作品ID:567
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■白銀
もう未練はありませんか?
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
見えないやさしさ・・・
前の話 | 目次 | 次の話 |
「ん? ・・・俺は」
青年が目覚めるとそこには髪を三つ編みにした少女とぐったりした黒猫が一匹・・・
「すいません!」
「?」
少女は深々と頭を下げた。青年は最初は何のことか分からないと言わんばかりに頭をひねって・・・
「あ! てめー!」
殴りかかる!
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
っが! 少女は目をぎゅっとつむって動かない。
振り上げた手を下ろす青年・・・
「・・・・・・殴らないのですか?」
「無抵抗な少女を殴るような趣味はねぇよ・・・」
そっぽを向く青年をよそに少女はこほん! っと咳払いをして・・・
「始めまして。ここはあなたに救いを与える場所です。 自己紹介が遅れましたね。私は白猫杏奈、ここの管理人です」
「僕の名前はディクショナリー。長いからディーと呼べ」
「お兄さんの名前を教えてくれませんか?」
「・・・」
完璧な黙秘だった。
「名前を教えてくれませんか? 優しいお兄さん」
はぁ・・・っと青年は一つ嘆息してから自己紹介をした。
「名前は藍蘭優斗(あいらんゆうと)名前に<優しい>の文字はあるが別に優しくもない不登校の不良少年だ」
「そうですか? 私は優しいと思いますよ?」
「アンナ? 目でも腐ったんじゃないの?」
「ディーは黙っててください」
「お前・・・さっきの性格の悪さが嘘みたいだな。二度とあの状態にはならないようにしたほうが・・・」
そこまで言って優斗は妙にニヤニヤした杏奈の視線に気づき・・・
「喧嘩売ってんのか?」
どすの利いた声で杏奈に脅しを入れるが杏奈は動じなかった。
「・・・お前、怖くないのか?」
「だって優斗さんは無抵抗な少女を殴る趣味は無いのでしょう?」
「っち!」
その舌打ちも杏奈にはなんの効果も無かった。
「っで? ここは救いを与えるだかどうだか言ってたけど・・・ここは結局どう言う場所なんだ?」
「はい。いろいろと説明が長くなりますが全部聞いてください」
「・・・・・・はぁ」
心底嫌そうにため息をする青年・・・
説明中
「・・・・・・ふ」
説明が終わり。優斗が最初に言った言葉は・・・
「死んだぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ!!?」
「・・・そのリアクション流行ってるんですか?」
「しらねぇよ! って事はあれか? あの鎌を持った集団は死神か!? 俺三人ぐらいぶっ飛ばしたんだけど・・・」
「すごいですね・・・死神も一応名前に神が入りますから。それを倒すなんて、非常識すぎます」
「結構手こずった」
「なるほど・・・あなたが来る前にあった開き時間の謎が解けましたねディー」
「ああ、僕も驚くしかないな・・・」
「お前らの説明だとある程度なら俺の願いをかなえることが出来るのか?」
「はい」
「そうか・・・」
そして神妙な顔で悩み始めた優斗・・・そして妙に赤くなった顔で杏奈に頼んだ。
「・・・・・・俺が死ぬ前に助けたがきは無事なのか調べてくれ」
「分かりました。お願いしますディー」
ディーの瞳孔が収縮して元に戻る。同時に杏奈の手に何枚かの書類が現れた。
「・・・はい、大丈夫です。あなたが助けた男の子は無事です」
「そうか・・・」
「それにしても優斗さんは面白いですね」
「?」
「不良に絡まれていたクラスメイトを助けるために不良の集団を一人で撃退したのはいいけどなぜか自分が勘違いで逮捕されて学校を一週間停学、それから助けたクラスメイトの発言で撤回されたのにそれから恥ずかしくて学校に行けなかったなんて」
