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Verdecken Reich
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前書き・紹介
第1章 第3節 亡霊との闘い・ラウンド2
前の話 | 目次 | 次の話 |
1
その後、一行は2階の奥のほうに3階へと続く階段を見つけ、ついに3階へと足を踏み入れた。3階に上がった瞬間、理佳はこれまでとは何かが違う不穏な気配を感じ、3人にそれを知らせる。
「そうですか。では、この階は用心した方がいいですね」
識海の言葉に一同がうなずき、そして一番近い部屋から探索を始めようとする。
「部屋に入る時は私が扉を開ける。みんなは後に続いてくれ」
そう言い、そして3階の最初の部屋の扉を開けたとき・・・。
「っ!! やああああああああ!!!」
扉を開けたと同時に、瑛真めがけて椅子がかなりの速度で飛んできた。しかし、瑛真はすぐに反応し、竹刀をふるって椅子を両断した。
「よし、中に入って調査を進めよう。みんな、何が起こるか分からないから気をつけろ!」
「分かりました!」
先陣切った瑛真に続いて残りの3人も部屋の中へと入った。それから、部屋の家具に注意しつつ中の様子を探った。
「しかし、いきなり椅子が飛んでくるなんてな。亡霊とかいうのもついに本気になったようだな」
瑛真がそう言った直後、今度は机が動き出し、理佳と識海めがけて勢いよくつっこんでくる。しかし、瑛真と蓬が瞬時にその間に割り込み、せまってくる机を竹刀と蹴りで粉砕した。
「ふん、私の大事な弟には怪我一つさせてたまるか!」
「識海お嬢様に迫る家具は全て私が粉砕します!」
その時、識海の頭上死角に置いてあった小物が、誰にも気づかないようにそっと動いたかと思うと、そのまま識海の頭めがけて飛んでくる。しかし、理佳は飛んできた小物を一切見ることなくあっさり蹴り砕いた。
「識海さん、破片とか大丈夫?」
「問題ありません、ありがとうございます」
識海は一応自分に破片が飛んでないかを確認してから。理佳に丁寧にお礼を言った。
「・・・よし、他に変わったところはないか」
「・・・うん、もう何もなさそうかな」
「それでは、次の部屋に行きましょうか」
そういうと、4人はこの部屋を後にする。その際、理佳はしっかりと部屋の中に注意を向けつつ部屋から出た。
2
それからというもの、3階の部屋を探索するたびに家具が飛んでくるようになった。しかし、理佳たちはなんとかそれらを撃墜しつつ3階の探索を進めていった。
「ああ、流石にこう何度も家具に飛んでこられてはたまらないなあ・・・」
「叩き落すのも楽じゃないですねえ・・・」
普段体力には自信のある二人だったが、こう立て続けに家具に飛来されては撃墜するのも楽ではないようだ。
「ようやく次で最後の部屋ですね。理佳さんは大丈夫ですか?」
「うん、問題ないよ」
理佳が守ってくれてるとはいえ、立て続けに家具が飛んでくるという危機にされされて、流石の識海も少し疲弊しているようだった。対して理佳の方はケロッとしており、本当に何の問題もなさそうだ。
「それじゃあ、最後の部屋を探索するぞ!」
そうその場にいる全員を鼓舞し、最後の部屋の扉を開けた。するとやはり家具が飛んできたので、瑛真はもはや無言で切り捨てた。部屋に入るとこれまでより一層厳しい家具からの攻撃にさらされた。椅子や机、そして部屋に飾ってるような絵画や装飾品なども容赦なく飛来した。さらに、箪笥やベッドといった大型家具も理佳たちめがけて(ベッドは一度起き上がった状態となり)倒れこんでくる。
「ええい! こうなったらもう家具を全部なぎ払った方が早い! 蓬、行くぞ!!」
「はい! せーの・・・!!」
「うおおおおおおおおお!!」
埒が明かないと思った瑛真は、蓬に一声かけ、一緒に家具を一掃することにしたようだ。瑛真は竹刀、蓬は拳と蹴りを駆使した見事なコンビネーションで家具を粉砕していった。一方理佳の方も識海を守りながら飛来する家具を迅速に叩き落していった。
「はあっ・・・はあっ・・・、・・・どうだ!!」
「どうやら全部片付いたようですね・・・!」
