作品ID:98
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「炎に従う〈はずの〉召喚獣」を読み始めました。
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炎に従う〈はずの〉召喚獣
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
願い+力=無限大
前の話 | 目次 | 次の話 |
フェクトタクティスvsキュリスタクティスというポジションの中、フェクトはキュリスに問い掛けていた。
「なぁ。キュリス。この状態、どうするんだ?」
不満げに問い掛けるフェクトの顔は何故かキュリスの顔になっていた。
「……私の予想ではそんなに長くはないと思うわ」
またキュリスの顔も声もフェクトのものだった。
実はこの二人。入れ替わりというのを実際に体験している最中であった。
「長くはないけれど短くもないか……それが意外と精神的にまいるんだけどな」
キュリスと口喧嘩を止め、歩き出すフェクトはキュリスに言う。
「……俺はとりあえずネオを探すけど……キュリスは?」
「私はここに居るわ。もしかしたらあの脅迫状自体が何かしらのトラップで私たち、まぁフェクトが居ないときにこの家を襲撃というパターンもあるかもしれないから」
「じゃ、行ってくるけどもしネオが帰ってきたりしたら保護しておいて」
「了解。あ。でも私、ネオていう子の顔知らないんだけど」
「え」
「私、会ったことないのよ?。実は。他の召喚獣が『フェクトには子供が居るんだー!』とか言って騒いでたし」
「マジで?」
「大マジです。さっさと探してきなさいよ」
「……分かった」
「まー気楽に行きなさい。あんまり気を張り詰めているといいアイディアも浮かばないというものよ」
その言葉はフェクトの耳に入ったかどうかは分からない。
だがこの言葉はフェクトの未来を見透かしたような言葉でもあった。
街にて。
「ここ、どこー!?」
色々な店が建ち並ぶ、いわゆる商店街。其処に。
桐生ネオは居た。
泣き顔のネオは誘拐されたと気づいていないご様子。
それもそうだ。
いきなり肩を捕まれたと思ったらトラックに乗せられここまでつれてこられたのだから。
でも普通とは違うのは。
「ここどこ!」
あっちこっちに炎が点在し、尚且つ……天候が一時間ごとに変わることだ。
この街では一体の召喚獣を召喚し、その力によってこの現象を生み出している。
だがそれを幼いネオが察知できるはずもなく……。
ネオは泣き続けていた。
その頃、ネオの家・湖ではフェクト……いやフェクトの姿をしたキュリスが溜息をついていた。
「御免ね。フェクト。実はあのトラップ……私が仕掛けたんだ」
フェクトがキュリスと入れ替わるトラップ。それはキュリス本人が仕掛けたもの。
「でもそうでもしないと私、フェクトの気持ち分からない」
キュリスは昔から周りを気遣い、常にその心情を知りたいと願っている。
だからその願いが強ければ強いほどキュリスの力は倍増する。
つまりキュリスの力の根源にあるものは「願い」なのだ。
人を助けたいと願う。人を救いたいと願う。とある人を心から殺したいと願う。人を心から愛したいと願う。
そんな「願い」がキュリスの力になる。
だから昔から大好きなフェクトの力になりたい。
だから昔から大好きなフェクトを想う。
それがそれらがキュリスの力となるのだから。
「……御免ね」
湖の前でただ泣き続ける少女がいた。
たとえ姿が男性だとしても水面にはキュリスタクティスという少女の姿が映っていた。
……ただただ泣いて泣き続けて。
次、顔を上げたときは確かな想いを携えた顔になっていると信じて。
「さて。ひとつ分かったところで……」
自分の想いは分かった。後はフェクトに内緒で捜査を開始するのみ。
実はこのキュリス。事前にとある情報をキャッチしていた。
「私を召喚した人間を殺すなんて許せない」
キュリスを召喚した人物を殺した、という内容だった。
と同時にフェクトを召喚した人物も殺したという情報まで入ってきた。
フェクトには言ってはいないが、フェクトが向かった先にはネオとそして二人の召喚獣を召喚した人物を殺した奴が居る。
……フェクトは分かってない。
自分たちがどれだけ周りから恐怖の対象として見られているか。
そして自分たちのこの力が人間を遠ざけている事。
正直な話、召喚獣を召喚するということ自体がまず稀なのだ。
召喚獣など名ばかり。実際はただの力を持て余した獣。飢えた獣でしかない。
そんな獣を恐れ、殺そうとする者たちが居る。
だが召喚獣は召喚したものを倒さなければ消滅しない。
極稀にそのまま居続ける召喚獣も居るがそれはイレギュラーとして扱われるので召喚獣という部類には入らない。
そんな召喚獣は実際はとても人間よりも人間らしいものたちばかりで。
そんなものたちばかりの頃はもうない……。
「だから、私たちが居るのに」
キュリスは湖を離れる。
この家の湖は大好きだ。まるで濁りを知らない水みたいで。
この湖と一時でも離れるのは嫌だったがそんな甘い考えは打ち消した。
また来ればいい。
だがそのまた、がキュリスに訪れるかはこの時点ではまだ不明。
でもそれでもいいとキュリスは考え直す。
……召喚獣は不滅。
いかなるものにもこの存在は消せはしない。
