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俺たちの日常 放課後バトル!!
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中
前書き・紹介
放課後2 異能バトルゲーム、開始!
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「さて、それでは『ゲーム』を開始する」
まるで司会者のように、部長がその場を取り仕切る。相変わらずどっかり椅子に座ったままであるが。
「ルールは、乱戦だ。誰と手を組もうが好きにしていい。時間制限まで立っていた奴が勝ちだ。それ以外は殺す以外なら何しても構わん。やりたいようにやれ」
これが毎度の『ゲーム』のしきたり。ルールを確認して、そして司会者が異能の力を呼び起こすための『鍵』を紡ぎだす。
『現れろ、我が力』
通称、鍵言葉。力を使う前に、自分に与えられた異能の名を呼ぶ。その名は誰に教わったわけでもなく、自然に頭に浮かぶもの。そして、それが戦う力になる。本来なら違う使い方が出来たであろう。昼飯を賭けて戦うなど馬鹿らしい程の力だ。だが、敵などいない。力を向ける相手が存在しないのだ。だから、娯楽に使う以外、使い道なんてない。不要の力。
そして、部長を中心に、部室の風景画一変した。ごく普通の教室から。一瞬の間でそこは物理方式を無視した荒れた荒野に変わった。
「いつみてもすげえな…。部長の『結界』って…」
異能にはいくつかの力がある。一つが、共通するもの。『結界』という。文字通り、人が入れなくするために、空間に自分の異能を食い込ませて一時的に空間を塗り替える。踏んでいる大地の感触は本物だ。啓太は始めてみたとき、戦慄したものだ。上には上がいると。
「さぁ…、みな! 己の力を解放せよ!」
道化師のように叫ぶ部長。大音量が荒野を震わせる。
『起動せよ、律して動け! 機械の神(デウスインマキナ)』
啓太が真っ先に反応、己の異能を解放する。それが引き金となり、次々と鍵言葉が紡がれる。
『凍てつけ、蒼き終焉! 絶対零度(アブソリュート)』
先ほどの少女、羽村冬の異能。
『吹き荒れろ、新緑の刃! 風祀り(エアスラッシュ)』
佐々木唯子の異能も解放された。だがこれで終わりでない。部員全員が例外なくこの異能と呼ばれる力を有している。ここでしか解放できない己の力。それを存分に振るう。
「さあて、冬、唯子…。てめえら真っ先に潰すぜ。覚悟しな!」
啓太の力は機械の神。いくつもの刃と歯車で形成されたそれは、肩の部分にまるで翼のような形で維持される。異能の力は人によって大きく違う。武器であったり、啓太のように身にまとうようなものであったり。
「せ、先輩には負けませんよ! こっちには唯ちゃんがいるんですから!」
「啓太、覚悟するのは啓太のほうですの」
先程より弱腰ではあるが、羽村冬は佐々木唯子と共に戦うことを宣言した。唯子も唯子で、おっとりしたお嬢様言葉もどきで冬に味方するつもりのようだ。
唯子の周りは常に暴風が荒れ狂い、唯子の髪がばさばさと踊っている。彼女の力は風の刃。武器ですらないこれは、時に鋭く速い刃に、時に柔軟な鎧になる。対する冬の力は絶対零度。手に氷を荒削りして作ったみたいな巨大な氷の塊が握られている。これが彼女の武器。触れた物を片っ端から凍らせ、その質量でぶっ壊す、何とも男らしいやり方を得意とする。
「いい度胸だ…! いくぜぇ! 野郎共!」
賊のお頭のように叫ぶ。何時の間にか後ろについていたほかの男子部員たちが「「おぉー!」」と叫び返す。女子も負けてはいない。
「みんな、頑張ろう!」
「いきますの」
二人の号令にあわせ、一致団結する。何だが、女子VS男子の戦いになっているのは気のせいではない筈である。
「はっはっは!青春だな!」
その様子をみていた部長が笑う。絶対青春じゃない。
後書き
作者:ゾンビの方程式 |
投稿日:2011/05/27 12:44 更新日:2011/05/27 12:44 『俺たちの日常 放課後バトル!!』の著作権は、すべて作者 ゾンビの方程式様に属します。 |
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