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作品ID:724
「生まれ果てるは理のキマリ」へ

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生まれ果てるは理のキマリ

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


壱話 クスクス…

前の話 目次 次の話







「やあ」



「え…?」



 あたしは、何故か突然意識がなくなった。さっきまで、冷たくて、暗くなっていく感覚があったのに。

「こんにちわ…かしらね? 貴女、死んだわ」

「…!?」



 あたしを囲むように、後ろにも誰かいた。誰だろう、姿が見えない。そうして、ようやく自分が倒れていることに気付く。



「誰!」



 鋭い声を上げられたことに驚いた。だって、あたしは喉を――



「そう。キミは喉を切られて死んだ。正確には、死にに行く所だけどね」

「だから誰なの!?」



 周りは真っ白。何もない。夢の中みたい。何処にいる? 誰があたしに声を掛けた。立ち上がって回りに叫ぶ。



「誰よ! あたしは、死んでない! まだ生きてる! 生きてるわ!」

「だからキミの魂だけこちらに来てもらった。現実のキミは死んでいるよ。魂の抜けた体は死ぬからね」



 何の話をしている? どうやら、あたしは奇跡的に助かった…訳じゃないみたい。ここはどこ? こいつらは何者?姿が見えないし。



「ここは…そうだね。夢幻、とでも言っておこう。夢、幻の類さ。そして俺達はそこの住人」

「何の話?」

「キミの疑問に対する解さ。満足されたか?」

「するわけないでしょ! 早くあたしを元に戻して!」

「いいの?」



 クスクスと笑い声。気味が悪い。なんだろう…この背筋に走る悪寒。



「現実に帰ったら貴女今度こそ死ぬわよ?」



 それは面白がっている。あたしが混乱しているのを、面白がっている。何だかムカついてきた。



「…あたしに何のよう!?」

「聞きたいことが一点だけ。キミ、死にたくない?」

「はぁ?」



 何を当たり前のことを言ってるのだ? 死にたくない、当たり前だ。



「当然でしょ!」

「……やはり、彼女は死にたくないようね。私からすれば、もう助からないと思いますけど」

「!」



 助からない? あたしが…? そんな、はずは…。



「ここに来る前に、寒かったでしょう? 暗かったでしょう? あれが『死』。概念的な『死』ではなく、生物が終わる時に迎えるもの。本当の意味で、全ての生き物に訪れるもの。例外はありません。速いか遅いか、それだけ」



 淡々と言うその声に、あたしは妙に納得した。何でか、それを何回も見ているような、説得力がある。



「まあ、死に急ぎたいならどうぞ? もう少しお話を聞きたかったけど、それは別の人にしようかしら…。いい?」

「ああ。俺は満足だ」



 視点が、おかしくなった。



「――――」



 声が出ない!? 体の感覚が、ない。あたし、いるよね? 今ここに。いるんだよね!?



「夢の中に存在を求めちゃ駄目だな。キミはもう一回死んできて」



 無慈悲な声が、最後の聞いたものだった――

後書き


作者:Free Space
投稿日:2011/05/22 14:19
更新日:2011/05/22 14:21
『生まれ果てるは理のキマリ』の著作権は、すべて作者 Free Space様に属します。

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作品ID:724
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