見事に粉砕された家具たちを見て、息絶え絶えになりながらも満足そうに二人は一息ついた。だが、その時理佳が即座に注意を向けた。そして・・・。
「お姉ちゃん! 蓬さん! 上っ!!」
「「っ!?」」
一行がようやく家具を全滅させたところに、さらにこの部屋の照明であるシャンデリアが上から落ちてきた。二人は理佳の警告のおかげでなんとか落ちてきたシャンデリアを回避する。そして理佳も識海をかばいながら瑛真たちとは逆方向に回避する。そしてその結果、背後が部屋の入り口だったこともあり、廊下まで出てしまった。
「理佳っ!」
「理佳君! お嬢様!!」
二人が反対側に回避した理佳たちを心配し声をかける。
「理佳さん、お怪我は!?」
「・・・!!」
識海も自分をかばいつつ回避した理佳を心配し声をかけた。だが、理佳の直感はさらに不穏なものを感じとっていた。識海を左腕で抱いたまま右手を部屋の方に伸ばす。だが、その前に部屋の扉がなぜかひとりでに閉じてしまった。
「っ!?」
そしてその刹那、ズンと響いた大きな振動に理佳は思わず識海を守るようにぎゅっと抱きしめその場にしゃがみこんだ。やがて振動が収まったのを確認すると理佳は立ち上がって目の前の扉を開けた。だが・・・。
「これは・・・!?」
扉の向こうには二人の姿はなく、部屋の様子もさっきまでとは変わってしまっていた。
3
一方、先ほど部屋に取り残された二人も振動がおさまったのを確認すると、一目散に部屋の扉を開いたが、そこに理佳たちの姿はなかった。
「理佳っ!?」
「理佳君!! お嬢様!?」
二人は声を張り上げて理佳と識海のことを呼んだが、返事は返ってこなかった。
「い、一体なにが起こったんですか!?」
「分からない。しかしどういうわけかもう近くに理佳たちの気配は感じない」
瑛真は全神経を集中して理佳たちの気配を探ったが、少なくとも感知できる範囲内に理佳たちはいないようで、瑛真は静かに首を横に振った。
「そんな・・・、どうしましょう・・・!?」
「もちろん・・・、探すぞ! この屋敷の中を徹底的に!!」
「はい!!」
二人は自らを鼓舞すると、理佳たちを見つけるために怒涛の勢いで屋敷内を探索し始めた。
4
理佳たちはとりあえず、あたりの部屋の様子を見てまわっていた。しかし、どの部屋もさっきまで探索していた時と様子が変わってしまっている。
「あのお二人はどこへ行ってしまったんでしょうか」
「えっと、この近くにはいないみたいだよ。どういうわけか二人の気配はだいぶ遠くに行っちゃってるから・・・」
そこまで言って、理佳は思案顔になった。その遠くに離れてしまった気配に関してだが、どうも気にかかることがあるようだ。
(それにしても、なんで二人の気配があんな上のほうで・・・)
同じ階にいたというのに、あの一瞬で二人の気配はなぜかはるか上のほうに移動してしまっているようだ。
「ところで、一つ気になることがあるのですが」
「どうしたの?」
どうやら、識海は識海で気にかかることがあったようだ。そしてその内容とは・・・。
「なんか、先ほどと比べて屋敷内が暗くなってませんか?」
「うん、確かに・・・」
「私たちが屋敷に入ってから結構経ちますが、それを差し引いてもさっきの出来事からなぜか極端に屋敷内が暗くなった気がします。
たしかに、先ほど家具相手に奮闘していた時はもうちょっと窓から光が差し込んでおり、屋敷内の暗さもそれほどでもなかった。しかし、謎の振動を境に辺りは極端に薄暗くなり、窓のカーテンの隙間からはまったくといっていいほど光が差し込んでない。そして、他にも妙なのが、今の階層の部屋を探索しても家具などが飛んでこなくなったのである。そのせいもあり、屋敷内が先ほどよりもさらに静まり返ってるような感じがした。
「とりあえず3階の部屋をもう一度一通り調べましたが、先ほどと様相が変わってること以外は特に不審な点はなさそうですね」
理佳としても、今いる階からは特に不穏な気配を感じないので、この部屋の調査は終わりということで問題はなさそうだ。
「それじゃあ、下の階も調べていこっか」
「そうですね」
こうして二人は3階を後にした。しかし、理佳の直感はこれよりも下の階から妙な気配を感じ取っていた。
