹那の意識も、すぐ戻る」
璃維は喋りながら、刹那が横たわるベージュのソファーの近くに腰を下ろす。
やはり、アッラーフという単語を、唯一神とまで言われたその単語を刹那の前で聞かせるべき、話すべきではなかった。
その後、刹那がどうなるかも分かっていたはずなのに。
以前もあったはずなのに。
前例があったのに。
刹那を刹那の祖母から託されたはずなのに。
また。
また、刹那をアッラーフに復職させると、――と約束したはずなのに。
「あ」
春袈とライナの声がかぶさる。
2人の目線を追うと、刹那が居た。意識を取り戻した刹那の姿があった。
「璃維?」
咳きこみながら、刹那は上半身を起こそうとする。
それを制したのは、意外にも春袈だった。
「短時間でも意識不明状態だったんだから、無理はダメ」
妹を諭すように、子供を諭すように言い聞かせる春袈。
「あの、2人は?」
大分、息も落ち着いてきた刹那が聞いたのはあの2人……朝日奈翼と根本莉梨のこと。
「もう帰った。それに時間が、時間だし?」
春袈の言葉に部屋の壁につけられた、からくり針時計を見ると既に16時を回っていた。
「そっか……」
安心したようにまた、目を閉じる刹那。
それを見た春袈の第一声は。
「大丈夫かな、刹那は。レオ争奪戦にも出場するのに」
「こっちがサポートすれば、いいだけの話」
春袈の言葉に返した自分の言葉は、声自体が震えていて。
刹那に声をかけれずいた、自分を心の隅で少しだけ、責めていた。
――さぁ、アッラーフよ。再生せよ。
唯一神とまで言われたアッラーフよ。
大天使を率いて、悪魔を殲滅せよ……!
刹那の脳内で、聞き覚えがある声が響いた。
何も気負う必要ない。
何故ならば、お前は唯一神だからだ。
「翼、それ以上はアッラーフなしで決めるには、他の天使の意思が集まって初めてできること。
それに、何もガブリエルが本当に不必要であるとは限らないだろ」
キレたままの翼をとめることができるのは、彼女が慕う旧アッラーフと、姉、そしてこの紅來璃維だ。
「……でも、旧アッラーフ様が」
「旧アッラーフじゃない。そんな奴はいない。此処にいるのは、
過去にアッラーフと呼ばれた桐生刹那だけだ」
翼の言葉に璃維が反論する。
その言葉に納得する部分が少なからずあったのか、翼は両手に握っていた短剣を懐に仕舞いこむ。
そして溜息一つ。
「はぁ……分かりました。ですが、ガブリエル。
これ以上、このチームに干渉する事は禁じます。いいですね?
璃維君も、それぐらいならばいいでしょう?」
首をかしげる動作にあわせて、翼の黒髪が揺れる。
その言葉に璃維もガブリエル・根本莉梨も頷き、翼は笑みをつくる。
「ならいいですね。……桐生刹那さんの意識が戻るのを祈ってます」
璃維が振り返れば、ソファーに横たわった刹那の姿。
どうやら、春袈とライナが頭痛のせいで意識不明に陥った刹那を横たわらせたらしかった。
目線を二人にやると、少し気まずそうに頷いた。
……紅來璃維という少年が、どれだけこの桐生刹那という少女を大事にしているか。
それを分かっている二人だからこそ、ただ頷くだけじゃなく、表情をゆがめた。
刹那の姿を確認した、すぐ後。
部屋の扉が開き、二つの足音が扉の向こうへと、廊下側へと消えていこうとする。
しかし、璃維はそれを許さなかった。
「ガブリエル……莉梨。これ以上、大天使に逆らわない方がいい」
その言葉を聞いた後、莉梨は何も言わず、部屋を出て行った。
「刹那は大丈夫?」
春袈が心配している。彼女のせいではないというのに。
「きっと、アッラーフという言葉を聞いて、一時的な頭痛に襲われただけだ。刹那の意識も、すぐ戻る」
璃維は喋りながら、刹那が横たわるベージュのソファーの近くに腰を下ろす。
やはり、アッラーフという単語を、唯一神とまで言われたその単語を刹那の前で聞かせるべき、話すべきではなかった。
その後、刹那がどうなるかも分かっていたはずなのに。
以前もあったはずなのに。
前例があったのに。
刹那を刹那の祖母から託されたはずなのに。
また。
また、刹那をアッラーフに復職させると、――と約束したはずなのに。
「あ」
春袈とライナの声がかぶさる。
2人の目線を追うと、刹那が居た。意識を取り戻した刹那の姿があった。
「璃維?」
咳きこみながら、刹那は上半身を起こそうとする。
それを制したのは、意外にも春袈だった。
「短時間でも意識不明状態だったんだから、無理はダメ」
妹を諭すように、子供を諭すように言い聞かせる春袈。
「あの、2人は?」
大分、息も落ち着いてきた刹那が聞いたのはあの2人……朝日奈翼と根本莉梨のこと。
「もう帰った。それに時間が、時間だし?」
春袈の言葉に部屋の壁につけられた、からくり針時計を見ると既に16時を回っていた。
「そっか……」
安心したようにまた、目を閉じる刹那。
それを見た春袈の第一声は。
「大丈夫かな、刹那は。レオ争奪戦にも出場するのに」
「こっちがサポートすれば、いいだけの話」
春袈の言葉に返した自分の言葉は、声自体が震えていて。
刹那に声をかけれずいた、自分を心の隅で少しだけ、責めていた。
――さぁ、アッラーフよ。再生せよ。
唯一神とまで言われたアッラーフよ。
大天使を率いて、悪魔を殲滅せよ……!
刹那の脳内で、聞き覚えがある声が響いた。
後書き
作者:斎藤七南 |
投稿日:2010/07/29 18:37 更新日:2010/07/29 18:59 『Devil+Angel=Reo』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。 |
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