作品ID:1587
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永遠の終わりを待ち続けてる
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
逝ってしまった季節
目次 | 次の話 |
――――リーデ、君が逝ってしまってから、僕はどれだけの月日を過ごしたんだろう……。君と過ごした日々に、あれだけ鮮やかに咲き誇った花々も景色も、僕にはもう、灰色の風景にしか見えない。
「ヴィルフリート」
背後から唐突にかけられた声に、ヴィルフリートと呼ばれた少年は振り返った。地面に膝を着いていた姿勢から立ち上がり、自分よりも幾らか背丈の高い相手に視線を合わせる。
「なんだ、おまえも来てたんだ? ……ヴィルフリート…………、か」
少年にしては長めで、どこか中性的に切り揃えられたシルバーグレーの髪を風に遊ばせ、翡翠の瞳をまるで何処か遠い場所を見るように細めながら、ヴィルフリートは呟いた。
襟足で伸ばしたオレンジブラウンの髪をキャラメル色のリボンで一つに束ね、ヴィルフリートと同じように風に流して。髪を束ねるリボンと同じ色の瞳に痛ましさの色を含ませた青年は、何処までも続く青空を見上げ、ヴィルフリートと同じように遠い場所を見つめて応える。
「…………今日は『赦される日』だろ。今日ぐらいは俺達の名前だって、呼んでやらなきゃ可哀想だ。ヴィルフリート・アルヴィス・フォン・レ・ラインフェルド」
青年の言葉にヴィルフリートは少し笑う。
「そうだったね。そうでないと、この頃の僕は、おまえの名前も自分の名前も、もう忘れそうになるよ。ウィリアム・エイディル・フォン・レ・アディルフェンド?」
ヴィルフリートの台詞は茶化しているようでいて、その実、抑えきれない哀しみと悲しみが込められている……。ウィリアムと呼ばれた青年は視線を落とした。
「ヴィルフリート、今日は許してやっていいんだ。構わない日だと決めた。だから……そうして笑うな」
青年の言葉に、ヴィルフリートは微笑む。
「なんのこと?」
微笑むヴィルフリートの瞳を見据え、ウィリアムは静かな、けれど確かに意思の強さを感じさせる口調で、己のキャラメル色の瞳に涙を浮かばせ、一言一言を噛み締めるようにして言い聞かせる。
「ヴィリー、今日ぐらいは泣いてやろう。おまえのために、俺達のために、おまえの…………『彼女』のために。……名前を呼んでやるべきは俺じゃないだろう?」
ウィリアムの言葉に、ヴィルフリートは不格好な笑みを浮かべ、それでも尚、微笑もうとして失敗した。頬を雫が一つ、伝って落ちる。まだ誰も起き出しては来ない小さな港町の岸辺にさざ波が寄せ、堤防のへりにヴィルフリートが手向けた花束を、深い海の底へと攫っていく。
「…………ああ、懐かしい呼ばれ方だ。だけど、ウィル、僕が呼ばれたいのはおまえじゃないんだよ。僕がそう呼んで欲しいのはたった一人。
リーデだけ、リーデだけなんだ。シエルリーデ・セントカティルナ・ドゥ・ルディエット、唯一人だけ……。
もう数えるのも難しいほど遠い昔に『逝ってしまった』子。彼女だけなのに…………」
ヴィルフリートの言葉に、ウィルと呼ばれたウィリアムは泣き笑いに近い表情で告げる。
「一年に一度。この日だけ、この日だけは、名前も涙も解禁してやろうって決めただろ? それを、リーデだって『赦した』だろ? 今日この日以外、俺達は名前も過去も、忘れて過ごさなきゃいけないんだ。
泣いてやれ、泣いて泣いて……。自分の名前もリーデの名前も俺の名前も思い出せ。俺達がリーデと過ごした日々を風化させずにいられるように……」
ウィリアムの言葉にヴィルフリートは静かに雫を伝わせた。ウィリアムの言葉に、伝って落ちる雫を隠そうとはせず、それでも尚、声をあげては泣けない不器用な従兄弟の哀しみと絶望に、ウィリアムはただ寄り添うことしか出来なかった。
ふんわりとカールのかかった柔らかなプラチナブロンドは何処までも淡い色合いに輝いて……。済んだ水面を想わせる深い蒼みがかった蒼紫のクリスタルのような瞳、鈴の音のような美しい声。
まるで、可憐な天使のような容姿をした、綺麗で愛らしい、とても美しい少女だった。教会のオルガンと歌が歌の中で誉め称え、賛美する、聖女マリアのような……。否、その表現は少し違うかもしれない。
