作品ID:1003
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■ある住民
バナナ王国
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中
前書き・紹介
4、その後
前の話 | 目次 |
空からは何事もなかったようにバナナの形をした雪の結晶が延々と降り注いでいた。
バナナ王国の総力を結集してバナ子を捜索したが、結局バナ子は見つかることなく次の朝を迎えてしまった。
私が自室で悲壮に暮れていると、ドタドタとした足音が遠くから聞こえドアの前で音が消えると、次に耳をつんざく様なドアのノックがやかましく鳴り響いた。
「バナ王! バナ王!」
ドアの外から聞こえる声は家政婦の声だ。なにやら緊迫した様子なので、私はバナ子が見つかったのかと思い勢い良くバナナの形をしたドアを開ける。
「どうした? バナ子が見つかったのか?」
私は声を張り上げて家政婦に問い詰める。
しかし、家政婦は顔を少し落とし「いえ」と申し訳なさそうに言った後「これがバナナポストに入っていました」と私にスッと黄色い封筒を差し出した。
封筒の表には『バナ子は預かった』と書かれていて、日付は今日の日付になっていた。
私は封筒を急いで開け、中を見る。中には白い紙が入っていた。
紙を取り出し、紙に書かれていた文面に目を走らせる。
『バナ子は預かった。俺はこの王国が建てられる前にこの土地に昔から住んでいた妖怪だ。追い出されて他の土地を転々としていた。今まではしょうがないと思っていたが気が変わった。俺はやはりこの土地が好きだということに気づいたのだ。なのでこのバナナ王国のある土地をかけて勝負しようじゃないか。聞く所によると今のバナ王は歴代でも最高の戦士らしいではないか。俺が勝てばバナナ王国の土地は俺のものだ。バナ王が勝てば俺はバナナ王国の土地を諦める。バナ子はどちらが勝とうが負けようが帰す。ただし、勝負を受けなかった場合はバナ子の命の保証はできない。勝負は明後日12時、場所はバナナコロシアムで行う。武器は何を持参しても良い、以上だ』
私は読み終わるとその紙を手でグシャと握り潰した。
決闘当日の朝。私はバナナ王国にある秘密のドアを開け、地下室へと降りて行った。
「まさか、ここへ来ることへなろうとは」
私は神妙な面持ちで薄暗い階段をランタンを片手に持ち淡々と降りて行く。
877段ある階段を降りると目の前には巨大な鋼鉄で出来た扉が現れた。
私はポケットからその頑丈な扉の鍵を取り出し扉に刺し、扉を開ける。
開けた途端、眩い光が私の目に飛び込んで来た。
「伝説の武器。まさか使う日が来ることになろうとは……」
私の体のいたる所から汗が吹き出し、鼓動が狂ったように脈打ち始める。
呼吸を落ち着かせながら、伝説の武器にゆっくり近づき、慎重に武器を手に取る。
手にした瞬間、体中から力が溢れてくるようで、私は知らず知らずの内に咆哮を上げていた。
時刻は11時30分。
私はバナナ自動車でバナナコロシアム入り口までやって来た。
車から降り、力強く大地を踏みしめる。
途端、大音響が響き渡る。
すぐに私はそれがバナナコロシアム内から聞こえてきたのだと気づく。
「馬鹿な。この決闘を知る者はほとんどいないはず……」
まさか、妖怪がこの決闘を国民にばらしたのか。
苦虫を噛み潰した様な顔をして私はバナナコロシアムの入り口をくぐる。
