作品ID:306
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Devil+Angel=Reo
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
第二部・第21話。
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予選終了。
「予選、通過できてよかったね……」
安心して、気が抜けたのか、トーナメント会場から徒歩20分以上かかる宿泊所へと戻った刹那たちは一気に刹那の部屋にて倒れこんだ。
「刹那、まだ本戦のこってるんだから、予選通過だけで、はぁ……」
春袈はというと、すでに喋るのも嫌になるぐらい疲れているようで、カーペットに突っ伏し、横になってそのまま眠る。
それに続いて、ライナや媛もカーペットの上で横になり眠る。
ただ一人、璃維だけはソファーに座って目を閉じているのみ。
「り、璃維は疲れてないの?」
久々に璃維と2人っきりで会話を交わす。
最近、媛や春袈、ライナと一緒に居たから……。
「そんなに疲労はたまってない。ただ、明日から本戦に入る。
なるべく疲れや精神的疲労をとっておかないと、本戦は約1ヶ月かけて行うからな。
体が持たなくなる。刹那も明日からの本戦に向けて、休んでおけ」
璃維がソファーから立ち上がり、刹那の部屋を出て行く。
茶色い壁紙。音声を発さないプラズマテレビ。夏の暑さを少しでも抑えるために設置されたクーラー。
全てが刹那を取り巻く環境で、刹那が座り込んだカーペットはふかふかしている。
そんななか、刹那は朝日奈翼という少女の安否だけを気にかけていた。
「よっし! 本戦開始! って、刹那元気ないけど……」
春袈が意気込み、茶色い髪をシャンプーの香りをさせて、ゆらゆらと風に揺らしておく。
本戦会場でもあるシュヴェルトヘリアは、予選以上の熱気に包まれ、今日の快晴な天気と相まって、気温上昇の一因となっていた。
「うわぁ……NEVチームと戦うわけじゃないのに、なんでこんな熱気……」
うんざりして媛は真っ黒な前髪を下ろす。
日焼けしそうなほどの日差しは、刹那の真っ白な、しかし病的ではない肌にも容赦なく降り注ぐ。
「本戦内容って何だろう」
キョロキョロと周りを見回して、刹那は疑問を口にする。
「本戦は、悪魔狩り。お互いのチームにいる悪魔を全滅させれば勝ちだ」
急に上から声がして驚き、振り向いたその先には。
「初めまして。朝龍楯羽と申します」
赤と黒の二つの色を髪にもったツートンの少女が薄い笑みと共に、刹那たちを見下ろしていた。
「あさりょうたては」と名乗った女性は、軽くお辞儀をしてブーツのヒールをコンクリートに鳴らして、去っていく。
「……あ、あさりょう、たては?」
口をあけたままで、刹那は首を傾げる。
「朝龍楯羽。23歳独身。戦女神と呼ばれ続け、剣術と体術を混ぜ合わせた戦闘スタイルだってNEVで聞いたこと、あるよ?」
「NEVの機関長でも朝龍楯羽には勝てなかったって……」
ライナと春袈が呆然の状況の中、璃維だけが朝龍楯羽の去ったその先を、目を細くして睨みながら見続けていた。
『本戦第一戦目! 悪魔狩りと称された、この試合は試合と呼べるものではありません!
まさに、戦闘と化した悪魔狩りは相手チームにいる悪魔を全滅させれば勝利!
ただしお互いに誰が悪魔かわからないため、チームの悪魔には全員、発信機をつけていただき、両チームには受信機を受け取っていただきます。
そして、もし万が一、天使を攻撃した場合はペナルティを受けていただきます』
「ぺ、ペナルティ?」
刹那が予選と同じ、電光掲示板横のスタンド席に座ってまたしても首を傾げる。
『ペナルティ。それは、天使を攻撃した時点で執行されるものであり、内容は。
……本戦脱落。つまり、ここまでの努力も何もかも消えるというわけです』
アナウンスの声は一気に低くなり、刹那は身震いする。
「……本戦脱落ってそんなに怖いの?」
「レオ争奪戦において、本戦脱落はNEV機関にて処罰を受ける事にもなる。
処罰の内容は……NEV機関員として機関に服従するか、逆らってあっさりと死ぬか」
刹那はすでに涙目だ。
それに気づいたのか、璃維は苦笑して刹那の頭をポンポンとはたく。
「大丈夫。死ぬなんてない。それ以前にペナルティなんて受けさせない」
力強く、璃維は刹那の目を見て言い放つ。
「行こう。今日は俺たちが準決勝の最初を飾る」
立ち上がり、刹那も慌ててそれに追いつく。
各々が準備を進めていく中で、刹那だけがどこか浮いていた。
悪魔狩りと称されたその内容には名前どおりのことしかなく、相手チームの悪魔だけを全滅させれば勝利という楽そうなこの対決。
だが、これからが悪魔狩りは悪魔狩りとして姿を見せていくことになる。
それは、璃維の暴走を目の当たりにして、実感したんだ。