自分達が出逢ったとき、実際に彼女は聖女だったのだから。そう、淡い色合いの柔らかなプラチナブロンドと蒼紫の瞳を持つ鈴の声の持ち主は、聖女様と呼ばれて育った女の子だった。
ヴィルフリートやウィリアムとは対極の位置に生まれ育った、そんな子だった。ヴィルフリートが心の底から愛し、ウィリアムが従兄妹の永遠の恋人として喜んで祝福し、迎えた少女。
あれからもう幾度の季節が廻ったのかも判らないほどに遠い月日に逝ってしまった少女は、そんな少女だった……。
「それでは、lamiaのお二人で、『また一年が……』です!」
まだ年若い女性司会者の声に、客席から歓声が上がる。客席の直ぐ近くに設けられた舞台上に現れたは、二人の人影。ライトアップされたステージ、シルエットだけを映し出すように演出された薄い緞帳が、ばさりと音を立てて崩れ落ちる。
客席の歓声が一層大きく激しくなる中、姿を現したのは、少年にしては長めに切り揃えられたシルバーグレーの髪に翡翠の瞳を持つ少年と、襟足で伸ばしたオレンジブラウンの髪を瞳と同じキャラメル色のリボンで束ねた特徴的な髪型の青年。
客席に横向けて備えられたグランドピアノの前に座った少年と、ピアノの前でヴァイオリンを構えた青年が、メロディーを奏で出す。己の奏でるピアノと青年のヴァイオリンに合わせて少年が歌を紡ぎ出した。
『――またこの季節がくる。あの子を失くしたこの季節が来るんだ。空を吹きゆく風よ、届けて欲しいこの想い。今は何処にいるともしれないあの子に……。
いつまでも何処までも共にいられると信じて疑わなかったあの頃のボク達の記憶、ボクの中にだけ鮮やかに咲き誇ったまま、季節重ねるごと、灰色に翳んでく。
永久を生きる定めを背負うボクだから、微笑む優しい君の笑顔に取り残され、今はもう、痛みの記憶から逃れる術もない。
遥か昔に逝ったボクの可愛い子、ボクの声はもう聞こえない? ボクは君を待ち続けてるよ、君を待ち続けてここにいるんだよ。
巡り行く時計の針が零してゆく砂の音が、どれだけボクを絶望させても。時間の砂がどれだけ流れても。
キミが「もう一度生まれて来る」と言ったから、「何度だって生まれて来る」と言ったから……。ボクを一人にしてはいかないと、約束してキミは逝ったから…………』
ステージからスタジオのセットへと移動して、姿を見せた少年と青年の二人組に、先程の女性司会者がマイクを向けて語りかける。
「lamiaの御二方、素敵なステージを有難う御座いました。それにしても、お二方のステージを拝見させて頂く度に思うのですけれど、lamiaのお二人が紡がれる歌には、こう、一貫した切なさというか、儚さというか、切なさと儚さの物語、そんなモノを感じさせて下さいますよね」
女性司会者の言葉に、少年が静かに微笑む。静かな微笑みを湛えたまま、隣に立つ青年の肩に寄りかかるようにして、答えた。
「人の生など一瞬の煌めきにすぎないと知ってしまっているぼく達からすれば、人々の歌を紡ごうとすればどうしてもそうなりますから。現に、ぼくのあの子も逝ってしまった。
ぼくが紡ぐ歌はあの子に届くことを祈ってのものですから、大きな矛盾と言えば矛盾なんですけれどね。それにしたって、人間の命というものはあまりに儚くて、いっそ滑稽だ。なのに、眩くて堪らない……」
少年の言葉に青年が制止をかける。
「それぐらいにしておけ、ルヴィス。司会者の方が返答に困りきっていらっしゃる。誇り高き夜の貴族ともあろう者が、か弱く力を持たないレディを困らせるような真似はするな」
ルヴィスと呼ばれた少年は、青年の言葉に微笑んだ。
「ああ、これは失礼。だけどエディル、誤解を招く表現は止めてもらえる? 御気分を害したならば申し訳ない。ですが、ぼくは特に、レディを困らせる趣味を持つわけではありませんので」
少年と青年の言葉のやりとりに、女性司会者が少し困ったように言葉を詰まらせたのをフォローするように、それまで後ろで控えていた男性司会者が口を開いた。
「なるほど、永遠を生きるlamiaのお二人だからこそ、紡げる歌……ということなんでしょうねぇ。ルヴィスさんやエディルさんの生きてきた時間の重みといったところでしょうか?」
女性司会者よりも幾らも高齢のベテラン男性司会者の流石のフォローの言葉に、ルヴィスとエディルはそれぞれ異なった笑みを浮かべた。
「ご想像にお任せしますよ」
悪戯っぽく笑ったのはエディル。