「なぁぁ!」
かぁぁぁ! っと言う擬音が似合うほど赤面する優斗、気にせず続ける杏奈。
「他にもありますね。帰り道で見つけた猫を川に落として遊んでいた小学生たちを川に突き落としたり。近隣の迷惑も考えずに全力で花火を楽しむ集団に大量の水をかけたり・・・あ! これ面白いですね」
「お願いします! もうやめてください! お願いします」
全力で頭を下げる優斗。しかし、杏奈は止まらない。
「酔っ払って女性に絡む男性を追い払ったのに警察に捕まりかけたり。このネタ多いですね! しまいには・・・」
杏奈は一泊空けて・・・
「転がっていくボールを追いかけて車に轢かれそうになった少年の身代わりになるなんて」
「・・・・・・」
「やっぱり優斗さんは優しい人ですね。少し不器用なのが残念ですが」
優斗はあきらめたような表情をすると耳につけた安全ピンを取って捨てた。他にも、不良っぽい要素の原因となっている物を取り払っていく。
不良っぽい要素が少し抜けただけで優斗は一瞬で優しそうな青年に早代わりした。
「優しくなんかねぇよ。ただバカなだけだ」
「でも、私はあなたみたいな人は好きですよ?」
「・・・そうか。じゃあ、俺が思い残した事は母親の事だけだ。どうにかできるか?」
「どうですかディー?」
「確認を取るまでも無く大丈夫な範囲だよ」
「だ、そうですけど?」
「確認できないのが残念だが、もう思い残す事はほとんど無いな」
杏奈は壁まで歩いて・・・
「来たれ、転生の扉」
杏奈の目の前に一つの扉が出現する。
「これを通ればいいのか?」
「はい。来世ではがんばってください」
「はは! どうだろうな」
優斗は扉を通って消えた。
「ディー」
「今度はなに?」
「優しさって、何でしょう?」
「さぁ、僕には分からないよ」
「そうですよね。優しさって人それぞれです物ね」
さて、次はどんな髪型にしようかな?
そんなことを考える杏奈だった。
青年が目覚めるとそこには髪を三つ編みにした少女とぐったりした黒猫が一匹・・・
「すいません!」
「?」
少女は深々と頭を下げた。青年は最初は何のことか分からないと言わんばかりに頭をひねって・・・
「あ! てめー!」
殴りかかる!
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
っが! 少女は目をぎゅっとつむって動かない。
振り上げた手を下ろす青年・・・
「・・・・・・殴らないのですか?」
「無抵抗な少女を殴るような趣味はねぇよ・・・」
そっぽを向く青年をよそに少女はこほん! っと咳払いをして・・・
「始めまして。ここはあなたに救いを与える場所です。 自己紹介が遅れましたね。私は白猫杏奈、ここの管理人です」
「僕の名前はディクショナリー。長いからディーと呼べ」
「お兄さんの名前を教えてくれませんか?」
「・・・」
完璧な黙秘だった。
「名前を教えてくれませんか? 優しいお兄さん」
はぁ・・・っと青年は一つ嘆息してから自己紹介をした。
「名前は藍蘭優斗(あいらんゆうと)名前に<優しい>の文字はあるが別に優しくもない不登校の不良少年だ」
「そうですか? 私は優しいと思いますよ?」
「アンナ? 目でも腐ったんじゃないの?」
「ディーは黙っててください」
「お前・・・さっきの性格の悪さが嘘みたいだな。二度とあの状態にはならないようにしたほうが・・・」
そこまで言って優斗は妙にニヤニヤした杏奈の視線に気づき・・・
「喧嘩売ってんのか?」
どすの利いた声で杏奈に脅しを入れるが杏奈は動じなかった。
「・・・お前、怖くないのか?」
「だって優斗さんは無抵抗な少女を殴る趣味は無いのでしょう?」
「っち!」
その舌打ちも杏奈にはなんの効果も無かった。
「っで? ここは救いを与えるだかどうだか言ってたけど・・・ここは結局どう言う場所なんだ?」