「予選、通過できてよかったね……」
安心して、気が抜けたのか、トーナメント会場から徒歩20分以上かかる宿泊所へと戻った刹那たちは一気に刹那の部屋にて倒れこんだ。
「刹那、まだ本戦のこってるんだから、予選通過だけで、はぁ……」
春袈はというと、すでに喋るのも嫌になるぐらい疲れているようで、カーペットに突っ伏し、横になってそのまま眠る。
それに続いて、ライナや媛もカーペットの上で横になり眠る。
ただ一人、璃維だけはソファーに座って目を閉じているのみ。
「り、璃維は疲れてないの?」
久々に璃維と2人っきりで会話を交わす。
最近、媛や春袈、ライナと一緒に居たから……。
「そんなに疲労はたまってない。ただ、明日から本戦に入る。
なるべく疲れや精神的疲労をとっておかないと、本戦は約1ヶ月かけて行うからな。
体が持たなくなる。刹那も明日からの本戦に向けて、休んでおけ」
璃維がソファーから立ち上がり、刹那の部屋を出て行く。
茶色い壁紙。音声を発さないプラズマテレビ。夏の暑さを少しでも抑えるために設置されたクーラー。
全てが刹那を取り巻く環境で、刹那が座り込んだカーペットはふかふかしている。
そんななか、刹那は朝日奈翼という少女の安否だけを気にかけていた。
「よっし! 本戦開始! って、刹那元気ないけど……」
春袈が意気込み、茶色い髪をシャンプーの香りをさせて、ゆらゆらと風に揺らしておく。
本戦会場でもあるシュヴェルトヘリアは、予選以上の熱気に包まれ、今日の快晴な天気と相まって、気温上昇の一因となっていた。
「うわぁ……NEVチームと戦うわけじゃないのに、なんでこんな熱気……」
うんざりして媛は真っ黒な前髪を下ろす。
日焼けしそうなほどの日差しは、刹那の真っ白な、しかし病的ではない肌にも容赦なく降り注ぐ。
「本戦内容って何だろう」
キョロキョロと周りを見回して、刹那は疑問を口にする。
「本戦は、悪魔狩り。お互いのチームにいる悪魔を全滅させれば勝ちだ」
急に上から声がして驚き、振り向いたその先には。
「初めまして。朝龍楯羽と申します」
赤と黒の二つの色を髪にもったツートンの少女が薄い笑みと共に、刹那たちを見下ろしていた。
「あさりょうたては」と名乗った女性は、軽くお辞儀をしてブーツのヒールをコンクリートに鳴らして、去っていく。
「……あ、あさりょう、たては?」
口をあけたままで、刹那は首を傾げる。
「朝龍楯羽。23歳独身。戦女神と呼ばれ続け、剣術と体術を混ぜ合わせた戦闘スタイルだってNEVで聞いたこと、あるよ?」
「NEVの機関長でも朝龍楯羽には勝てなかったって……」
ライナと春袈が呆然の状況の中、璃維だけが朝龍楯羽の去ったその先を、目を細くして睨みながら見続けていた。
『本戦第一戦目! 悪魔狩りと称された、この試合は試合と呼べるものではありません!
まさに、戦闘と化した悪魔狩りは相手チームにいる悪魔を全滅させれば勝利!
ただしお互いに誰が悪魔かわからないため、チームの悪魔には全員、発信機をつけていただき、両チームには受信機を受け取っていただきます。
そして、もし万が一、天使を攻撃した場合はペナルティを受けていただきます』
「ぺ、ペナルティ?」
刹那が予選と同じ、電光掲示板横のスタンド席に座ってまたしても首を傾げる。
『ペナルティ。それは、天使を攻撃した時点で執行されるものであり、内容は。
……本戦脱落。つまり、ここまでの努力も何もかも消えるというわけです』
アナウンスの声は一気に低くなり、刹那は身震いする。
「……本戦脱落ってそんなに怖いの?」
「レオ争奪戦において、本戦脱落はNEV機関にて処罰を受ける事にもなる。
処罰の内容は……NEV機関員として機関に服従するか、逆らってあっさりと死ぬか」
刹那はすでに涙目だ。
それに気づいたのか、璃維は苦笑して刹那の頭をポンポンとはたく。
「大丈夫。死ぬなんてない。それ以前にペナルティなんて受けさせない」
力強く、璃維は刹那の目を見て言い放つ。
「行こう。今日は俺たちが準決勝の最初を飾る」
立ち上がり、刹那も慌ててそれに追いつく。
各々が準備を進めていく中で、刹那だけがどこか浮いていた。
悪魔狩りと称されたその内容には名前どおりのことしかなく、相手チームの悪魔だけを全滅させれば勝利という楽そうなこの対決。
だが、これからが悪魔狩りは悪魔狩りとして姿を見せていくことになる。
それは、璃維の暴走を目の当たりにして、実感したんだ。
後書き
作者:斎藤七南 |
投稿日:2010/09/11 18:18 更新日:2010/09/11 18:18 『Devil+Angel=Reo』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。 |
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