作品ID:737
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俺たちの日常 放課後バトル!!
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中
前書き・紹介
放課後1 ゲーム部全員集合!
目次 | 次の話 |
――――♪
「ん…?」
不意になったケータイの着信音で少年は立ち読みを中断した。
確認すると、そこには差出人の名前。
「部長…? 何だ、今日は部活なしのはずじゃ…?」
少年が呟きながら、メールの中身に目を通す。どうやら、きゅうきょ、部活をやることになったらしい。全員に招集をかけているとのこと。
「…はあ。俺もう学校外なんだけど…」
折角の放課後が…、とぼやきながら本屋を出た。そのまま学校に足を向け、歩き始める。
「今日は一体誰が対戦するんかな。また一年同士の一騎打ちか、或いは二年のトーナメントか…。まあ、楽しくなりそうだな」
文句を言ってはいるけれど、少年は結局部活が好きだ。だから、この思わぬ事態を喜んでいる。
とにかく今は学校に行こう、と少年は駆け足で向かったのだった。
「ちわーっす…。遅くなりましたー…」
「遅いですよ先輩! 何時だと思ってるんですか!」
「少し遅刻ですの」
部室のドアを開けて、中に入ったら早速文句を言われた。知り合いの連中以外にも。
「先輩、遅すぎ!」とか「頑張ろうね」とか声を掛けられた。
「はい? すんません、話が見えないっす」
部室に入る。もう何人も部員が集まっていた。みんなパイプ椅子やら椅子に座って雑談している。困惑して、この部活――――ゲーム部の貴重な事務机とセットの椅子ににどっかり座っている熊のような体格の大男に聞いた。
「おお、岡田。遅かったな」
「さーせん。立ち読みしてて遅くなりました」
「はっは。すまんな、いきなり呼び出して」
地響きのような笑い声と、野太い声、巨大な体格。彼こそがこのゲーム部部長、山田である。
どっかり座るその姿はさながら小型の山。山田という平凡な名前が似合わない。威風堂々というか、そんな雰囲気が彼からは出ている。そしてそんな大男を前にして、まるで女子のような小さくみえる少年の名は岡田啓太。このゲーム部に所属する二年生だ。
「部長、いきなりどうしたんですか? 珍しいですよね。いきなり招集って」
「はっはっは!」
至近距離で食らうとくらくらする程の重低音、高音質、大音量。その笑い声を上げる部長は、豪快に笑った後言った。
「いやぁ、一年の連中が明日の昼飯を賭けて戦いたいとか言い始めてなぁ。だからっておれが出る訳にもいかんし、それにお前も知ってるだろう。三年は一年の味方が常だ」
それがこのゲーム部のルールだ。
「…そっすね」
「んでだ。片っ端から招集かけてみたら、随分と集まってくれたからなぁ」
確かに、この部活の人数は部長含めて15人。そのうちの10人ほどが集まっていた。
「こりゃあもう乱戦でいいかいなぁ、とか思ったわけだ。もちろん、学年、性別関係なし。誰と手を組もうが最後まで立っていた者の勝ち。当然おれは参加しない。おれが昼飯を奢る立場だからな」
「またっすか。毎度ごちになりますよねみんな…」
啓太が呆れるのも仕方ない。二人の言う『ゲーム』に勝つと、大体次の日の昼飯がただになる。部長が奢ってくれるのだ。部長は超大金持ちの息子で、自身もバイトでかなりの額を稼いでいるらしい。しかし使い道が部費以外にないので、奢ってくれるのである。曰く『部費に入る』とか。
「まあそういうことだ。岡田、お前も参加するんだ」
「拒否権なしすか! まあでも、明日の昼飯は俺のもんすね」
ぐっと拳を握る啓太。啓太は二年で一番『ゲーム』の優勝回数が多い。つまり一番強い。だがそうは問屋が卸さない。
「先輩、今回は乱戦ですよ! 私も敵に回りますからね!」
「…啓太なんて、わたくしたちがまとめてかかれば楽勝ですの」
後ろからぶーぶーブーイングは飛んでくる。当然、啓太は挑発に乗る。
「冬、唯子、てめえら…真っ先に潰す、覚悟しとけ」
余裕の笑みを浮かべながら振り返り、ブーイングを飛ばした少女二人に言い返す。啓太は更に続けた。
「よっしゃみんな! 俺に味方してくれた奴は優勝間違い無しだぜ! 取り合えず開始早々この生意気なガキ二人潰すの手伝ってくれ!」
座っている男子部員は『おー!』とか、『羽村さん潰し手伝います!』とか、言う一方。女子部員は『私は佐々木先輩に味方します』とか『岡田、さいてー』とか笑いながら言っている。啓太はこの和やかな空気が好きだ。当然、みんな『冗談ではない』ことは十分理解したうえでの発言である。
―――この『ゲーム』の内容が、ゲームではなく、自分の体で戦うことを理解したうえで。
後書き
作者:ゾンビの方程式 |
投稿日:2011/05/27 12:03 更新日:2011/05/27 12:03 『俺たちの日常 放課後バトル!!』の著作権は、すべて作者 ゾンビの方程式様に属します。 |
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