作品ID:545
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もう未練はありませんか?
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
初仕事、最初のお客
前の話 | 目次 | 次の話 |
「うえ・・・ひっく、ぐす」
「あ?ほら、泣くな。お前は励ます立場だろ?」
管理人と名のった少女はあのあとすぐに泣き出してしまい。逆に慰められていました。
「確かに・・・ひっく・・・そうですが・・・初仕事から死因がむごい人だったので・・・報われなさ過ぎます」
「その言葉は結構大打撃だ。まったく、そろそろ落ち着いたか?」
「はい・・・・・・私この仕事向いてないかもしれません。私はいま全力で神をうらみます」
少女が落ち着いたのを確認して少し離れる男性。
「自己紹介をしてないな。俺は四光時雨(しこうしぐれ)だ」
「若々しい外見とは違って渋い名前ですね」
「言うな・・・っで、お前の名前は?」
「ありません」
「無いって、なにか無いのか?」
「ええと・・・神が一応名前のパーツをくれました」
「いってみろ」
「白猫、案内人、管理人、橋渡し人、汎用人型決戦兵器・・・」
「待て! ストップ!」
言葉を片っ端から並べる少女を時雨が止めた。
「お前の名前は無いのか!? そして最後のは何だ!?」
「えっと・・・汎用「言わなくていい!」
「何ですか! 私が気に入ってるワードの一つですよ」
「まったく、面倒だから俺が考えていいか?」
「好きにしていいですよ。私には基本拒否権はありません」
「良かったな、最初に来たのが俺で。一歩間違えたらお前の名前はエヴァ○ゲリオンか綾波○イ、またはア○カになってたぞ」
そんな事を言ってから時雨は少し考えて・・・
「お前が最初に言った‘白猫’と‘案内人’からとって白猫杏奈(はくびょうあんな)って言うのはどうだ? あんなの漢字は杏仁のあんと奈落のなだ」
「はくびょう?」
「白猫の漢字の別の読み方だ」
「・・・・・・す、好きにしていいですよ」
少女は小さく小声であんな、あんなか・・・と繰り返していた。時雨には聞こえないようにしていたらしいがばっちり時雨に聞こえていた。
少女の名前が決まり、少女の初仕事が始まった。
「っで、俺に未練は無いんだが・・・」
そうですか? っと疑うも少女は次の行動に出た。少女が壁に手を当てて・・
「来(き)たれ、転生(てんせい)の扉(とびら)」
少女がそう唱えると、壁に一つの扉が出現した。扉と言うより画用紙に鉛筆で長方形を書いてドアノブの部分に丸を描いたような物だった。
「これを開けようとしてください」
時雨は言われるままにドアノブをひねって開けようと・・・
ガチャ・・・ガチャガチャガチャ!
「あれ? あかないぞ?」
ガチャ! ガチャガチャ!
「っち! あかねぇなぁ・・・っと見せかけて!」
ガチャ!
「なにをしているんですか? 楽しそうですね」
「たのしかねぇ!」
時雨は一回扉から離れて・・・
「この扉開かないぞ?」
「この扉はその人に未練に応じて開くか開かないか決まります。未練が無ければ普通の扉のように開きます。未練があっても本人がもういいや、って割り切れている場合は扉は重く感じるけど開きます。断ち切れていない未練があると扉は開きません」
書類を見つめながら説明する少女。
「つまり開かないのは俺に未練があるからと? って言うか覚えとけよ! それか不思議な事に覚えてます状態でいろよ!」
「仕方ないじゃないですか! 神はサボり癖があるので私の構成は半分適当なんですから!」
必死に抗議する杏奈を無視して・・・
「俺が断ち切れてない未練か・・・・・・」
真剣に悩む時雨、少女はそれを見守っていた。
「・・・・・・あ、あれかな?」
「何か思い当たったのですか?」
「・・・言わなきゃだめ?」
「言わなければ私には分かりませんよ」
「お前見たいなロリっ子に話さなければならないとは・・・」
「誰が頼りにならなそうな幼女ですか!」
「そこまでいってないけどあってる」
「失礼です! 私ほどお姉さん属性持ってる人はいませんよ」
自信満々に言い放つ杏奈、時雨はそれを鼻で笑ってから。