バナナコロシアム、この場所は年に一度、強者達が集い戦う武術会が開かれる。
この武術会は王国建設当初からあり、伝統あるものだ。
そして優勝者には名誉と一生遊んで暮らせるだけの莫大な金を手にすることができる。
武器に制限はほとんどない。バナナコロシアム内の内壁には色々な種類のバナナの木が壁に沿って埋めてあり、そのどのバナナを武器として使っても良い。
競技場へ向かう廊下を歩いていると、緊張感とは裏腹に、バナナの甘ったるい香りが鼻腔を刺激する。
私が競技場に姿を現すと、割れんばかりの大声援が起こる。
敵の姿を探すが姿は見えない。
その時、バナナコロシアムの観客が一斉に空を見上げた。
私も空を見上げると飛行機が飛んでいて、その後飛行機から何かが落ちてくるのが目視できた。
しばらくすると、パラシュートが開きこの競技場へ向かって来るのが分かった。
妖怪だ。体には木箱の様な物がくくりつけられている。
静かに降り立った妖怪は、体からパラシュートと木箱を切り離す。
木箱の隙間から目が見え、すぐに叫び声が聞こえた。
「バナ王! バナ王! 私よ、バナ子よ。早く助けて」
「今助けるから、少し待っててくれ」
私はバナ子にそう言い、妖怪に向き直る。
「車で誘拐するやら、飛行機から降りてくるやら変な妖怪だな」
私がそう言うと、妖怪は鋭い牙が生えている大きな口をバナナの様に曲げ薄く笑った。
私は妖怪をさっと上から下まで一瞥する。
髪は黄色でボサボサ、顔の大きさは一般的な成人男性の3倍はあるだろう。筋肉はまるでマウンテンゴリラ、服は上半身裸で胸毛が見えている。短パン一丁、鋭い牙と鋭い両手足の爪、身長はあるのだろうが猫背になっているので、私とそんなに大差はなく見える。
開始まで後1分。私は背中の鞘から伝説の武器を微かな音を立て抜いた。
私が伝説の武器を抜くとゲッヘッヘッという下卑た笑い声が聞こえてきた。
「何だ、何がおかしい」
私が聞くと妖怪は愉快そうに言った。
「バナナ王国に伝わる伝説の武器【黒光りバナナソード】。やはりあったか」
「ほう、この武器を知っているとはな。この武器は秘境で見つけた1mあるバナナの中身をオリハルコンでコーティングして磨き上げたソードだ。鋼鉄だっていとも簡単に切ることができる」
「面白い、どっちが強いかケリをつけようじゃないか」
妖怪が言ったと同時に12時を告げる鐘がバナナコロシアムで鳴った。
先手必勝、私は鐘と同時に妖怪に向かって行き剣を振り下ろす。しかし妖怪はぎりぎり避ける。続けざまに剣を2、3度振るがまたしてもぎりぎりの所で当たらない。スピードは妖怪の方が僅かに上か。
妖怪は【黒光りバナナソード】を警戒しているらしくなかなか攻撃してこようとしない。これでは埒があかない。
私はバナナコロシアムの内壁に沿って植えられている様々なバナナの木を見回した。そして目的の武器を発見した。バナナブーメランとバナナ銃だ。
バナナブーメランはバナナの先端が鋭くなっていてブーメランのように戻ってくる。バナナ銃はバナナの皮を剥くと中の米粒ほどの大きさのバナナの種が勢い良く前に飛び出す銃のようなバナナだ。どちらもなかなかの威力を誇る。
私はその2つの武器で妖怪を攻撃した。
流石の妖怪もこの2つの武器の攻撃に避けるのが精一杯といった所だ。徐々に焦りの色が見える。
私は妖怪がバランスを崩した所を逃さず【黒光りバナナソード】を妖怪の頭目掛けて振り下ろす。
ガキィィィン!!
