作品ID:937
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巡る世界と多彩な人生
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中
前書き・紹介
失敗作と呼ばれた少女の存在証明3
前の話 | 目次 | 次の話 |
目を開いた。
目を閉じた。
目を開いた。
繰り返し、25回。
目を閉じた。
目を閉じた。
目を閉じた。
1度眠って最初から。
目を開いた。目を閉じようと思ったが、なぜか閉じられなかった。
たくさん色がある。
赤、青、黄色、白、茶、黒、有彩色を目に入れるのは初めてと言っていい。
手足が軽いと思えば鎖がない。
体が少し思い体を見ると立派な服を着ていた。
(こんな場所知らない。こんな自分知らない・・・
夢なのかな・・・)
裸足のまま部屋を出ました。
部屋に誰も居なくなりました。
木の床の上を歩き、緑の生い茂った窓の外を見る。
少し背伸びしないと見えないが、窓の枠を掴んで腕の力で窓の枠に乗る。
色を見ない少女にとって、この場所はわからない物ばかりで、知らない人ばかりだ。
だからか、遠くにある木に手を伸ばして届くと思っている。
当然、届くわけが無く、窓の枠から落ちてしまった。
高い場所から落ちても意識はあった所為か、まだ動こうと立ち上がる。
「驚いた。まさか落ちてくるとは」
少女と同じ金色の髪色で黒い瞳の女性が木を背もたれにして座っていた。
周りには鋭く光る刃物やきらきら光るビー球などが散らばっていた。
「誰?」
「君を誰よりも知っている人間だよ。
名前を聞いているなら他人に聞く前に自分から言おうね」
女性は笑って少女の頭を撫でた。
少女は首を傾げて女性に聞いた。
「なまえって何?」
女性は目を丸くした。
そして頭を乱暴に掻いた。
「ん?・・・名前って言うのはー・・・あれだよ。呼ばれたりするでしょ?
なんて言うかな・・・自分や他の人を指す記号みたいなものかな?」
少女は自分が何と呼ばれていたか思い出そうとしていた。
誰かに呼ばれていた言葉があったのを思い出し、言葉にした。
「しっぱいさく」
「え?」
「私のなまえ」
女性は更に目を丸くしたが、苦笑いして言った。
「それは名前じゃないんだよ」
少女は首を傾げ、女性は苦笑いして少女の頭を撫でる。
「名前がないと不便だから考えようね」
「なまえ」
少女は女性を指差して言った。
「フェイ・リホウだよ。
ここにずっと居たんだ」
笑顔で答えた。
少女はフェイがなんで笑っているのかわからなかった。
なんでずっとここに居たのかわからなかった。
だがわかろうとしなかった。
癖になっているのだろう。わかろうとしない事はいつもやっていたし、今見ている事は夢だと思っているからそんな事もあると勝手に納得していた。
フェイは人差し指を立てて言った。
「いいかい?絶対に外で自分のことをしっぱいさくなんて言っちゃだめだよ」
「?」
「だから、名前を自分で考えるんだよ。無いと困るからね」
苦笑して言った。
しかし、考えてもどんな名前がいいかなんてわからない。
フェイは頭を撫でて言った。
「もしも、考えても出てこなかったら、あたしの名前を使いなさい。
どうせ、忘れられているだろうし、君が使っても罪にはならないから」
微笑んで少女を撫でる。
フェイが何を思って笑っているのか。
なぜ、見ず知らず自分にここまでしてくれるのか、わからなかった。
「これからたくさんの事を知ろうとしなければならない。
他人のことも考えなければならない。
つらい事もあれば、楽しい事もある。
今はわからなくてもきっとこれから知る事になるだろう。
知る事を止める事はできない。
ただ君がするべきことは進む事だ。振り返っても戻っちゃだめ。
戻りそうになったら前を見ろ。見えなかろうと進め。
そして全てを見て知ること。嘘か真か見極める事。
精一杯生きろ。そして知りなさい。
あたしから言えるのはそれだけ。まぁがんばれ」
フェイはそう言って霧のように消えていった。
