作品ID:732
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悪夢ではない。これは現実だ。覚えておきたまえ
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中
前書き・紹介
じゅうわ お金持ちの家
前の話 | 目次 |
「そういえば、自己紹介してなかったよな? 俺、如月天都(きさらぎあまつ)って言う。よろしく」
少年――如月はそう言って自己紹介したのは、あたし達が(というか主にあたしが)群がっていたゾンビ共を全てぶち殺した後で、あたしにドン引きしている時だった。
「? ……ああ、名前ね」
あたしといえば、未だに腕に引っ付いていたゾンビの頭を毟り取って適当に放り投げていたところ。
「で? そっちの女の子は?」
「え? あ、わたしですか? えと、神月白音、といいます」
こうづきさんはぺこりと頭を下げた。
「こうづき? あまつ?」
咄嗟に頭で漢字変換できなかった。
「俺の名前な、天の都で天都。んで、白音の神月は、神の月で神月」
説明されてようやく理解できた。あたしって現代文の成績悪いから説明されなきゃ分かんなかった。
「あんたら何歳? あたしは15だけど」
「二人とも17」
「は? 年上?」
「そういうことになりますね」
「へえ…。でも敬語めんどいから省略で」
あたしは振り向かずに歩きながら言った。
「お前ほんと知り合いに似てるわ」
振り合えると、如月が苦笑いしていた。神月も。
何だかムカつく。あたしを笑っていいのは緑だけだ。
「何よ?」
「いや、俺たちの知り合いにいるんだよ。よく似た性格の奴。名前も同じだし」
「はぁ?」
「幸野椎名。俺たちのクラスメート。多分名前の漢字も同じだと思うぞ」
つまり、あたしはその幸野椎名って奴に似ているのだろうか?
「へえ…」
でも、あたしはそんなの興味ないし。だから聞き流す。
「あの」
が、神月に声を掛けられた。
「何?」
「お二人のご自宅は、まだ遠いですか?」
ああ、そういえば話していて忘れていた。
「見えてるわよ」
「え?」
「これ」
と親指で指す。
先には、大きな和風の一軒屋。
「これがあいつらの家」
さっきのゾンビの群れていた所から100メートルくらいしか行ってない。
「…でか」
周りを囲むように聳え立つ壁。
これの内側が全て彼女たちの家。
如月も唖然としている。
「二人ともああ見えて金持ちの子供よ…。紗絵の方は自覚無いけど」
「お、お金持ち…」
「呆れるくらいのね。ほんとの億万長者ってやつ?」
ここらでは有名な話。確か、大手医療器具の老舗だったかしら?
「…そういや喜多方って聞いたことあるわ。母さんが言ってた、病院向けの医療器具開発してるところ」
「そんなこと言ってたわ。二人とも興味無さそうだったけれど」
二人とも無頓着で、やりたいことしかやらない性格だし、仕方ないけど。
「まあいいや。インターホン鳴らせば出るかしら」
――ピンポーンと鳴らした。
そして次の瞬間、壮絶に後悔した。
後書き
作者:ゾンビの方程式 |
投稿日:2011/05/25 14:07 更新日:2011/05/25 14:07 『悪夢ではない。これは現実だ。覚えておきたまえ』の著作権は、すべて作者 ゾンビの方程式様に属します。 |
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