作品ID:1061
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Verdecken Reich
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中
前書き・紹介
第1章 モノローグ4
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「本当に・・・終わったんだ・・・」
たった今、約1世紀にもおよぶ大使命が終わりを向けた。少年は確かに私たちの待ち望んだ人物だった。約1世紀前に国から命じられたという使命のことを思い出す。
『この本をこの場所でずっと守り抜くのだ。そして、『鉤成』のものがここへ来たとき、その本を託すのだ』
なぜ、本を託す者が『鉤成』のものなのか。それも、初代の人間が国から教わったらしい。それは・・・。
『なぜなら、『鉤成の・・・』』
「なるほど、彼が鉤成理佳か。しかし、『彼女』から聞いていた通り大したもんだ。まさか、私の気配に気づくとはね」
「っ!?」
どこからともなく現れたこの人物に、驚きを隠せずにいた。
「そんな、いったいいつの間にここに!? 誰かが入ってくればセキュリティーの目に止まらないはずが・・・!!」
「私は奇術師、いわば他者の目を欺くのが仕事だよ。そう、例え相手がセキュリティーだとしても同じことだよ」
燃えるような赤髪の少女は、その頭に被った黒いシルクハットを手で押さえながら不敵に笑う。
「奇術師・・・。そうか、この国で有名だと言う若き奇術師・満上玄葉か」
「へえ、驚いたね。日々こんな屋敷の地下に籠ってる君が私のことを知ってるとはね」
「満上・・・そうか、貴方も『満上家の超人』か」
「そう。もっとも、私は彼女からは嫌われてるけどね」
そう言いながら、愉快そうに「くっくっ」と笑う玄葉。識海が嫌うのも分かる気がする。目の前のこの人物は胡散臭いなんてものじゃない。
「・・・いったいなんの用?」
「ああ、用事ならもう終わったよ。僕は一度彼の力を間近で見たかっただけだからね。そういうわけで、これでおいとませてもらうよ」
玄葉はそう言うと、身を翻してこの場から去ろうとする。が、玄葉が背を向けた瞬間を狙い、隠し持っていたナイフをその背に突き立てた。しかしその瞬間、玄葉の身体はなぜかパーンと勢いよくはぜた。
「ふふっ、それじゃあ私はこれで。ああそうだ、約1世紀にわたる使命の遵守ご苦労様」
どうやら、寸前に風船でできたデコイと入れ替わっていたようだ。そして最後に、癇に障る不敵な言葉を残していった。
たった今、約1世紀にもおよぶ大使命が終わりを向けた。少年は確かに私たちの待ち望んだ人物だった。約1世紀前に国から命じられたという使命のことを思い出す。
『この本をこの場所でずっと守り抜くのだ。そして、『鉤成』のものがここへ来たとき、その本を託すのだ』
なぜ、本を託す者が『鉤成』のものなのか。それも、初代の人間が国から教わったらしい。それは・・・。
『なぜなら、『鉤成の・・・』』
「なるほど、彼が鉤成理佳か。しかし、『彼女』から聞いていた通り大したもんだ。まさか、私の気配に気づくとはね」
「っ!?」
どこからともなく現れたこの人物に、驚きを隠せずにいた。
「そんな、いったいいつの間にここに!? 誰かが入ってくればセキュリティーの目に止まらないはずが・・・!!」
「私は奇術師、いわば他者の目を欺くのが仕事だよ。そう、例え相手がセキュリティーだとしても同じことだよ」
燃えるような赤髪の少女は、その頭に被った黒いシルクハットを手で押さえながら不敵に笑う。
「奇術師・・・。そうか、この国で有名だと言う若き奇術師・満上玄葉か」
「へえ、驚いたね。日々こんな屋敷の地下に籠ってる君が私のことを知ってるとはね」
「満上・・・そうか、貴方も『満上家の超人』か」
「そう。もっとも、私は彼女からは嫌われてるけどね」
そう言いながら、愉快そうに「くっくっ」と笑う玄葉。識海が嫌うのも分かる気がする。目の前のこの人物は胡散臭いなんてものじゃない。
「・・・いったいなんの用?」
「ああ、用事ならもう終わったよ。僕は一度彼の力を間近で見たかっただけだからね。そういうわけで、これでおいとませてもらうよ」
玄葉はそう言うと、身を翻してこの場から去ろうとする。が、玄葉が背を向けた瞬間を狙い、隠し持っていたナイフをその背に突き立てた。しかしその瞬間、玄葉の身体はなぜかパーンと勢いよくはぜた。
「ふふっ、それじゃあ私はこれで。ああそうだ、約1世紀にわたる使命の遵守ご苦労様」
どうやら、寸前に風船でできたデコイと入れ替わっていたようだ。そして最後に、癇に障る不敵な言葉を残していった。
後書き
作者:風太 |
投稿日:2012/07/19 15:08 更新日:2012/07/19 15:08 『Verdecken Reich』の著作権は、すべて作者 風太様に属します。 |
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