金属がぶつかるような音がして、私は目を疑う。
「ば、馬鹿な」
妖怪が【黒光りバナナソード】を両手の爪で防いでいたのだ。
「フッ、ハッハッハッ。【黒光りバナナソード】の威力はこんなもんか。心配して損したぜ」
妖怪は高笑いして言った。
「じゃあ、今度はこっちの番だ」
妖怪はそう言って立ち上がった。
「くっ!」
私はバナナコロシアムの内壁周りに埋められている色々な武器を使うためにいったん妖怪から離れた。
硬いのは奴の爪だけのはず。奴の体や頭にヒットさせればなんとかなるはず。
私は競技場にある全てのバナナの武器を使い攻撃したが妖怪には通用しなかった。
万策尽きた私はなりふりかまわず妖怪に向かって行き、剣を横に振った。
しかし、妖怪は簡単に受け止める。
刹那――ピシピシピシと小さな音が響く。
見ると【黒光りバナナソード】の表面にひびが入っていた。
すぐにひびは剣全体に拡がり、オリハルコンがぽろぽろと地面に落ち、中身が剥きだしになった。
「そ、そんな」
私は声にならない声を呟いた。
「人間にしてはよくやったほうだぜ」
妖怪は呆然とする私に勝ち誇った笑みを浮かべ言う。
「じゃあ、そろそろ終わりにするとするか」
そう言うと妖怪は私にゆっくりと近づいてきて、腕を大きく振り上げる。
私は【黒光りバナナソード】の剥き出しになったバナナを一口食べた。
食べた瞬間、体の全細胞が活性化し、筋肉がボコボコと音を立てて肥大する。
「「バナナの極み」」
極限まで高められた私の手が妖怪の腹を鋭く貫いた。
「な、なんだと。何をした」
妖怪が口から血を滴らせながら言う。
「オリハルコンを割って油断したようだな。【黒光りバナナソード】の真の力はオリハルコンではない。中身のバナナの方にあったのだ。このバナナは食べると数秒間だけ、人間に秘められた潜在能力を最大限まで引き出すことが出来るバナナなのだ」
「そ、そんな……、そんなバナナ……」
妖怪は一言だけ言い地面に崩れ落ちた。
私は大歓声の中、バナ子を木箱から出した。
「ありがとう、バナ王」
バナ子は甘い瞳を浮かべ言った。
「すごい闘いだったわね。競技場のバナナの武器も全部使っちゃったし……」
「いや、まだ1つ残っているよ」
「えっ、どこに?」
私は視線を下に落とした。
「俺のバナナ『下ネタじゃねーか!!』」
バナ子のドロップキックが見事な角度で私に決まった。
バナナ王国の総力を結集してバナ子を捜索したが、結局バナ子は見つかることなく次の朝を迎えてしまった。
私が自室で悲壮に暮れていると、ドタドタとした足音が遠くから聞こえドアの前で音が消えると、次に耳をつんざく様なドアのノックがやかましく鳴り響いた。
「バナ王! バナ王!」
ドアの外から聞こえる声は家政婦の声だ。なにやら緊迫した様子なので、私はバナ子が見つかったのかと思い勢い良くバナナの形をしたドアを開ける。
「どうした? バナ子が見つかったのか?」
私は声を張り上げて家政婦に問い詰める。
しかし、家政婦は顔を少し落とし「いえ」と申し訳なさそうに言った後「これがバナナポストに入っていました」と私にスッと黄色い封筒を差し出した。
封筒の表には『バナ子は預かった』と書かれていて、日付は今日の日付になっていた。
私は封筒を急いで開け、中を見る。中には白い紙が入っていた。
紙を取り出し、紙に書かれていた文面に目を走らせる。
『バナ子は預かった。俺はこの王国が建てられる前にこの土地に昔から住んでいた妖怪だ。追い出されて他の土地を転々としていた。今まではしょうがないと思っていたが気が変わった。俺はやはりこの土地が好きだということに気づいたのだ。なのでこのバナナ王国のある土地をかけて勝負しようじゃないか。聞く所によると今のバナ王は歴代でも最高の戦士らしいではないか。俺が勝てばバナナ王国の土地は俺のものだ。バナ王が勝てば俺はバナナ王国の土地を諦める。バナ子はどちらが勝とうが負けようが帰す。ただし、勝負を受けなかった場合はバナ子の命の保証はできない。勝負は明後日12時、場所はバナナコロシアムで行う。武器は何を持参しても良い、以上だ』
私は読み終わるとその紙を手でグシャと握り潰した。
決闘当日の朝。私はバナナ王国にある秘密のドアを開け、地下室へと降りて行った。
「まさか、ここへ来ることへなろうとは」
私は神妙な面持ちで薄暗い階段をランタンを片手に持ち淡々と降りて行く。