主人を失った召喚獣は新たな主人を見つける。
だから不滅なのだ。
願いは生まれ続ける。
力もまた同様。
願いと力が合わさればそれは無限大。
「なぁ。キュリス。この状態、どうするんだ?」
不満げに問い掛けるフェクトの顔は何故かキュリスの顔になっていた。
「……私の予想ではそんなに長くはないと思うわ」
またキュリスの顔も声もフェクトのものだった。
実はこの二人。入れ替わりというのを実際に体験している最中であった。
「長くはないけれど短くもないか……それが意外と精神的にまいるんだけどな」
キュリスと口喧嘩を止め、歩き出すフェクトはキュリスに言う。
「……俺はとりあえずネオを探すけど……キュリスは?」
「私はここに居るわ。もしかしたらあの脅迫状自体が何かしらのトラップで私たち、まぁフェクトが居ないときにこの家を襲撃というパターンもあるかもしれないから」
「じゃ、行ってくるけどもしネオが帰ってきたりしたら保護しておいて」
「了解。あ。でも私、ネオていう子の顔知らないんだけど」
「え」
「私、会ったことないのよ?。実は。他の召喚獣が『フェクトには子供が居るんだー!』とか言って騒いでたし」
「マジで?」
「大マジです。さっさと探してきなさいよ」
「……分かった」
「まー気楽に行きなさい。あんまり気を張り詰めているといいアイディアも浮かばないというものよ」
その言葉はフェクトの耳に入ったかどうかは分からない。
だがこの言葉はフェクトの未来を見透かしたような言葉でもあった。
街にて。
「ここ、どこー!?」
色々な店が建ち並ぶ、いわゆる商店街。其処に。
桐生ネオは居た。
泣き顔のネオは誘拐されたと気づいていないご様子。
それもそうだ。
いきなり肩を捕まれたと思ったらトラックに乗せられここまでつれてこられたのだから。
でも普通とは違うのは。
「ここどこ!」
あっちこっちに炎が点在し、尚且つ……天候が一時間ごとに変わることだ。
この街では一体の召喚獣を召喚し、その力によってこの現象を生み出している。
だがそれを幼いネオが察知できるはずもなく……。
ネオは泣き続けていた。
その頃、ネオの家・湖ではフェクト……いやフェクトの姿をしたキュリスが溜息をついていた。
「御免ね。フェクト。実はあのトラップ……私が仕掛けたんだ」
フェクトがキュリスと入れ替わるトラップ。それはキュリス本人が仕掛けたもの。
「でもそうでもしないと私、フェクトの気持ち分からない」
キュリスは昔から周りを気遣い、常にその心情を知りたいと願っている。
だからその願いが強ければ強いほどキュリスの力は倍増する。
つまりキュリスの力の根源にあるものは「願い」なのだ。
人を助けたいと願う。人を救いたいと願う。とある人を心から殺したいと願う。人を心から愛したいと願う。
そんな「願い」がキュリスの力になる。
だから昔から大好きなフェクトの力になりたい。
だから昔から大好きなフェクトを想う。
それがそれらがキュリスの力となるのだから。
「……御免ね」
湖の前でただ泣き続ける少女がいた。
たとえ姿が男性だとしても水面にはキュリスタクティスという少女の姿が映っていた。
……ただただ泣いて泣き続けて。
次、顔を上げたときは確かな想いを携えた顔になっていると信じて。
「さて。ひとつ分かったところで……」
自分の想いは分かった。後はフェクトに内緒で捜査を開始するのみ。
実はこのキュリス。事前にとある情報をキャッチしていた。
「私を召喚した人間を殺すなんて許せない」
キュリスを召喚した人物を殺した、という内容だった。
と同時にフェクトを召喚した人物も殺したという情報まで入ってきた。
フェクトには言ってはいないが、フェクトが向かった先にはネオとそして二人の召喚獣を召喚した人物を殺した奴が居る。
……フェクトは分かってない。
自分たちがどれだけ周りから恐怖の対象として見られているか。
そして自分たちのこの力が人間を遠ざけている事。
正直な話、召喚獣を召喚するということ自体がまず稀なのだ。
召喚獣など名ばかり。実際はただの力を持て余した獣。飢えた獣でしかない。
そんな獣を恐れ、殺そうとする者たちが居る。
だが召喚獣は召喚したものを倒さなければ消滅しない。
極稀にそのまま居続ける召喚獣も居るがそれはイレギュラーとして扱われるので召喚獣という部類には入らない。
そんな召喚獣は実際はとても人間よりも人間らしいものたちばかりで。
そんなものたちばかりの頃はもうない……。
「だから、私たちが居るのに」
キュリスは湖を離れる。
この家の湖は大好きだ。まるで濁りを知らない水みたいで。
この湖と一時でも離れるのは嫌だったがそんな甘い考えは打ち消した。
また来ればいい。
だがそのまた、がキュリスに訪れるかはこの時点ではまだ不明。
でもそれでもいいとキュリスは考え直す。
……召喚獣は不滅。
いかなるものにもこの存在は消せはしない。
主人を失った召喚獣は新たな主人を見つける。
だから不滅なのだ。
願いは生まれ続ける。
力もまた同様。
願いと力が合わさればそれは無限大。
後書き
作者:フェクト |
投稿日:2009/12/24 12:02 更新日:2009/12/24 12:02 『炎に従う〈はずの〉召喚獣』の著作権は、すべて作者 フェクト様に属します。 |
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