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■ある住民
カメラの死神
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中
前書き・紹介
零頁 始まりの時
目次 |
雨が降っている。
そこには、壊れた町と一人の少年が倒れていた。
体が冷たい。
ここはどこだ?
意識も朦朧としている。
思考することも儘ならない。
体全体がギシギシととても痛い。
ただこうして雨に打たれることしか出来ない。
すぐ側には女の子っぽい人が、僕を見下ろしているように感じる。
僕はその人に殺されるのかなと思いながら、瞳を閉じた。
★
明治五年アメリカより、あるカメラが輸入された。
そのカメラに撮られた人は、一週間後突然死ぬという不可解なことが起こっていた。
そしてそのカメラの所有者が分かった時、その所有者もすぐに死んだ。
そしてその事件は「カメラ突然死怪奇事件」と言わた。
その事件後カメラの消息も途絶えた。
☆
そして月日が経ち、平成二十五年になった。
「カメラ突然死怪奇事件」も忘れられ、平穏な日々が続いていた。
ここは東京都、月ノ宮学園。
ここに再び呪われたカメラを手にする男が現れた。
僕の名前はユーネルト・ロアノス。月ノ宮学園の二年生だ。
ある日、僕は学園を終え家に帰宅しポストを開けると、一台のカメラが置かれていた。
「何だ、これ?」
僕は不思議に思いながらそのカメラを取り出して、部屋に入った。
「誰からだ?こんな物頼んだ覚えはないが・・・」
カメラの見た目は、高そうな一眼レフだが、所々キズがあり、少し年季がはいっているように見える。
「まぁいっか」
僕はカメラを机に置いて夕食の準備をし始めた。
今は十一月下旬。指が上手く動かせないくらい寒い。
幼馴染みの香織は、風邪を引かないようにとカイロを幾つも渡してくるが、正直言ってもう要らないetc.
そんなこと考えながら夕食を作り終えた。
「本当にこのカメラ何処からきたんだ?誰か間違えて入れたのかな?」
僕は夕飯を食べながら、郵便受けにあったカメラについて考えていた。
実際カメラの持ち主なんてどうでもいい。
いつか気付いて取りに来るだろう。
そんな事よりも僕にはやらなくてはならない事がある。
僕は食べ終えた食器を流しに運びPCを起動させた。
◆
突然だけど僕の両親は殺された。そして一夜にして僕の血縁者もいなくなった。
七年前の僕の誕生日にケーキをサプライズで作っていた。
両親は僕が学校に行っている間に刺殺され、バラバラにされていた。
そのときの僕は幼かったせいで状況が理解出来なかった。
一つだけ分かるのは犯人は十三人という大人数だった事。
それだけ判っているのに犯人の名前は誰一人分からず、この殺人事件は無条理に闇に消された。
それ以来、僕には犯人に対する深い愛情のような復讐心しかなかった。
十三人の殺人鬼を全員コロシたい。
僕が味わった苦しみをお前らに味合わせたい。
オマエラヲハヤクコロシタイ
◇
だから僕は復讐するための力をつけてきた。
情報を得る為に学を学び、コロス為に術を身につけた。
そして今やっているのは、クラッキングだ。
僕は週に一回は国連のブラックリストに侵入している。
何故かというと、犯人の情報が全くと言っていい程無いからだ。
両親がコロサれてから七年間ずっと探し続けても、足跡すら見当たらない。
当時も、警察の目を掻い潜り、未解決事件として闇に葬られた所は、やはり伊達ではない。
こうやって説明している間も、ロアノスは様々なセキュリティをくぐり抜けては足跡を消していった。ようやく通り抜け、ディスプレイに情報が表示される。
今回もあまり更新が無いが、一つだけ気になっている情報がある。
それは「タランチュラ」と云われる組織だ。
「タランチュラ」は今年の八月下旬ぐらいに、新しく更新された組織だ。
内容は、
人数 十三人
目的、所在は不明
行動は大規模だが、足取りが全くつかめない。
今までの犯行は、大富豪や株式会社をターゲットにしたものが多い。
と書かれている。
僕はもしかしたら、この組織が僕の相手はでないかと思っている。
七年前のあの事件と酷似している。
両親は金持ちだったし、金融会社でもあった。
この組織がターゲットにしてもおかしくない。
「ふぅー、今日はこんなところか」
そう言って僕は今回の情報収集を終えた。
いつも通り成果はない。
時間もかなり遅いので、今日はもう寝る事にした。
■
「ここは・・・何処だ?」
僕は周りをみまわすと、そこは鉄の扉が一つ佇んでいるだけの石壁に包まれた空間だった。
もっと周囲をかくにしようとしたが、動こうとしたと同時に、激しい痛みが僕を襲い、僕は自分の体が拘束されている事に気付いた。
「クッ・・・・これじゃ動けない」
両手を上に一つで纏められ、足にも鎖と鉄球が付けられている。
多分これは夢だろう。
だけど僕はこんな所は見たことがない。
空気が現在の空気と違うし、血と硝煙の匂いが充満している。
夢にしては五感が冴えすぎているが、気にしたらだめだ。
この夢は異常だというが直ぐ分かる。
異常だからこそ、この夢には何かがある。
そう考えていると、鉄の扉が開き軍服を着た男達が入ってきた。
この軍服・・・確か第二次世界大戦時のドイツの軍服だったか?
