「あはははははははははははははは！」「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ！」

　真っ直ぐ突っ込んで来る満月新月。迎撃の態勢をとる。

「世界！　新月は頼む！」

「分かったわ！」

　世界に新月を任せて満月へ突っ込む。

「あははははははははは！」

　最初の面影はもう無い。ただ突っ込んで来る。



　　　　遅いな



　そんな余裕をしていると・・・

「あははははははははははは！」

「！」

　目と鼻の先に満月がいた。さらに気が付くと目の前から消えていた。いや、俺が吹っ飛ばされていた。

「ぐは！」

「きゃあ！」

　世界もやられたらしい。何とか受身を取って着地する。

「一体なにが？」

　俺の横に世界が着地する。

「分からないわよ！　あんな動き武器でもいないと・・・」

　武器？　ああ、黒夜みたいなやつらの事か・・・武器・・・

「なるほど・・・全ての点は繋がった！」

『四季、からくりが分かったのか？』

「ああ、考えれば分かる事だ。だけどこれは仮説だ。核心は無い」

　どう言う事？　っと世界が聞きたそうにしていたけど・・・

「あはははははははははは！」「ゲラゲラゲラゲラゲラ！」

　姉妹が突っ込んで来る。今はこの攻撃を防がなければ！

「炎舞・近戦一ノ型・火車！」

　世界が火車で迎撃、避けたところを追撃するために俺も前に出る。

「ぬるい！」「あまい！」

　姉妹は避けるどころか火車の状態の世界を蹴り飛ばした！

「！」

　悲鳴を上げることすらかなわず吹っ飛んでいく世界。目の前に姉妹。

「っく！」

　攻撃の姿勢から防御体勢へ。いけるか？

「あはははははははははは！」「ゲラゲラゲラゲラ！」

　姉妹が一緒に蹴りを放ってきた。ガードには成功したはずが、吹っ飛ばされた。なんて力だ！

「世界に黒夜！　大丈夫か？」

「私は平気よ」

『私も大丈夫だ』

　とりあえず一安心。

「とりあえず四季。さっきからくりが分かったって言ってたけど・・・」

「ああ、もしかしてあいつら武器なんじゃないのか？」

「そんな・・・」

　ぱちぱちぱち

「すごいですね」「私たちの秘密に」「気が付くなんて」「あははははは」「ケラケラケラ」

「当たってるのか？」

『しかし四季、何所で気が付いた？』

「あいつらの身体能力が高い理由はお互いが俺と黒夜みたいな関係なんじゃないのか？」

「あんたと黒夜？」

『私を四季が装備してる間は四季の能力が上がるが・・・』

「もしかしてあいつらはそれをどっちも武器化せず遠隔でやってるんじゃ？」

　これが俺の仮説。

「ご名答」「で?す」「うふふふふ」「くすくすくす」

　笑い方が元に戻っている。狂戦士モード（いま命名）は解けたようだ。

「私たちは」「そこの武器と一緒の」「究極武器創作実験の実験体」「実験名は《双月（ダブル）》」「内容は中のいい武器の双子をずっと二人きりにしたらどうなるか」

「結果がそれか」

「ちなみに私は武器化すると刃物一般に」「私は銃器一般に」

「満月が剣で新月が銃か。二人一緒なら最強といっても過言では無いな」

「でも何で？　そんなに強いなら誰かの下についてこんな事してるの？」

「もっともな質問」「私たちも好きでこんな事してるわけじゃない」

　満月は新月の首を指差した。首輪があった。

「爆弾よ」「命令に逆らえば爆発する」「だから負けられない。新月のために」

「・・・」





　一瞬で戦意が削がれた四季と世界、一体どんな選択をするのか？