作品ID:760
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俺たちの日常 放課後バトル!!
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中
前書き・紹介
放課後5 バトルロワイヤル?
前の話 | 目次 |
「くたばりゃー!」
「先輩こそぉぉぉぉ!!」
(……出たよ、マジの殺し合い)
無月と再会した後の、とある日の放課後。何時もの様に部室に向かい、ゲームを開催され――とまあいつも通りの日常。違うことといえば、無月が復学し、部活にも顔を出したことくらいだ。そして目の前では冬と無月の異能がぶつかり合い、本気の殺し合いに発展しつつあるのを啓太は傍観していた。下手に仲裁に入れば殺されるのは自分である。
「しつこいってのこの羽根つきがぁぁぁぁ!」
「神崎先輩に言われる覚えは、ありません!」
ばきんっ! と氷塊と巨大な刀が異質な音を立てながらぶつかり合う。啓太はそこでふと思い出した。確か、無月の異能の力は――
「…っ」
素早く納刀し、バックステップで下がる。あ、と啓太は気付く。やばい、この構えは…。そう思ったときはもう遅い。無月の異能は刹那の時間であれば、それだけでいいのだから。
「重ね連刃!」
紫電一閃。銀の閃きを見えた――そう思った瞬間には、冬が大きく後ろに吹っ飛んでいた。
「ひゃああ!」
悲鳴を上げながらも、体勢を立て直す冬。制服の袖が破けてひらひらと舞っている。重ね連刃とは、簡単に言えば抜刀術。素早く刀を引き抜き、凄まじい速さで相手を2回斬り付ける技だと啓太は聞いている。そして彼女の異能の名は『禍壊し』。2メートルはあるであろう巨大な日本刀。冬とは違い、速さと鋭さで相手を八つ裂きにする。その速度だけは、唯子や啓太、部長ですら軽く凌駕する最速の異能。
「ふん…」
また納刀した状態で右手で刀を持つ無月。彼女は左利きなので、常に刀は右手で持っている。腰に挿すのは速度が落ちるので嫌らしい。その眼光は猛禽類のように鋭い。その視線で冬を睨む。普通の連中ならそれだけで竦み上がるようなレベルである。
「あってててて…」
冬も何とか立ち上がり、氷塊を無月に向ける。はぁはぁと息が荒い。劣勢であることは明らかである。冬の氷塊はとてつもなく重い。振り回すのにはかなりの体力を使う。そのために長期戦は不利なのだ。対する無月は軽いし鋭いし速い。長期戦、短期戦両方関係なく戦える。啓太もそろそろ冬に加勢しようかと考える。タイミング的に今がそのときだ。
「冬、お手伝いしますの」
しかし、啓太より早く加勢を申し出る者がいた。唯子である。啓太の隣でお上品に座って事の成り行きを見守っていたようだが、どうやら彼女も冬がこのままだと冗談抜きで殺されることを感じたらしい。
「唯ちゃん…ありがとう…たす、かる…」
「お礼はいいですの。わたくしも、そこの錆色が気に入りませんの」
錆色、とは無月のこと。彼女の髪色は赤茶色、通称錆色であり、瞳と同色のせいか唯子は彼女を錆色と呼ぶ。
「はっ、ささ身もセットって訳? 上等ジャン。あたしに束になっても敵わないくせに。出しゃばってくんなっての」
不愉快そうに無月は吐き捨てる。この3人、トコトン相性が悪い。犬猿の仲、とは正にこのことであろう。啓太、呆れてもう仲裁することすら諦めた。
「吹っ飛ばしてあげますの、錆色」
「上等。やってみなささ身。羽根つき」
「んとに…。神崎先輩ってムカつきます」
険悪なムードに、他の部員たちは隅っこで小さくなる。こいつら、戦い合うと周りのことを一切合財気にしなくなる。最悪、死人出ても無視するだろう。被害を被りたくなければ、小さくなっているんが一番だと皆知っている。
「ムカつくのはお互い様だろうに。まあいいや、3枚に卸してあげるよ!」
「吹っ飛ばしますの」
「氷像にしてやる…」
三者三様に言いたいことを言い終わり、また始まる殺し合い。
(怪我しても殺すなよー)
口には出さす心の中で忠告する啓太であった。
後書き
作者:ゾンビの方程式 |
投稿日:2011/06/11 12:19 更新日:2011/06/11 12:19 『俺たちの日常 放課後バトル!!』の著作権は、すべて作者 ゾンビの方程式様に属します。 |
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