877段ある階段を降りると目の前には巨大な鋼鉄で出来た扉が現れた。
私はポケットからその頑丈な扉の鍵を取り出し扉に刺し、扉を開ける。
開けた途端、眩い光が私の目に飛び込んで来た。
「伝説の武器。まさか使う日が来ることになろうとは……」
私の体のいたる所から汗が吹き出し、鼓動が狂ったように脈打ち始める。
呼吸を落ち着かせながら、伝説の武器にゆっくり近づき、慎重に武器を手に取る。
手にした瞬間、体中から力が溢れてくるようで、私は知らず知らずの内に咆哮を上げていた。
時刻は11時30分。
私はバナナ自動車でバナナコロシアム入り口までやって来た。
車から降り、力強く大地を踏みしめる。
途端、大音響が響き渡る。
すぐに私はそれがバナナコロシアム内から聞こえてきたのだと気づく。
「馬鹿な。この決闘を知る者はほとんどいないはず……」
まさか、妖怪がこの決闘を国民にばらしたのか。
苦虫を噛み潰した様な顔をして私はバナナコロシアムの入り口をくぐる。
バナナコロシアム、この場所は年に一度、強者達が集い戦う武術会が開かれる。
この武術会は王国建設当初からあり、伝統あるものだ。
そして優勝者には名誉と一生遊んで暮らせるだけの莫大な金を手にすることができる。
武器に制限はほとんどない。バナナコロシアム内の内壁には色々な種類のバナナの木が壁に沿って埋めてあり、そのどのバナナを武器として使っても良い。
競技場へ向かう廊下を歩いていると、緊張感とは裏腹に、バナナの甘ったるい香りが鼻腔を刺激する。
私が競技場に姿を現すと、割れんばかりの大声援が起こる。
敵の姿を探すが姿は見えない。
その時、バナナコロシアムの観客が一斉に空を見上げた。
私も空を見上げると飛行機が飛んでいて、その後飛行機から何かが落ちてくるのが目視できた。
しばらくすると、パラシュートが開きこの競技場へ向かって来るのが分かった。
妖怪だ。体には木箱の様な物がくくりつけられている。
静かに降り立った妖怪は、体からパラシュートと木箱を切り離す。
木箱の隙間から目が見え、すぐに叫び声が聞こえた。
「バナ王! バナ王! 私よ、バナ子よ。早く助けて」
「今助けるから、少し待っててくれ」
私はバナ子にそう言い、妖怪に向き直る。
「車で誘拐するやら、飛行機から降りてくるやら変な妖怪だな」
私がそう言うと、妖怪は鋭い牙が生えている大きな口をバナナの様に曲げ薄く笑った。
私は妖怪をさっと上から下まで一瞥する。
髪は黄色でボサボサ、顔の大きさは一般的な成人男性の3倍はあるだろう。筋肉はまるでマウンテンゴリラ、服は上半身裸で胸毛が見えている。短パン一丁、鋭い牙と鋭い両手足の爪、身長はあるのだろうが猫背になっているので、私とそんなに大差はなく見える。
開始まで後1分。私は背中の鞘から伝説の武器を微かな音を立て抜いた。
私が伝説の武器を抜くとゲッヘッヘッという下卑た笑い声が聞こえてきた。
「何だ、何がおかしい」
私が聞くと妖怪は愉快そうに言った。
「バナナ王国に伝わる伝説の武器【黒光りバナナソード】。やはりあったか」
「ほう、この武器を知っているとはな。この武器は秘境で見つけた1mあるバナナの中身をオリハルコンでコーティングして磨き上げたソードだ。鋼鉄だっていとも簡単に切ることができる」
「面白い、どっちが強いかケリをつけようじゃないか」
妖怪が言ったと同時に12時を告げる鐘がバナナコロシアムで鳴った。
先手必勝、私は鐘と同時に妖怪に向かって行き剣を振り下ろす。しかし妖怪はぎりぎり避ける。続けざまに剣を2、3度振るがまたしてもぎりぎりの所で当たらない。スピードは妖怪の方が僅かに上か。
妖怪は【黒光りバナナソード】を警戒しているらしくなかなか攻撃してこようとしない。これでは埒があかない。
私はバナナコロシアムの内壁に沿って植えられている様々なバナナの木を見回した。そして目的の武器を発見した。バナナブーメランとバナナ銃だ。
バナナブーメランはバナナの先端が鋭くなっていてブーメランのように戻ってくる。バナナ銃はバナナの皮を剥くと中の米粒ほどの大きさのバナナの種が勢い良く前に飛び出す銃のようなバナナだ。どちらもなかなかの威力を誇る。
私はその2つの武器で妖怪を攻撃した。
流石の妖怪もこの2つの武器の攻撃に避けるのが精一杯といった所だ。徐々に焦りの色が見える。
私は妖怪がバランスを崩した所を逃さず【黒光りバナナソード】を妖怪の頭目掛けて振り下ろす。
ガキィィィン!!
