午後の授業の合間の休み時間、彩夜と矢乃は自分の教室から外の様子を眺めていた。



「いやー、よく降ってるわー」

「うん」



　ちょうど昼休みが終わるころぐらいから雨が降り始めていた。この状況を見る限り、予報士の天気予報は見事にはずれ、由希の予想が当たったことは一目瞭然だった。



「ちゃんと傘もって来ててよかったね」

「うんうん、弟君様々だわ」



　周りの生徒たちはほとんど傘をもってきてないらしく、そこらへんから困ったような声が漏れていた。一方、由希の予想を前もって聞いていた二人は雨に濡れることはなさそうだ。



「ねえ彩夜、今日の放課後はどうするの？」

「えっと、由希君のとこに行こうかなって」

「あ、やっぱり？」



　彩夜はほぼ毎回学校の帰りに由希のところに寄っている。ほとんど研究所に居っぱなし弟がちゃんと元気にしてるのかが心配なのと、ただ単に由希に会いたいという理由があってのことだ。



「今日は部活ないし、私もついていっていい？」

「うん、いっしょにいこ」



　彩夜は由希に会う時のことをを考えてたのか、妙に弾んだ声で答えた。