「お前にお姉さん属性あったら妙に姉御肌な小学生低学年のほうがお姉さん属性感じるわ」
「そこまでいいますか!」
激しく憤慨する杏奈を尻目に時雨は一つ嘆息してから。
「分かったよ話すよ」
「ふふん! 私のお姉さん属性にやっと気が付きましたか?」
杏奈のあほ全開な台詞を無視して時雨は話始めた。
「俺が死んだ事で、誰か悲しんでいるんかなって、やっぱり思うのはそんな物だろう」
「確かにあなたの死によって悲しむ人はいっぱいいます。同時に喜んでいる人もいます。悲しんでいる人にはあなたの恋人もい「何で知ってる!」
顔を真っ赤にして時雨が杏奈の台詞をさえぎった。
「それで、やりたい事はありますか? ある程度の事は出来ますよ?」
「なら、遺書的なものを偽装してくれたりしてくれないか?」
少女は少し考えてから・・・
「はい、可能な範囲です。内容の細やかな指定はありますか?」
「そ?だな。じゃあ、俺の事を忘れてくれって零那(れいな)に・・・俺の恋人に伝わる内容、それと俺を殺したやつの足が着かないようにしてくれ。書いた理由はなんとなくでいいや」
「分かりました。でも、何であなたを殺した人までかばうのですか?」
杏奈の問いに時雨はいたずらっぽく笑って。
「死人は口を利かないだろ?」
時雨は再びドアノブに手をかけた。
ぎぃぃいい
「お、あいた」
「来世ではがんばってください」
「・・・俺が生きてるころだったら悪口にしか聞こえなかったな」
扉をくぐる前に時雨は少し止まって・・・
「そうそう。杏奈って名前これからも使い続けてくれ」
そう言い残した。最後に少女が見せた笑顔はなんか心が救われるような・・・いいものだった。
「はぁ・・・」
杏奈は時雨を見送ってからため息をつき、こうつぶやいた。
「私・・・この仕事向いてないな・・・」
そう言って泣いた。
「あ?ほら、泣くな。お前は励ます立場だろ?」
管理人と名のった少女はあのあとすぐに泣き出してしまい。逆に慰められていました。
「確かに・・・ひっく・・・そうですが・・・初仕事から死因がむごい人だったので・・・報われなさ過ぎます」
「その言葉は結構大打撃だ。まったく、そろそろ落ち着いたか?」
「はい・・・・・・私この仕事向いてないかもしれません。私はいま全力で神をうらみます」
少女が落ち着いたのを確認して少し離れる男性。
「自己紹介をしてないな。俺は四光時雨(しこうしぐれ)だ」
「若々しい外見とは違って渋い名前ですね」
「言うな・・・っで、お前の名前は?」
「ありません」
「無いって、なにか無いのか?」
「ええと・・・神が一応名前のパーツをくれました」
「いってみろ」
「白猫、案内人、管理人、橋渡し人、汎用人型決戦兵器・・・」
「待て! ストップ!」
言葉を片っ端から並べる少女を時雨が止めた。
「お前の名前は無いのか!? そして最後のは何だ!?」
「えっと・・・汎用「言わなくていい!」
「何ですか! 私が気に入ってるワードの一つですよ」
「まったく、面倒だから俺が考えていいか?」
「好きにしていいですよ。私には基本拒否権はありません」
「良かったな、最初に来たのが俺で。一歩間違えたらお前の名前はエヴァ○ゲリオンか綾波○イ、またはア○カになってたぞ」
そんな事を言ってから時雨は少し考えて・・・
「お前が最初に言った‘白猫’と‘案内人’からとって白猫杏奈(はくびょうあんな)って言うのはどうだ? あんなの漢字は杏仁のあんと奈落のなだ」
「はくびょう?」
「白猫の漢字の別の読み方だ」
「・・・・・・す、好きにしていいですよ」
少女は小さく小声であんな、あんなか・・・と繰り返していた。時雨には聞こえないようにしていたらしいがばっちり時雨に聞こえていた。
少女の名前が決まり、少女の初仕事が始まった。
「っで、俺に未練は無いんだが・・・」
そうですか? っと疑うも少女は次の行動に出た。少女が壁に手を当てて・・
「来(き)たれ、転生(てんせい)の扉(とびら)」
少女がそう唱えると、壁に一つの扉が出現した。扉と言うより画用紙に鉛筆で長方形を書いてドアノブの部分に丸を描いたような物だった。
「これを開けようとしてください」
時雨は言われるままにドアノブをひねって開けようと・・・
ガチャ・・・ガチャガチャガチャ!
