作品ID:767
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もう未練はありませんか?
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
心眼少女の未練
前の話 | 目次 | 次の話 |
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
沈黙が場を支配する部屋で一人の少女が一方的に少女をにらみつけている。
にらみつけている方の少女は名を安奈と言いにらみつけられている方は幾何学的な紋章が書かれた布で目隠しをしていて、名は奏
安奈は重心を低く落とし、右の拳をきつく握り左手でその握った拳を包むように添えている。さらにその表情はとても険しく、背後からオーラが立ち上って見えそうなほどの殺気(?)を放っていた。
一方、奏の方はいたって自然体で、右こぶしを前に出して硬直している。
「ふぅ・・・準備はいいですか?」
「いつでも」
短いやり取りが終わり。安奈は重心をさらに深く落とし、右こぶしにさらに力を込めて後ろに下げ・・・息を深く吸う。奏は前に出した拳を上に上げ、安奈とは対照的に軽く息を吸い込んで・・・。
「最初はグー、じゃんけんぽん」
「最初はグーー! じゃぁんけぇんぽぉぉぉぉぉぉぉん!!!」
ひねりを加えながら前へと繰り出された安奈の拳と縦から振り下ろされた奏の拳、安奈の手はグーに握られたままで、奏の手は指がすべて開かれている・・・いわばパーの状態だった。
「勝者・・・・・・奏」
二人の間に居た黒猫・・・ディクショナリーことディーが厳かに勝者の名を告げた。
「また・・・負け・・・た・・・・・・」
信じられないという風に目を見開きながら自らの拳を見ながら力なく膝から崩れ落ちて膝をつく安奈・・・。
「通算27連敗おめでとう」
跪いて落ち込んでいる安奈にディーは慰めか追い打ちかわからない言葉と共に肩を叩いた。
その様子を見守っていた奏はどこか気まずそうに頬を掻きながら目をそらした。
「ふっ・・・余裕ですね・・・次こそは・・・次こそは・・・!」
「いい加減あきらめたらどうだいアンナ?」
「いいえ! あきらめません! 私はこの手に勝利を掴むまでは!」
再び闘志を燃やしながら勢いよく立ち上がるフェニックス安奈を尻目にディーと奏の間ではアイコンタクトによる意思疎通が図られていた。
『アンナはまだやる気みたいだけど・・・どうするんだい?』
『好きにさせたら良いと思うわ・・・・・・負ければそこまでなんでしょうけど、負ける気は毛頭ないの』
『ずいぶんと幼稚な根競べだね・・・』
アイコンタクトは終了し、再び向き合う安奈と奏・・・最初はグーの合図からスタートして・・・
安奈の手元には敗北の二文字とへし折れた心が残った。
「思い返せば不毛なことこの上ないね」
「そんなことはありません・・・」
ディーの皮肉を含んだ言葉に安奈は涙目になりながら反論した。
「でも、これで信じていただけるのなら安い・・・とも言い辛いですね」
奏は見るからに疲れ切っていた・・・あの後結局安奈は通算126連敗を記録したのだ・・・ぶっ続けで126回もじゃんけんを続けて疲れない人間はいないだろう。
「すいませんでした奏さん・・・すっかり我を見失ってました」
「アンナのじゃんけんに負けて復活する時の笑えるセリフ集をピックアッ「しなくていいです!」・・・残念だ」
こほん! っと、咳払いをして場を仕切りなおす安奈
「それで? 奏さんの未練はなんなんですか?」
「ん?・・・」
首をかしげて人差し指を頬に当てて考え始めた。そして放たれた一言は・・・
「・・・無いかも知れない」
「「ええぇぇぇぇぇぇええええええええええええええ!?」」
奏の口から出た言葉に・・・ディーと安奈はただ驚きを隠そうとさえしなかった。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
沈黙が場を支配する部屋で一人の少女が一方的に少女をにらみつけている。
にらみつけている方の少女は名を安奈と言いにらみつけられている方は幾何学的な紋章が書かれた布で目隠しをしていて、名は奏
安奈は重心を低く落とし、右の拳をきつく握り左手でその握った拳を包むように添えている。さらにその表情はとても険しく、背後からオーラが立ち上って見えそうなほどの殺気(?)を放っていた。
一方、奏の方はいたって自然体で、右こぶしを前に出して硬直している。
「ふぅ・・・準備はいいですか?」
「いつでも」
短いやり取りが終わり。安奈は重心をさらに深く落とし、右こぶしにさらに力を込めて後ろに下げ・・・息を深く吸う。奏は前に出した拳を上に上げ、安奈とは対照的に軽く息を吸い込んで・・・。
「最初はグー、じゃんけんぽん」
「最初はグーー! じゃぁんけぇんぽぉぉぉぉぉぉぉん!!!」
ひねりを加えながら前へと繰り出された安奈の拳と縦から振り下ろされた奏の拳、安奈の手はグーに握られたままで、奏の手は指がすべて開かれている・・・いわばパーの状態だった。
「勝者・・・・・・奏」
二人の間に居た黒猫・・・ディクショナリーことディーが厳かに勝者の名を告げた。
「また・・・負け・・・た・・・・・・」
信じられないという風に目を見開きながら自らの拳を見ながら力なく膝から崩れ落ちて膝をつく安奈・・・。
「通算27連敗おめでとう」
跪いて落ち込んでいる安奈にディーは慰めか追い打ちかわからない言葉と共に肩を叩いた。
その様子を見守っていた奏はどこか気まずそうに頬を掻きながら目をそらした。
「ふっ・・・余裕ですね・・・次こそは・・・次こそは・・・!」
「いい加減あきらめたらどうだいアンナ?」
「いいえ! あきらめません! 私はこの手に勝利を掴むまでは!」
再び闘志を燃やしながら勢いよく立ち上がるフェニックス安奈を尻目にディーと奏の間ではアイコンタクトによる意思疎通が図られていた。
『アンナはまだやる気みたいだけど・・・どうするんだい?』
『好きにさせたら良いと思うわ・・・・・・負ければそこまでなんでしょうけど、負ける気は毛頭ないの』
『ずいぶんと幼稚な根競べだね・・・』
アイコンタクトは終了し、再び向き合う安奈と奏・・・最初はグーの合図からスタートして・・・
安奈の手元には敗北の二文字とへし折れた心が残った。
「思い返せば不毛なことこの上ないね」
「そんなことはありません・・・」
ディーの皮肉を含んだ言葉に安奈は涙目になりながら反論した。
「でも、これで信じていただけるのなら安い・・・とも言い辛いですね」
奏は見るからに疲れ切っていた・・・あの後結局安奈は通算126連敗を記録したのだ・・・ぶっ続けで126回もじゃんけんを続けて疲れない人間はいないだろう。
「すいませんでした奏さん・・・すっかり我を見失ってました」
「アンナのじゃんけんに負けて復活する時の笑えるセリフ集をピックアッ「しなくていいです!」・・・残念だ」
こほん! っと、咳払いをして場を仕切りなおす安奈
「それで? 奏さんの未練はなんなんですか?」
「ん?・・・」
首をかしげて人差し指を頬に当てて考え始めた。そして放たれた一言は・・・
「・・・無いかも知れない」
「「ええぇぇぇぇぇぇええええええええええええええ!?」」
奏の口から出た言葉に・・・ディーと安奈はただ驚きを隠そうとさえしなかった。
後書き
作者:総 誉 |
投稿日:2011/06/13 21:59 更新日:2011/06/13 21:59 『もう未練はありませんか?』の著作権は、すべて作者 総 誉様に属します。 |
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