作品ID:1765
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言葉とその力
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中
前書き・紹介
波乱の場に救いの女神? 過去編6
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そんな彼の行動に真田研究員が気づく。
「ちょっと待っててね。所長と三田主任は急ぎの仕事を済ませにいってくるから」
真田・沢本両研究員は、幻悟の始めて会う人への緊張から来る不安を和らげようと必死に相手をしてくれた。その努力の甲斐かいがあってか彼は落ち着く。彼が何気なく三田主任の方へ視線を送ると手を振ってくれた。それからしばらくして幻悟はここに戻ってきた所長に今まで家族とすごしてきた家をどうしたいか尋ねられる。
「幻悟君、あなたの両親との思い出が残っている家をどうしたい? 君の特殊な<<言葉の力>>を活用すればあの家を残すことは可能よ」
彼は所長から尋ねられたことを明確な答えで返そうとした。それで思いついた方法を実行に移し出す。
「あの家はボクと父さん達だけのものだ」
彼が思いを言葉にこめると、<<言葉の力>>が発動して誰もが琴葉一家が平凡に暮らし続けていると感じ取るようになった。どこか違和感を感じるような鋭い感性の持ち主は記憶を操作されたかのように家自体の存在認識が不能になる。これが幻悟の<<言葉の力>>が引き起こす現象の一部である。彼がその<<言葉の力>>の使用が不完全な状態でしか起こせないため人の記憶の操作なんて予想外の効果が現れたが、基本的には危険な能力ではないはずだ。
「ウソだと思ってた。こんな<力>をボクは持っていたんだね」
それからというもの、彼は研究所の皆からの指示で一年ほどの年月をかけて特殊能力のことを理解するよう努めてきた。それから幻悟は研究所の皆と一緒になって<<言葉の力>>の使用方法について決まりごとを作りだし、完成させる。
<<言葉の(特殊な)力>>についての鉄則
一.この<<言葉の特殊能力>>は人を守るとき等に役立つように、必要に応じて使うこと
ニ.むやみやたらに意味もなくこの<<言葉の特殊能力>>を使わない事
三.<<言葉の特殊能力>>が発動しないように注意しながら必要最低限の言葉で意見を伝えるようにしていくこと
四.他人から受けた嫌な気持ちになりそうな刺激はなるべく受け流すようにして、<<言葉の特殊能力>>で他人に危害を加えないようにすること
五.四の鉄則を守りきれないと思ったときや、困った時はすぐに研究所の誰かに相談あるいは助けを求めること
幻悟はこの鉄則を守っていくようにと研究所の皆と約束しあった。
「こうして決めた鉄則だけどどうかな? 幻悟君は守れそう?」
「うんっ、やれるだけやってみたい」
今の彼は、年齢相応な好奇心から目を輝かせている。すぐにこの鉄則はやりとげる目標になったようだ。
「幻悟君、家に戻るのもここにいるのも君の自由だ。決断は自分でするんだよ」
幻悟は背の高いことが印象的な三田主任の気づかいに、嬉しそうに顔をほころばせた。それで気分良くなっている彼に、真田・沢本両女性研究員がこれからについて聞いてくる。
「私達は君がここから学校に行く方がいいと思っているの。もちろん元の家から一人で通うことを選んでも援護はするわよ」
幻悟は両女性研究員の息が合ったやり取りに惚ほれ惚ぼれしていた。彼は数日考えた後、最終的には研究所の皆の言葉に甘えてこの場所に厄介になることを決める。
「そ…………それじゃあ学校に行ってくるね」
彼は研究所の女所長から学校へ行く手続きを決断した当日にすませてもらっていたので今日から登校初日を迎えることになった。 気恥ずかしそうにドモリ声を出してしまっているのもご愛嬌とも捉える事ができるのではないだろうか。
それから幻悟が何事もなく元気に登校している内に二年半くらいもの歳月が流れようとしていた。