金属がぶつかるような音がして、私は目を疑う。
「ば、馬鹿な」
妖怪が【黒光りバナナソード】を両手の爪で防いでいたのだ。
「フッ、ハッハッハッ。【黒光りバナナソード】の威力はこんなもんか。心配して損したぜ」
妖怪は高笑いして言った。
「じゃあ、今度はこっちの番だ」
妖怪はそう言って立ち上がった。
「くっ!」
私はバナナコロシアムの内壁周りに埋められている色々な武器を使うためにいったん妖怪から離れた。
硬いのは奴の爪だけのはず。奴の体や頭にヒットさせればなんとかなるはず。
私は競技場にある全てのバナナの武器を使い攻撃したが妖怪には通用しなかった。
万策尽きた私はなりふりかまわず妖怪に向かって行き、剣を横に振った。
しかし、妖怪は簡単に受け止める。
刹那――ピシピシピシと小さな音が響く。
見ると【黒光りバナナソード】の表面にひびが入っていた。
すぐにひびは剣全体に拡がり、オリハルコンがぽろぽろと地面に落ち、中身が剥きだしになった。
「そ、そんな」
私は声にならない声を呟いた。
「人間にしてはよくやったほうだぜ」
妖怪は呆然とする私に勝ち誇った笑みを浮かべ言う。
「じゃあ、そろそろ終わりにするとするか」
そう言うと妖怪は私にゆっくりと近づいてきて、腕を大きく振り上げる。
私は【黒光りバナナソード】の剥き出しになったバナナを一口食べた。
食べた瞬間、体の全細胞が活性化し、筋肉がボコボコと音を立てて肥大する。
「「バナナの極み」」
極限まで高められた私の手が妖怪の腹を鋭く貫いた。
「な、なんだと。何をした」
妖怪が口から血を滴らせながら言う。
「オリハルコンを割って油断したようだな。【黒光りバナナソード】の真の力はオリハルコンではない。中身のバナナの方にあったのだ。このバナナは食べると数秒間だけ、人間に秘められた潜在能力を最大限まで引き出すことが出来るバナナなのだ」
「そ、そんな……、そんなバナナ……」
妖怪は一言だけ言い地面に崩れ落ちた。
私は大歓声の中、バナ子を木箱から出した。
「ありがとう、バナ王」
バナ子は甘い瞳を浮かべ言った。
「すごい闘いだったわね。競技場のバナナの武器も全部使っちゃったし……」
「いや、まだ1つ残っているよ」
「えっ、どこに?」
私は視線を下に落とした。
「俺のバナナ『下ネタじゃねーか!!』」
バナ子のドロップキックが見事な角度で私に決まった。
後書き
作者:ラビリンスコーヒーLv1 |
投稿日:2012/05/04 23:16 更新日:2012/05/04 23:16 『バナナ王国』の著作権は、すべて作者 ラビリンスコーヒーLv1様に属します。 |
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