「オラッ!!いつものやるぞ!!」
男達の中からごっつい男が出てきて、突然怒鳴って意味分からない事を言っている。
「いつもの?・・・何をやるんだ?」
そう質問すると、ごっつい男がいきなり僕の顔を蹴った。
「グッ・・・・」
「口を慎めっ!!生け贄の分際でっ!!」
ごっつい男はそう言ってロアノスの顔を蹴りまくった。
クソッ、めちゃくちゃイテー。
やっとのことで蹴りが止む。
「すみません。自分の事もここが何処なのかも分からなくなってしまって・・・」
僕は今の情報をなるべく手に入れる為に、キレるのを我慢して、記憶喪失者の演技をする。
「なんだ?、とうとうイッちまったか??」
ごっつい男が見下しながら近ずいてくるが、その間に別の軍服を着た男が入ってきた。
その男は、とても整った顔立ちで気品にも溢れており、特異な中でも特に目立っていた。
まあ、パーフェクト男とでも名付けておこう。
「まあいい。ここが何処かも、自分が何者かも知らぬまま、何かされるのはいろいろと酷だろう。」
パーフェクト男は、両手を広げて高らかに言う。
「ここはドイツのベルリン。そして、お前の名はアルシエル・グランツ・フォン・フリューゲル。我々を勝利へと導く生け贄だ。」
そう聞いた瞬間、僕は自分の体が女の体であることに気付いた。
そこには、壊れた町と一人の少年が倒れていた。
体が冷たい。
ここはどこだ?
意識も朦朧としている。
思考することも儘ならない。
体全体がギシギシととても痛い。
ただこうして雨に打たれることしか出来ない。
すぐ側には女の子っぽい人が、僕を見下ろしているように感じる。
僕はその人に殺されるのかなと思いながら、瞳を閉じた。
★
明治五年アメリカより、あるカメラが輸入された。
そのカメラに撮られた人は、一週間後突然死ぬという不可解なことが起こっていた。
そしてそのカメラの所有者が分かった時、その所有者もすぐに死んだ。
そしてその事件は「カメラ突然死怪奇事件」と言わた。
その事件後カメラの消息も途絶えた。
☆
そして月日が経ち、平成二十五年になった。
「カメラ突然死怪奇事件」も忘れられ、平穏な日々が続いていた。
ここは東京都、月ノ宮学園。
ここに再び呪われたカメラを手にする男が現れた。
僕の名前はユーネルト・ロアノス。月ノ宮学園の二年生だ。
ある日、僕は学園を終え家に帰宅しポストを開けると、一台のカメラが置かれていた。
「何だ、これ?」
僕は不思議に思いながらそのカメラを取り出して、部屋に入った。
「誰からだ?こんな物頼んだ覚えはないが・・・」
カメラの見た目は、高そうな一眼レフだが、所々キズがあり、少し年季がはいっているように見える。
「まぁいっか」
僕はカメラを机に置いて夕食の準備をし始めた。
今は十一月下旬。指が上手く動かせないくらい寒い。
幼馴染みの香織は、風邪を引かないようにとカイロを幾つも渡してくるが、正直言ってもう要らないetc.