「言葉通りに受け取って頂いて構いません」
何処までも静かに微笑んだのはルヴィスだった。
「ヴィルフリート」
背後から唐突にかけられた声に、ヴィルフリートと呼ばれた少年は振り返った。地面に膝を着いていた姿勢から立ち上がり、自分よりも幾らか背丈の高い相手に視線を合わせる。
「なんだ、おまえも来てたんだ? ……ヴィルフリート…………、か」
少年にしては長めで、どこか中性的に切り揃えられたシルバーグレーの髪を風に遊ばせ、翡翠の瞳をまるで何処か遠い場所を見るように細めながら、ヴィルフリートは呟いた。
襟足で伸ばしたオレンジブラウンの髪をキャラメル色のリボンで一つに束ね、ヴィルフリートと同じように風に流して。髪を束ねるリボンと同じ色の瞳に痛ましさの色を含ませた青年は、何処までも続く青空を見上げ、ヴィルフリートと同じように遠い場所を見つめて応える。
「…………今日は『赦される日』だろ。今日ぐらいは俺達の名前だって、呼んでやらなきゃ可哀想だ。ヴィルフリート・アルヴィス・フォン・レ・ラインフェルド」
青年の言葉にヴィルフリートは少し笑う。
「そうだったね。そうでないと、この頃の僕は、おまえの名前も自分の名前も、もう忘れそうになるよ。ウィリアム・エイディル・フォン・レ・アディルフェンド?」
ヴィルフリートの台詞は茶化しているようでいて、その実、抑えきれない哀しみと悲しみが込められている……。ウィリアムと呼ばれた青年は視線を落とした。
「ヴィルフリート、今日は許してやっていいんだ。構わない日だと決めた。だから……そうして笑うな」
青年の言葉に、ヴィルフリートは微笑む。
「なんのこと?」
微笑むヴィルフリートの瞳を見据え、ウィリアムは静かな、けれど確かに意思の強さを感じさせる口調で、己のキャラメル色の瞳に涙を浮かばせ、一言一言を噛み締めるようにして言い聞かせる。
「ヴィリー、今日ぐらいは泣いてやろう。おまえのために、俺達のために、おまえの…………『彼女』のために。……名前を呼んでやるべきは俺じゃないだろう?」
ウィリアムの言葉に、ヴィルフリートは不格好な笑みを浮かべ、それでも尚、微笑もうとして失敗した。頬を雫が一つ、伝って落ちる。まだ誰も起き出しては来ない小さな港町の岸辺にさざ波が寄せ、堤防のへりにヴィルフリートが手向けた花束を、深い海の底へと攫っていく。
「…………ああ、懐かしい呼ばれ方だ。だけど、ウィル、僕が呼ばれたいのはおまえじゃないんだよ。僕がそう呼んで欲しいのはたった一人。
リーデだけ、リーデだけなんだ。シエルリーデ・セントカティルナ・ドゥ・ルディエット、唯一人だけ……。
もう数えるのも難しいほど遠い昔に『逝ってしまった』子。彼女だけなのに…………」
ヴィルフリートの言葉に、ウィルと呼ばれたウィリアムは泣き笑いに近い表情で告げる。
「一年に一度。この日だけ、この日だけは、名前も涙も解禁してやろうって決めただろ? それを、リーデだって『赦した』だろ? 今日この日以外、俺達は名前も過去も、忘れて過ごさなきゃいけないんだ。
泣いてやれ、泣いて泣いて……。自分の名前もリーデの名前も俺の名前も思い出せ。俺達がリーデと過ごした日々を風化させずにいられるように……」
ウィリアムの言葉にヴィルフリートは静かに雫を伝わせた。ウィリアムの言葉に、伝って落ちる雫を隠そうとはせず、それでも尚、声をあげては泣けない不器用な従兄弟の哀しみと絶望に、ウィリアムはただ寄り添うことしか出来なかった。
ふんわりとカールのかかった柔らかなプラチナブロンドは何処までも淡い色合いに輝いて……。済んだ水面を想わせる深い蒼みがかった蒼紫のクリスタルのような瞳、鈴の音のような美しい声。
まるで、可憐な天使のような容姿をした、綺麗で愛らしい、とても美しい少女だった。教会のオルガンと歌が歌の中で誉め称え、賛美する、聖女マリアのような……。否、その表現は少し違うかもしれない。
自分達が出逢ったとき、実際に彼女は聖女だったのだから。そう、淡い色合いの柔らかなプラチナブロンドと蒼紫の瞳を持つ鈴の声の持ち主は、聖女様と呼ばれて育った女の子だった。
ヴィルフリートやウィリアムとは対極の位置に生まれ育った、そんな子だった。ヴィルフリートが心の底から愛し、ウィリアムが従兄妹の永遠の恋人として喜んで祝福し、迎えた少女。
あれからもう幾度の季節が廻ったのかも判らないほどに遠い月日に逝ってしまった少女は、そんな少女だった……。
