作品ID:320
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「武器の名前で呼び合おう!」を読み始めました。
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武器の名前で呼び合おう!
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中
前書き・紹介
全学年合同ドッヂボール開催!! ?前編?
前の話 | 目次 | 次の話 |
あたしじゃなくって麻生 弓が通う此処、私立ヒイラギ学園1-Aでは弓っていうか、あたしが本当に困っていた。
1ヶ月前。突然鳴ったインターホンに肩が反応するが、恐る恐る夜7時だという時間でもあったし、ドア越しに相手が誰か覗く。
「……柊……詩穏? 琥音?」
私立ヒイラギ学園創設者、柊 炎嘉って本当この名前読みづらいな。って読むんだけどね?
その炎嘉学園長の孫である詩穏と琥音……とって本当似てるよね? そう思うよね?
でもってその2人がドアの前で突っ立っていた。
……正直出たくない。
でもインターホンを煩いぐらい鳴らすんだろうなぁ。
明日学園で会ったら、絶対何かしら言われるんだろうなぁ。
それの方が面倒だなぁ。
いいやぁ。出ちゃえ。と軽い気持ちでドアをあけたあたしがバカだった。
あのとき、性格も顔も似てない双子、柊 詩穏と琥音に手渡された一通の招待状。
そこには炎嘉学園長と連名で詩穏と琥音の名前が記されていた。
「う?む。どしたらいいんでしょ」
腕を組み、開け放たれた窓から一番近い、いわゆる居眠り絶好の場所とも言われる、最後列に座って唸っていると、その二卵性双生児がやってきた。
「何だよ、二卵性双生児」
「何だとはないでしょう?
僕たちはその答えを聞きに来たんです」
気に食わない、人をバカにしたような笑みでコチラに近づいてきた詩穏。
琥音はわざわざ自分のクラスである1-Cから来るのも面倒だったのか、既にやる気がないご様子。
「答えも何も、イキナリこんな招待状を渡されても困るっつーの!!」
招待状。それは詩穏がさした「その答え」と同じであり、あたしは今この二卵性双生児というよりは詩穏に答えを求められている。
何の招待状?
それは。
「いや、あたしも暇じゃないし、こんな行事には付き合ってられないんだよねぇ」
わざとらしく、首を大きく横に振る。
ショートカットの黒髪が揺れて、詩穏のブラウンが混ざった黒髪が視界で揺れる。
「……なら強制的に」
「何で!? 答え聞いとくって、結局あたし参加するんじゃん!!」
招待状は、このヒイラギ学園で行われる公式恒例行事、全学年合同ドッヂボール。
わざわざ招待状を配るのはこの行事が全学年とはいえ、強制的にではなく、参加不参加形式のため。
ただ、詩穏に言わせればあたしは完全強制参加らしいが。
「ドッヂなんて簡単じゃないですか。
ただ逃げてればいいだけの話なのに」
「逃げてればってね。あたしはなぜか知らんが狙われるの!!
どっかの茶髪混じりの黒髪と黒髪混じりの赤髪とかにねぇ!!」
もちろん、茶髪混じりが詩穏で黒髪混じりが琥音だ。
「でも、どっちにしても逃げてるだけじゃないですか」
「まあね。内野に残ってるだけでも大分いいほうでしょ?
っていうか、何であたしだけを狙うっていう話になってくるわけで」
朝会開始予鈴が鳴る。詩穏は名残惜しそうに琥音を連れて1-Cと1-Dに戻っていく。
先生が淡々と朝会を進める中、あたしはドッヂに参加することを決めてみた。
理由は特にないが、もしあの二卵性双生児と敵同士になれば。
〈今までの仕返しができるってもんでしょ?〉
心中で笑みをこぼしつつ、表面では無表情を装う。
割と難しい動作だな、と思ったのは内緒。
1ヶ月前。突然鳴ったインターホンに肩が反応するが、恐る恐る夜7時だという時間でもあったし、ドア越しに相手が誰か覗く。
「……柊……詩穏? 琥音?」
私立ヒイラギ学園創設者、柊 炎嘉って本当この名前読みづらいな。って読むんだけどね?
その炎嘉学園長の孫である詩穏と琥音……とって本当似てるよね? そう思うよね?
でもってその2人がドアの前で突っ立っていた。
……正直出たくない。
でもインターホンを煩いぐらい鳴らすんだろうなぁ。
明日学園で会ったら、絶対何かしら言われるんだろうなぁ。
それの方が面倒だなぁ。
いいやぁ。出ちゃえ。と軽い気持ちでドアをあけたあたしがバカだった。
あのとき、性格も顔も似てない双子、柊 詩穏と琥音に手渡された一通の招待状。
そこには炎嘉学園長と連名で詩穏と琥音の名前が記されていた。
「う?む。どしたらいいんでしょ」
腕を組み、開け放たれた窓から一番近い、いわゆる居眠り絶好の場所とも言われる、最後列に座って唸っていると、その二卵性双生児がやってきた。
「何だよ、二卵性双生児」
「何だとはないでしょう?
僕たちはその答えを聞きに来たんです」
気に食わない、人をバカにしたような笑みでコチラに近づいてきた詩穏。
琥音はわざわざ自分のクラスである1-Cから来るのも面倒だったのか、既にやる気がないご様子。
「答えも何も、イキナリこんな招待状を渡されても困るっつーの!!」
招待状。それは詩穏がさした「その答え」と同じであり、あたしは今この二卵性双生児というよりは詩穏に答えを求められている。
何の招待状?
それは。
「いや、あたしも暇じゃないし、こんな行事には付き合ってられないんだよねぇ」
わざとらしく、首を大きく横に振る。
ショートカットの黒髪が揺れて、詩穏のブラウンが混ざった黒髪が視界で揺れる。
「……なら強制的に」
「何で!? 答え聞いとくって、結局あたし参加するんじゃん!!」
招待状は、このヒイラギ学園で行われる公式恒例行事、全学年合同ドッヂボール。
わざわざ招待状を配るのはこの行事が全学年とはいえ、強制的にではなく、参加不参加形式のため。
ただ、詩穏に言わせればあたしは完全強制参加らしいが。
「ドッヂなんて簡単じゃないですか。
ただ逃げてればいいだけの話なのに」
「逃げてればってね。あたしはなぜか知らんが狙われるの!!
どっかの茶髪混じりの黒髪と黒髪混じりの赤髪とかにねぇ!!」
もちろん、茶髪混じりが詩穏で黒髪混じりが琥音だ。
「でも、どっちにしても逃げてるだけじゃないですか」
「まあね。内野に残ってるだけでも大分いいほうでしょ?
っていうか、何であたしだけを狙うっていう話になってくるわけで」
朝会開始予鈴が鳴る。詩穏は名残惜しそうに琥音を連れて1-Cと1-Dに戻っていく。
先生が淡々と朝会を進める中、あたしはドッヂに参加することを決めてみた。
理由は特にないが、もしあの二卵性双生児と敵同士になれば。
〈今までの仕返しができるってもんでしょ?〉
心中で笑みをこぼしつつ、表面では無表情を装う。
割と難しい動作だな、と思ったのは内緒。
後書き
作者:斎藤七南 |
投稿日:2010/09/16 19:40 更新日:2010/10/01 07:53 『武器の名前で呼び合おう!』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。 |
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