「あれ? あかないぞ?」
ガチャ! ガチャガチャ!
「っち! あかねぇなぁ・・・っと見せかけて!」
ガチャ!
「なにをしているんですか? 楽しそうですね」
「たのしかねぇ!」
時雨は一回扉から離れて・・・
「この扉開かないぞ?」
「この扉はその人に未練に応じて開くか開かないか決まります。未練が無ければ普通の扉のように開きます。未練があっても本人がもういいや、って割り切れている場合は扉は重く感じるけど開きます。断ち切れていない未練があると扉は開きません」
書類を見つめながら説明する少女。
「つまり開かないのは俺に未練があるからと? って言うか覚えとけよ! それか不思議な事に覚えてます状態でいろよ!」
「仕方ないじゃないですか! 神はサボり癖があるので私の構成は半分適当なんですから!」
必死に抗議する杏奈を無視して・・・
「俺が断ち切れてない未練か・・・・・・」
真剣に悩む時雨、少女はそれを見守っていた。
「・・・・・・あ、あれかな?」
「何か思い当たったのですか?」
「・・・言わなきゃだめ?」
「言わなければ私には分かりませんよ」
「お前見たいなロリっ子に話さなければならないとは・・・」
「誰が頼りにならなそうな幼女ですか!」
「そこまでいってないけどあってる」
「失礼です! 私ほどお姉さん属性持ってる人はいませんよ」
自信満々に言い放つ杏奈、時雨はそれを鼻で笑ってから。
「お前にお姉さん属性あったら妙に姉御肌な小学生低学年のほうがお姉さん属性感じるわ」
「そこまでいいますか!」
激しく憤慨する杏奈を尻目に時雨は一つ嘆息してから。
「分かったよ話すよ」
「ふふん! 私のお姉さん属性にやっと気が付きましたか?」
杏奈のあほ全開な台詞を無視して時雨は話始めた。
「俺が死んだ事で、誰か悲しんでいるんかなって、やっぱり思うのはそんな物だろう」
「確かにあなたの死によって悲しむ人はいっぱいいます。同時に喜んでいる人もいます。悲しんでいる人にはあなたの恋人もい「何で知ってる!」
顔を真っ赤にして時雨が杏奈の台詞をさえぎった。
「それで、やりたい事はありますか? ある程度の事は出来ますよ?」
「なら、遺書的なものを偽装してくれたりしてくれないか?」
少女は少し考えてから・・・
「はい、可能な範囲です。内容の細やかな指定はありますか?」
「そ?だな。じゃあ、俺の事を忘れてくれって零那(れいな)に・・・俺の恋人に伝わる内容、それと俺を殺したやつの足が着かないようにしてくれ。書いた理由はなんとなくでいいや」
「分かりました。でも、何であなたを殺した人までかばうのですか?」
杏奈の問いに時雨はいたずらっぽく笑って。
「死人は口を利かないだろ?」
時雨は再びドアノブに手をかけた。
ぎぃぃいい
「お、あいた」
「来世ではがんばってください」
「・・・俺が生きてるころだったら悪口にしか聞こえなかったな」
扉をくぐる前に時雨は少し止まって・・・
「そうそう。杏奈って名前これからも使い続けてくれ」
そう言い残した。最後に少女が見せた笑顔はなんか心が救われるような・・・いいものだった。
「はぁ・・・」
杏奈は時雨を見送ってからため息をつき、こうつぶやいた。
「私・・・この仕事向いてないな・・・」
そう言って泣いた。
後書き
作者:総 誉 |
投稿日:2010/11/13 23:10 更新日:2010/11/15 01:43 『もう未練はありませんか?』の著作権は、すべて作者 総 誉様に属します。 |
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