「それでは、lamiaのお二人で、『また一年が……』です!」
まだ年若い女性司会者の声に、客席から歓声が上がる。客席の直ぐ近くに設けられた舞台上に現れたは、二人の人影。ライトアップされたステージ、シルエットだけを映し出すように演出された薄い緞帳が、ばさりと音を立てて崩れ落ちる。
客席の歓声が一層大きく激しくなる中、姿を現したのは、少年にしては長めに切り揃えられたシルバーグレーの髪に翡翠の瞳を持つ少年と、襟足で伸ばしたオレンジブラウンの髪を瞳と同じキャラメル色のリボンで束ねた特徴的な髪型の青年。
客席に横向けて備えられたグランドピアノの前に座った少年と、ピアノの前でヴァイオリンを構えた青年が、メロディーを奏で出す。己の奏でるピアノと青年のヴァイオリンに合わせて少年が歌を紡ぎ出した。
『――またこの季節がくる。あの子を失くしたこの季節が来るんだ。空を吹きゆく風よ、届けて欲しいこの想い。今は何処にいるともしれないあの子に……。
いつまでも何処までも共にいられると信じて疑わなかったあの頃のボク達の記憶、ボクの中にだけ鮮やかに咲き誇ったまま、季節重ねるごと、灰色に翳んでく。
永久を生きる定めを背負うボクだから、微笑む優しい君の笑顔に取り残され、今はもう、痛みの記憶から逃れる術もない。
遥か昔に逝ったボクの可愛い子、ボクの声はもう聞こえない? ボクは君を待ち続けてるよ、君を待ち続けてここにいるんだよ。
巡り行く時計の針が零してゆく砂の音が、どれだけボクを絶望させても。時間の砂がどれだけ流れても。
キミが「もう一度生まれて来る」と言ったから、「何度だって生まれて来る」と言ったから……。ボクを一人にしてはいかないと、約束してキミは逝ったから…………』
ステージからスタジオのセットへと移動して、姿を見せた少年と青年の二人組に、先程の女性司会者がマイクを向けて語りかける。
「lamiaの御二方、素敵なステージを有難う御座いました。それにしても、お二方のステージを拝見させて頂く度に思うのですけれど、lamiaのお二人が紡がれる歌には、こう、一貫した切なさというか、儚さというか、切なさと儚さの物語、そんなモノを感じさせて下さいますよね」
女性司会者の言葉に、少年が静かに微笑む。静かな微笑みを湛えたまま、隣に立つ青年の肩に寄りかかるようにして、答えた。
「人の生など一瞬の煌めきにすぎないと知ってしまっているぼく達からすれば、人々の歌を紡ごうとすればどうしてもそうなりますから。現に、ぼくのあの子も逝ってしまった。
ぼくが紡ぐ歌はあの子に届くことを祈ってのものですから、大きな矛盾と言えば矛盾なんですけれどね。それにしたって、人間の命というものはあまりに儚くて、いっそ滑稽だ。なのに、眩くて堪らない……」
少年の言葉に青年が制止をかける。
「それぐらいにしておけ、ルヴィス。司会者の方が返答に困りきっていらっしゃる。誇り高き夜の貴族ともあろう者が、か弱く力を持たないレディを困らせるような真似はするな」
ルヴィスと呼ばれた少年は、青年の言葉に微笑んだ。
「ああ、これは失礼。だけどエディル、誤解を招く表現は止めてもらえる? 御気分を害したならば申し訳ない。ですが、ぼくは特に、レディを困らせる趣味を持つわけではありませんので」
少年と青年の言葉のやりとりに、女性司会者が少し困ったように言葉を詰まらせたのをフォローするように、それまで後ろで控えていた男性司会者が口を開いた。
「なるほど、永遠を生きるlamiaのお二人だからこそ、紡げる歌……ということなんでしょうねぇ。ルヴィスさんやエディルさんの生きてきた時間の重みといったところでしょうか?」
女性司会者よりも幾らも高齢のベテラン男性司会者の流石のフォローの言葉に、ルヴィスとエディルはそれぞれ異なった笑みを浮かべた。
「ご想像にお任せしますよ」
悪戯っぽく笑ったのはエディル。
「言葉通りに受け取って頂いて構いません」
何処までも静かに微笑んだのはルヴィスだった。
後書き
作者:未彩 |
投稿日:2015/11/18 22:13 更新日:2015/11/24 14:36 『永遠の終わりを待ち続けてる』の著作権は、すべて作者 未彩様に属します。 |
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