作品ID:701
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悪夢ではない。これは現実だ。覚えておきたまえ
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中
前書き・紹介
ろくわ まさかの囮
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『ぶるぅぅぅぅぁぁぁアァ』
「何処のアナゴだお前は!」
まだまだ出てくるゾンビを相手に武器を振るう。
もう一つ、分かったことがある。
こいつらは強い衝撃を与えると爆ぜる。
しかも体液は瞬時に気化してどうやら腐臭に変わるみたいだ。
だから今あたし達が戦っているホールは、腐臭が充満している。
あたしはもう気にならない。
してたら確実に死ぬ。
「えーい!」
微妙に気合の入ってない緑の掛け声。
そしてまたまた聞こえる気持ち悪い音。
しかし、緑はゾンビに対して容赦が無さ過ぎる。
狙うのは首、頭。
全て人体急所であり、大体彼女の倒したゾンビの亡骸は頭がない。
確かに鈍器じゃあたしみたいに突き刺したり出来ないけれど。
えぐい。えぐすぎる。それを無自覚でやるのが更に怖い。
「椎名!何か聞こえない!?」
「え?何!?」
「車の音!」
……聞こえないけど。
と、いうかゾンビの呻きで掻き消されている。
『ぶぅるるるるるる』
「意味不明な単語で妨害するな!」
取り合えずうるさい奴の顔を殴る。
爆ぜる。
………駄目だ、まだ聞こえない。
『ばるるるるるぅぅぅぅ』
「ばるばるうるさいわ!」
突っ込みよろしく頭を引っ叩く。
頭部が千切れた。
…………微かに、聞こえ――
『ふぃっしゃぁぁぁぁぁぁ』
「だったら釣りしてろ!」
問答無用で突き飛ばす。
胴体にあたしの両手がぶっ刺さった。
「きょえええええ!?」
慌てて引き抜く。
倒れるゾンビ。
気持ち悪い感触。
……聞こえた!
「これ、車の音!?」
「さっきそう言ったよ…」
緑が呆れたように言った。
微かだけど、車の駆動音が聞こえた。
それは、どんどんこっちに近づいてくる。
「自衛隊の人かも! 椎名、頑張ろう!」
「ええ!」
ゾンビの数はかなり減っている。
あたし達の奮闘のおかげであろう。
なんて、自我自賛している場合ではない。
「ラストスパートね! 気合入れていくわよ!」
「オッケー!」
「な、何だこれは…」
とある自衛隊の隊員は目の前の光景が信じられなかった。
避難している人から、ゾンビが流れ込んできた、と連絡があったので慌てて戻ってきたのだが。
「し、信じられん…」
人間より桁違いに力の強いゾンビ相手に。
人間の少女がたった二人で、戦っていたようだ。
しかも圧勝していた。
戦っていたであろう少女二人は、ホールの真ん中で背中合わせで座っていた。
そして周りには、頭部や四肢のないゾンビの亡骸が山積みになっている。
ホールに充満する腐臭。
これが奴等の死んだ証。
「……換気をしろ」
隊員は、自分の部下に、換気するように命ずる。
隊員たちは、二人の少女に怯えを隠さす、そそくさとその場からいなくなる。
(しかし…)
と思う。
奴等には銃弾が効かなかった。
なのに、あの二人はどうやって倒していたのか、と。
後書き
作者:ゾンビの方程式 |
投稿日:2011/05/15 10:59 更新日:2011/05/15 10:59 『悪夢ではない。これは現実だ。覚えておきたまえ』の著作権は、すべて作者 ゾンビの方程式様に属します。 |
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