その後、一行は2階の奥のほうに3階へと続く階段を見つけ、ついに3階へと足を踏み入れた。3階に上がった瞬間、理佳はこれまでとは何かが違う不穏な気配を感じ、3人にそれを知らせる。
「そうですか。では、この階は用心した方がいいですね」
識海の言葉に一同がうなずき、そして一番近い部屋から探索を始めようとする。
「部屋に入る時は私が扉を開ける。みんなは後に続いてくれ」
そう言い、そして3階の最初の部屋の扉を開けたとき・・・。
「っ!! やああああああああ!!!」
扉を開けたと同時に、瑛真めがけて椅子がかなりの速度で飛んできた。しかし、瑛真はすぐに反応し、竹刀をふるって椅子を両断した。
「よし、中に入って調査を進めよう。みんな、何が起こるか分からないから気をつけろ!」
「分かりました!」
先陣切った瑛真に続いて残りの3人も部屋の中へと入った。それから、部屋の家具に注意しつつ中の様子を探った。
「しかし、いきなり椅子が飛んでくるなんてな。亡霊とかいうのもついに本気になったようだな」
瑛真がそう言った直後、今度は机が動き出し、理佳と識海めがけて勢いよくつっこんでくる。しかし、瑛真と蓬が瞬時にその間に割り込み、せまってくる机を竹刀と蹴りで粉砕した。
「ふん、私の大事な弟には怪我一つさせてたまるか!」
「識海お嬢様に迫る家具は全て私が粉砕します!」
その時、識海の頭上死角に置いてあった小物が、誰にも気づかないようにそっと動いたかと思うと、そのまま識海の頭めがけて飛んでくる。しかし、理佳は飛んできた小物を一切見ることなくあっさり蹴り砕いた。
「識海さん、破片とか大丈夫?」
「問題ありません、ありがとうございます」
識海は一応自分に破片が飛んでないかを確認してから。理佳に丁寧にお礼を言った。
「・・・よし、他に変わったところはないか」
「・・・うん、もう何もなさそうかな」
「それでは、次の部屋に行きましょうか」
そういうと、4人はこの部屋を後にする。その際、理佳はしっかりと部屋の中に注意を向けつつ部屋から出た。
2
それからというもの、3階の部屋を探索するたびに家具が飛んでくるようになった。しかし、理佳たちはなんとかそれらを撃墜しつつ3階の探索を進めていった。
「ああ、流石にこう何度も家具に飛んでこられてはたまらないなあ・・・」
「叩き落すのも楽じゃないですねえ・・・」
普段体力には自信のある二人だったが、こう立て続けに家具に飛来されては撃墜するのも楽ではないようだ。
「ようやく次で最後の部屋ですね。理佳さんは大丈夫ですか?」
「うん、問題ないよ」
理佳が守ってくれてるとはいえ、立て続けに家具が飛んでくるという危機にされされて、流石の識海も少し疲弊しているようだった。対して理佳の方はケロッとしており、本当に何の問題もなさそうだ。
「それじゃあ、最後の部屋を探索するぞ!」
そうその場にいる全員を鼓舞し、最後の部屋の扉を開けた。するとやはり家具が飛んできたので、瑛真はもはや無言で切り捨てた。部屋に入るとこれまでより一層厳しい家具からの攻撃にさらされた。椅子や机、そして部屋に飾ってるような絵画や装飾品なども容赦なく飛来した。さらに、箪笥やベッドといった大型家具も理佳たちめがけて(ベッドは一度起き上がった状態となり)倒れこんでくる。
「ええい! こうなったらもう家具を全部なぎ払った方が早い! 蓬、行くぞ!!」
「はい! せーの・・・!!」
「うおおおおおおおおお!!」
埒が明かないと思った瑛真は、蓬に一声かけ、一緒に家具を一掃することにしたようだ。瑛真は竹刀、蓬は拳と蹴りを駆使した見事なコンビネーションで家具を粉砕していった。一方理佳の方も識海を守りながら飛来する家具を迅速に叩き落していった。
「はあっ・・・はあっ・・・、・・・どうだ!!」
「どうやら全部片付いたようですね・・・!」
見事に粉砕された家具たちを見て、息絶え絶えになりながらも満足そうに二人は一息ついた。だが、その時理佳が即座に注意を向けた。そして・・・。
「お姉ちゃん! 蓬さん! 上っ!!」
「「っ!?」」