「はい。いろいろと説明が長くなりますが全部聞いてください」
「・・・・・・はぁ」
心底嫌そうにため息をする青年・・・
説明中
「・・・・・・ふ」
説明が終わり。優斗が最初に言った言葉は・・・
「死んだぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ!!?」
「・・・そのリアクション流行ってるんですか?」
「しらねぇよ! って事はあれか? あの鎌を持った集団は死神か!? 俺三人ぐらいぶっ飛ばしたんだけど・・・」
「すごいですね・・・死神も一応名前に神が入りますから。それを倒すなんて、非常識すぎます」
「結構手こずった」
「なるほど・・・あなたが来る前にあった開き時間の謎が解けましたねディー」
「ああ、僕も驚くしかないな・・・」
「お前らの説明だとある程度なら俺の願いをかなえることが出来るのか?」
「はい」
「そうか・・・」
そして神妙な顔で悩み始めた優斗・・・そして妙に赤くなった顔で杏奈に頼んだ。
「・・・・・・俺が死ぬ前に助けたがきは無事なのか調べてくれ」
「分かりました。お願いしますディー」
ディーの瞳孔が収縮して元に戻る。同時に杏奈の手に何枚かの書類が現れた。
「・・・はい、大丈夫です。あなたが助けた男の子は無事です」
「そうか・・・」
「それにしても優斗さんは面白いですね」
「?」
「不良に絡まれていたクラスメイトを助けるために不良の集団を一人で撃退したのはいいけどなぜか自分が勘違いで逮捕されて学校を一週間停学、それから助けたクラスメイトの発言で撤回されたのにそれから恥ずかしくて学校に行けなかったなんて」
「なぁぁ!」
かぁぁぁ! っと言う擬音が似合うほど赤面する優斗、気にせず続ける杏奈。
「他にもありますね。帰り道で見つけた猫を川に落として遊んでいた小学生たちを川に突き落としたり。近隣の迷惑も考えずに全力で花火を楽しむ集団に大量の水をかけたり・・・あ! これ面白いですね」
「お願いします! もうやめてください! お願いします」
全力で頭を下げる優斗。しかし、杏奈は止まらない。
「酔っ払って女性に絡む男性を追い払ったのに警察に捕まりかけたり。このネタ多いですね! しまいには・・・」
杏奈は一泊空けて・・・
「転がっていくボールを追いかけて車に轢かれそうになった少年の身代わりになるなんて」
「・・・・・・」
「やっぱり優斗さんは優しい人ですね。少し不器用なのが残念ですが」
優斗はあきらめたような表情をすると耳につけた安全ピンを取って捨てた。他にも、不良っぽい要素の原因となっている物を取り払っていく。
不良っぽい要素が少し抜けただけで優斗は一瞬で優しそうな青年に早代わりした。
「優しくなんかねぇよ。ただバカなだけだ」
「でも、私はあなたみたいな人は好きですよ?」
「・・・そうか。じゃあ、俺が思い残した事は母親の事だけだ。どうにかできるか?」
「どうですかディー?」
「確認を取るまでも無く大丈夫な範囲だよ」
「だ、そうですけど?」
「確認できないのが残念だが、もう思い残す事はほとんど無いな」
杏奈は壁まで歩いて・・・
「来たれ、転生の扉」
杏奈の目の前に一つの扉が出現する。
「これを通ればいいのか?」
「はい。来世ではがんばってください」
「はは! どうだろうな」
優斗は扉を通って消えた。
「ディー」
「今度はなに?」
「優しさって、何でしょう?」
「さぁ、僕には分からないよ」
「そうですよね。優しさって人それぞれです物ね」
さて、次はどんな髪型にしようかな?
そんなことを考える杏奈だった。
後書き
作者:総 誉 |
投稿日:2010/11/23 21:43 更新日:2010/11/23 21:43 『もう未練はありませんか?』の著作権は、すべて作者 総 誉様に属します。 |
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