その後に周りの景色もぼやけて、視界は真っ暗になった。
目を閉じた。
目を開いた。
繰り返し、25回。
目を閉じた。
目を閉じた。
目を閉じた。
1度眠って最初から。
目を開いた。目を閉じようと思ったが、なぜか閉じられなかった。
たくさん色がある。
赤、青、黄色、白、茶、黒、有彩色を目に入れるのは初めてと言っていい。
手足が軽いと思えば鎖がない。
体が少し思い体を見ると立派な服を着ていた。
(こんな場所知らない。こんな自分知らない・・・
夢なのかな・・・)
裸足のまま部屋を出ました。
部屋に誰も居なくなりました。
木の床の上を歩き、緑の生い茂った窓の外を見る。
少し背伸びしないと見えないが、窓の枠を掴んで腕の力で窓の枠に乗る。
色を見ない少女にとって、この場所はわからない物ばかりで、知らない人ばかりだ。
だからか、遠くにある木に手を伸ばして届くと思っている。
当然、届くわけが無く、窓の枠から落ちてしまった。
高い場所から落ちても意識はあった所為か、まだ動こうと立ち上がる。
「驚いた。まさか落ちてくるとは」
少女と同じ金色の髪色で黒い瞳の女性が木を背もたれにして座っていた。
周りには鋭く光る刃物やきらきら光るビー球などが散らばっていた。
「誰?」
「君を誰よりも知っている人間だよ。
名前を聞いているなら他人に聞く前に自分から言おうね」
女性は笑って少女の頭を撫でた。
少女は首を傾げて女性に聞いた。
「なまえって何?」
女性は目を丸くした。
そして頭を乱暴に掻いた。
「ん?・・・名前って言うのはー・・・あれだよ。呼ばれたりするでしょ?
なんて言うかな・・・自分や他の人を指す記号みたいなものかな?」
少女は自分が何と呼ばれていたか思い出そうとしていた。
誰かに呼ばれていた言葉があったのを思い出し、言葉にした。
「しっぱいさく」
「え?」
「私のなまえ」
女性は更に目を丸くしたが、苦笑いして言った。
「それは名前じゃないんだよ」
少女は首を傾げ、女性は苦笑いして少女の頭を撫でる。
「名前がないと不便だから考えようね」
「なまえ」
少女は女性を指差して言った。
「フェイ・リホウだよ。
ここにずっと居たんだ」
笑顔で答えた。
少女はフェイがなんで笑っているのかわからなかった。
なんでずっとここに居たのかわからなかった。
だがわかろうとしなかった。
癖になっているのだろう。わかろうとしない事はいつもやっていたし、今見ている事は夢だと思っているからそんな事もあると勝手に納得していた。
フェイは人差し指を立てて言った。
「いいかい?絶対に外で自分のことをしっぱいさくなんて言っちゃだめだよ」
「?」
「だから、名前を自分で考えるんだよ。無いと困るからね」
苦笑して言った。
しかし、考えてもどんな名前がいいかなんてわからない。
フェイは頭を撫でて言った。
「もしも、考えても出てこなかったら、あたしの名前を使いなさい。
どうせ、忘れられているだろうし、君が使っても罪にはならないから」
微笑んで少女を撫でる。
フェイが何を思って笑っているのか。
なぜ、見ず知らず自分にここまでしてくれるのか、わからなかった。
「これからたくさんの事を知ろうとしなければならない。
他人のことも考えなければならない。
つらい事もあれば、楽しい事もある。
今はわからなくてもきっとこれから知る事になるだろう。
知る事を止める事はできない。
ただ君がするべきことは進む事だ。振り返っても戻っちゃだめ。
戻りそうになったら前を見ろ。見えなかろうと進め。
そして全てを見て知ること。嘘か真か見極める事。
精一杯生きろ。そして知りなさい。
あたしから言えるのはそれだけ。まぁがんばれ」
フェイはそう言って霧のように消えていった。
その後に周りの景色もぼやけて、視界は真っ暗になった。
後書き
作者:福里 成実 |
投稿日:2012/01/08 19:36 更新日:2012/01/08 19:36 『巡る世界と多彩な人生』の著作権は、すべて作者 福里 成実様に属します。 |
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