そんなこと考えながら夕食を作り終えた。
「本当にこのカメラ何処からきたんだ?誰か間違えて入れたのかな?」
僕は夕飯を食べながら、郵便受けにあったカメラについて考えていた。
実際カメラの持ち主なんてどうでもいい。
いつか気付いて取りに来るだろう。
そんな事よりも僕にはやらなくてはならない事がある。
僕は食べ終えた食器を流しに運びPCを起動させた。
◆
突然だけど僕の両親は殺された。そして一夜にして僕の血縁者もいなくなった。
七年前の僕の誕生日にケーキをサプライズで作っていた。
両親は僕が学校に行っている間に刺殺され、バラバラにされていた。
そのときの僕は幼かったせいで状況が理解出来なかった。
一つだけ分かるのは犯人は十三人という大人数だった事。
それだけ判っているのに犯人の名前は誰一人分からず、この殺人事件は無条理に闇に消された。
それ以来、僕には犯人に対する深い愛情のような復讐心しかなかった。
十三人の殺人鬼を全員コロシたい。
僕が味わった苦しみをお前らに味合わせたい。
オマエラヲハヤクコロシタイ
◇
だから僕は復讐するための力をつけてきた。
情報を得る為に学を学び、コロス為に術を身につけた。
そして今やっているのは、クラッキングだ。
僕は週に一回は国連のブラックリストに侵入している。
何故かというと、犯人の情報が全くと言っていい程無いからだ。
両親がコロサれてから七年間ずっと探し続けても、足跡すら見当たらない。
当時も、警察の目を掻い潜り、未解決事件として闇に葬られた所は、やはり伊達ではない。
こうやって説明している間も、ロアノスは様々なセキュリティをくぐり抜けては足跡を消していった。ようやく通り抜け、ディスプレイに情報が表示される。
今回もあまり更新が無いが、一つだけ気になっている情報がある。
それは「タランチュラ」と云われる組織だ。
「タランチュラ」は今年の八月下旬ぐらいに、新しく更新された組織だ。
内容は、
人数 十三人
目的、所在は不明
行動は大規模だが、足取りが全くつかめない。
今までの犯行は、大富豪や株式会社をターゲットにしたものが多い。
と書かれている。
僕はもしかしたら、この組織が僕の相手はでないかと思っている。
七年前のあの事件と酷似している。
両親は金持ちだったし、金融会社でもあった。
この組織がターゲットにしてもおかしくない。
「ふぅー、今日はこんなところか」
そう言って僕は今回の情報収集を終えた。
いつも通り成果はない。
時間もかなり遅いので、今日はもう寝る事にした。
■
「ここは・・・何処だ?」
僕は周りをみまわすと、そこは鉄の扉が一つ佇んでいるだけの石壁に包まれた空間だった。
もっと周囲をかくにしようとしたが、動こうとしたと同時に、激しい痛みが僕を襲い、僕は自分の体が拘束されている事に気付いた。
「クッ・・・・これじゃ動けない」
両手を上に一つで纏められ、足にも鎖と鉄球が付けられている。
多分これは夢だろう。
だけど僕はこんな所は見たことがない。
空気が現在の空気と違うし、血と硝煙の匂いが充満している。
夢にしては五感が冴えすぎているが、気にしたらだめだ。
この夢は異常だというが直ぐ分かる。
異常だからこそ、この夢には何かがある。
そう考えていると、鉄の扉が開き軍服を着た男達が入ってきた。
この軍服・・・確か第二次世界大戦時のドイツの軍服だったか?
「オラッ!!いつものやるぞ!!」
男達の中からごっつい男が出てきて、突然怒鳴って意味分からない事を言っている。
「いつもの?・・・何をやるんだ?」
そう質問すると、ごっつい男がいきなり僕の顔を蹴った。
「グッ・・・・」
「口を慎めっ!!生け贄の分際でっ!!」
ごっつい男はそう言ってロアノスの顔を蹴りまくった。
クソッ、めちゃくちゃイテー。
やっとのことで蹴りが止む。
「すみません。自分の事もここが何処なのかも分からなくなってしまって・・・」
僕は今の情報をなるべく手に入れる為に、キレるのを我慢して、記憶喪失者の演技をする。
「なんだ?、とうとうイッちまったか??」
ごっつい男が見下しながら近ずいてくるが、その間に別の軍服を着た男が入ってきた。
その男は、とても整った顔立ちで気品にも溢れており、特異な中でも特に目立っていた。
まあ、パーフェクト男とでも名付けておこう。
「まあいい。ここが何処かも、自分が何者かも知らぬまま、何かされるのはいろいろと酷だろう。」
パーフェクト男は、両手を広げて高らかに言う。
「ここはドイツのベルリン。そして、お前の名はアルシエル・グランツ・フォン・フリューゲル。我々を勝利へと導く生け贄だ。」
そう聞いた瞬間、僕は自分の体が女の体であることに気付いた。
後書き
作者:Lie |
投稿日:2013/01/04 12:36 更新日:2013/01/04 12:36 『カメラの死神』の著作権は、すべて作者 Lie様に属します。 |
目次 |
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