一行がようやく家具を全滅させたところに、さらにこの部屋の照明であるシャンデリアが上から落ちてきた。二人は理佳の警告のおかげでなんとか落ちてきたシャンデリアを回避する。そして理佳も識海をかばいながら瑛真たちとは逆方向に回避する。そしてその結果、背後が部屋の入り口だったこともあり、廊下まで出てしまった。
「理佳っ!」
「理佳君! お嬢様!!」
二人が反対側に回避した理佳たちを心配し声をかける。
「理佳さん、お怪我は!?」
「・・・!!」
識海も自分をかばいつつ回避した理佳を心配し声をかけた。だが、理佳の直感はさらに不穏なものを感じとっていた。識海を左腕で抱いたまま右手を部屋の方に伸ばす。だが、その前に部屋の扉がなぜかひとりでに閉じてしまった。
「っ!?」
そしてその刹那、ズンと響いた大きな振動に理佳は思わず識海を守るようにぎゅっと抱きしめその場にしゃがみこんだ。やがて振動が収まったのを確認すると理佳は立ち上がって目の前の扉を開けた。だが・・・。
「これは・・・!?」
扉の向こうには二人の姿はなく、部屋の様子もさっきまでとは変わってしまっていた。
3
一方、先ほど部屋に取り残された二人も振動がおさまったのを確認すると、一目散に部屋の扉を開いたが、そこに理佳たちの姿はなかった。
「理佳っ!?」
「理佳君!! お嬢様!?」
二人は声を張り上げて理佳と識海のことを呼んだが、返事は返ってこなかった。
「い、一体なにが起こったんですか!?」
「分からない。しかしどういうわけかもう近くに理佳たちの気配は感じない」
瑛真は全神経を集中して理佳たちの気配を探ったが、少なくとも感知できる範囲内に理佳たちはいないようで、瑛真は静かに首を横に振った。
「そんな・・・、どうしましょう・・・!?」
「もちろん・・・、探すぞ! この屋敷の中を徹底的に!!」
「はい!!」
二人は自らを鼓舞すると、理佳たちを見つけるために怒涛の勢いで屋敷内を探索し始めた。
4
理佳たちはとりあえず、あたりの部屋の様子を見てまわっていた。しかし、どの部屋もさっきまで探索していた時と様子が変わってしまっている。
「あのお二人はどこへ行ってしまったんでしょうか」
「えっと、この近くにはいないみたいだよ。どういうわけか二人の気配はだいぶ遠くに行っちゃってるから・・・」
そこまで言って、理佳は思案顔になった。その遠くに離れてしまった気配に関してだが、どうも気にかかることがあるようだ。
(それにしても、なんで二人の気配があんな上のほうで・・・)
同じ階にいたというのに、あの一瞬で二人の気配はなぜかはるか上のほうに移動してしまっているようだ。
「ところで、一つ気になることがあるのですが」
「どうしたの?」
どうやら、識海は識海で気にかかることがあったようだ。そしてその内容とは・・・。
「なんか、先ほどと比べて屋敷内が暗くなってませんか?」
「うん、確かに・・・」
「私たちが屋敷に入ってから結構経ちますが、それを差し引いてもさっきの出来事からなぜか極端に屋敷内が暗くなった気がします。
たしかに、先ほど家具相手に奮闘していた時はもうちょっと窓から光が差し込んでおり、屋敷内の暗さもそれほどでもなかった。しかし、謎の振動を境に辺りは極端に薄暗くなり、窓のカーテンの隙間からはまったくといっていいほど光が差し込んでない。そして、他にも妙なのが、今の階層の部屋を探索しても家具などが飛んでこなくなったのである。そのせいもあり、屋敷内が先ほどよりもさらに静まり返ってるような感じがした。
「とりあえず3階の部屋をもう一度一通り調べましたが、先ほどと様相が変わってること以外は特に不審な点はなさそうですね」
理佳としても、今いる階からは特に不穏な気配を感じないので、この部屋の調査は終わりということで問題はなさそうだ。
「それじゃあ、下の階も調べていこっか」
「そうですね」
こうして二人は3階を後にした。しかし、理佳の直感はこれよりも下の階から妙な気配を感じ取っていた。
後書き
作者:風太 |
投稿日:2012/07/19 15:03 更新日:2012/07/19 15:03 『Verdecken Reich』の著作権は、すべて作者 風太様に属します。 |
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