しかし、また彼が中心となる事件が起こってしまうとは誰も予想だに出来なかったであろう。
「ちょっと待っててね。所長と三田主任は急ぎの仕事を済ませにいってくるから」
真田・沢本両研究員は、幻悟の始めて会う人への緊張から来る不安を和らげようと必死に相手をしてくれた。その努力の甲斐かいがあってか彼は落ち着く。彼が何気なく三田主任の方へ視線を送ると手を振ってくれた。それからしばらくして幻悟はここに戻ってきた所長に今まで家族とすごしてきた家をどうしたいか尋ねられる。
「幻悟君、あなたの両親との思い出が残っている家をどうしたい? 君の特殊な<<言葉の力>>を活用すればあの家を残すことは可能よ」
彼は所長から尋ねられたことを明確な答えで返そうとした。それで思いついた方法を実行に移し出す。
「あの家はボクと父さん達だけのものだ」
彼が思いを言葉にこめると、<<言葉の力>>が発動して誰もが琴葉一家が平凡に暮らし続けていると感じ取るようになった。どこか違和感を感じるような鋭い感性の持ち主は記憶を操作されたかのように家自体の存在認識が不能になる。これが幻悟の<<言葉の力>>が引き起こす現象の一部である。彼がその<<言葉の力>>の使用が不完全な状態でしか起こせないため人の記憶の操作なんて予想外の効果が現れたが、基本的には危険な能力ではないはずだ。
「ウソだと思ってた。こんな<力>をボクは持っていたんだね」
それからというもの、彼は研究所の皆からの指示で一年ほどの年月をかけて特殊能力のことを理解するよう努めてきた。それから幻悟は研究所の皆と一緒になって<<言葉の力>>の使用方法について決まりごとを作りだし、完成させる。
<<言葉の(特殊な)力>>についての鉄則
一.この<<言葉の特殊能力>>は人を守るとき等に役立つように、必要に応じて使うこと
ニ.むやみやたらに意味もなくこの<<言葉の特殊能力>>を使わない事
三.<<言葉の特殊能力>>が発動しないように注意しながら必要最低限の言葉で意見を伝えるようにしていくこと
四.他人から受けた嫌な気持ちになりそうな刺激はなるべく受け流すようにして、<<言葉の特殊能力>>で他人に危害を加えないようにすること
五.四の鉄則を守りきれないと思ったときや、困った時はすぐに研究所の誰かに相談あるいは助けを求めること
幻悟はこの鉄則を守っていくようにと研究所の皆と約束しあった。
「こうして決めた鉄則だけどどうかな? 幻悟君は守れそう?」
「うんっ、やれるだけやってみたい」
今の彼は、年齢相応な好奇心から目を輝かせている。すぐにこの鉄則はやりとげる目標になったようだ。
「幻悟君、家に戻るのもここにいるのも君の自由だ。決断は自分でするんだよ」
幻悟は背の高いことが印象的な三田主任の気づかいに、嬉しそうに顔をほころばせた。それで気分良くなっている彼に、真田・沢本両女性研究員がこれからについて聞いてくる。
「私達は君がここから学校に行く方がいいと思っているの。もちろん元の家から一人で通うことを選んでも援護はするわよ」
幻悟は両女性研究員の息が合ったやり取りに惚ほれ惚ぼれしていた。彼は数日考えた後、最終的には研究所の皆の言葉に甘えてこの場所に厄介になることを決める。
「そ…………それじゃあ学校に行ってくるね」
彼は研究所の女所長から学校へ行く手続きを決断した当日にすませてもらっていたので今日から登校初日を迎えることになった。 気恥ずかしそうにドモリ声を出してしまっているのもご愛嬌とも捉える事ができるのではないだろうか。
それから幻悟が何事もなく元気に登校している内に二年半くらいもの歳月が流れようとしていた。
しかし、また彼が中心となる事件が起こってしまうとは誰も予想だに出来なかったであろう。
後書き
作者:ニューナイト |
投稿日:2016/07/17 15:22 更新日:2016/07/17 15:22 『言葉とその力』の著作権は、すべて作者 ニューナイト様に属します。 |
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