作品ID:2221
あなたの読了ステータス
(読了ボタン正常)一般ユーザと認識
「サラリーマン、スケオくんのちょっと色っぽいミステリー」を読み始めました。
読了ステータス(人数)
読了(69)・読中(2)・読止(0)・一般PV数(202)
読了した住民(一般ユーザは含まれません)
サラリーマン、スケオくんのちょっと色っぽいミステリー
小説の属性:一般小説 / ミステリー / お気軽感想希望 / 初投稿・初心者 / R-18 / 完結
前書き・紹介
未設定
(第1話)僕、冴えないサラリーマンのスケオ。10年ぶりに憧れのミネ子ちゃんから電話をもらう。
目次 | 次の話 |
日曜の秋晴れの空。
マーブルチョコをばら撒いたような風船が次々とあがっていく。
「きゃー。アハハ。たのしいわ。スケオくん」
「ヘヘヘ。まだまだ!これからが楽しいんだって。ソレ!」
「きゃーヤダ。あんまり回さないでぇ。アハハハ」
無邪気に笑い真ん中のハンドルを必死につかんでいる。
僕の目の前に座っている美しい彼女は、僕の高校時代のガールフレンド、藤ミネ子だ。
彼女と遊園地でデートをしている。
ミネ子と僕は10年ぶりに再会した。
彼女と再会したのは1本の電話での始まりだった。
高校時代、僕たちは進路が決まって別々となった。
ミネ子ちゃんは美大へいき、僕はコンピュータの専門学校へいくことに。
卒業してからすぐに就職して、今ではシステムエンジニアとなった。
毎朝すし詰めになって電車に乗り、仕事を淡々とこなし、コンビニ弁当をボソボソと食べて、また仕事。
そして退社し、また満員電車に揺られてクタクタになり、冷たくひっそりとした安アパートに帰る毎日の繰り返しだ。
階段をあがる。金属音が余計に虚しい。
ガチャリ。キー。
家のなかに入った。真っ暗だ。心も暗くなる。
「はぁー。今日もご苦労サン」
ここに越してから独り言が増えた。もちろん返事はない。
天井の紐をつかみ、カチカチっと電気をつけた。
クタびれたシワをつくった背広を脱ぎ捨てる。
襟の間に指をいれ、しゅるりとネクタイをとった。
鞄を捨て、台所へいって冷蔵庫から缶ビールを取り出した。
手で触るだけでも痛い。よく冷えている。
プルトップを開け、グビっと飲む。
テレビをつけコタツに足を入れようとした瞬間、鞄の中からバイブ音が鳴った。
「ん?」
コタツの上にビールを置きスマホを取り出してみる。
お知らせランプが点滅してた。
― 新着メッセージが来ております ―
と画面に表示されてた。はて?
会社関係とか親だったらLINEか電話をしてくる。
「今どきE-mailを送るやつなんて誰だろう?」
首をかしげた。
メールを開封してみる。本文を見て僕はびっくりした。
『 スケオくんお久しぶり(^_^)
今度の日曜日に○○町の
ワンダー遊園地へ一緒にいきませんか♪
お返事待ってます♥
ミネ子 』
どこか懐かしい。
JKのようなキャピキャピ娘で顔文字と、このハート。
送り主は…ミネ子……。
みねこちゃん!?
ガバっ!
スマホに飛びついた。
電話をかけようとする。
アドレス帳には消さずに入れてある。
でも、これ、古い電話番号では。
メルアド新しく変わってたからなあ。
それでも僕は確かめたい。
通話ボタンを押し、耳に当ててかけてみた。
プルルル…
「おおっ。ツナガッタ!」
少年のように胸をトキめかせていた。
『もしもし。ミネ子です』
キャンディーのような甘い声が聞こえた。
アア!やっぱりキミだったのかあ。ドキドキしてきた。
「ミ、ミネ子ちゃん!?久しぶり!元気してた!?」
興奮がおさえられない。
『スケオくん!うふふ。お久しぶり。元気よ』
上品な笑い声が聞こえてくる。
「いやぁ。驚いたナア。まさかこうして会えるなんて!」
「ウフフ。ほんとね。10年ぶりになるかしら?」
「ウエヘヘ。メール。みた。もちろんOKだよ。嬉しいナア」
照れ笑いをし胡坐を組み直した。
『ホントに!スケオくんアリガトウ!
同僚から入場券2人分もらったの。
でも、行く相手がいなくて困ってたの。
でも嬉しいわ。ありがとう』
電話の向こうからはにかむ声が伝わってきた。
僕も話すたびに嬉しさを抑えきれない。
このときめきは高校生以来だ。
こうして僕たちが10年ぶりにミネ子ちゃんと再会することとなった。
(つづく)
マーブルチョコをばら撒いたような風船が次々とあがっていく。
「きゃー。アハハ。たのしいわ。スケオくん」
「ヘヘヘ。まだまだ!これからが楽しいんだって。ソレ!」
「きゃーヤダ。あんまり回さないでぇ。アハハハ」
無邪気に笑い真ん中のハンドルを必死につかんでいる。
僕の目の前に座っている美しい彼女は、僕の高校時代のガールフレンド、藤ミネ子だ。
彼女と遊園地でデートをしている。
ミネ子と僕は10年ぶりに再会した。
彼女と再会したのは1本の電話での始まりだった。
高校時代、僕たちは進路が決まって別々となった。
ミネ子ちゃんは美大へいき、僕はコンピュータの専門学校へいくことに。
卒業してからすぐに就職して、今ではシステムエンジニアとなった。
毎朝すし詰めになって電車に乗り、仕事を淡々とこなし、コンビニ弁当をボソボソと食べて、また仕事。
そして退社し、また満員電車に揺られてクタクタになり、冷たくひっそりとした安アパートに帰る毎日の繰り返しだ。
階段をあがる。金属音が余計に虚しい。
ガチャリ。キー。
家のなかに入った。真っ暗だ。心も暗くなる。
「はぁー。今日もご苦労サン」
ここに越してから独り言が増えた。もちろん返事はない。
天井の紐をつかみ、カチカチっと電気をつけた。
クタびれたシワをつくった背広を脱ぎ捨てる。
襟の間に指をいれ、しゅるりとネクタイをとった。
鞄を捨て、台所へいって冷蔵庫から缶ビールを取り出した。
手で触るだけでも痛い。よく冷えている。
プルトップを開け、グビっと飲む。
テレビをつけコタツに足を入れようとした瞬間、鞄の中からバイブ音が鳴った。
「ん?」
コタツの上にビールを置きスマホを取り出してみる。
お知らせランプが点滅してた。
― 新着メッセージが来ております ―
と画面に表示されてた。はて?
会社関係とか親だったらLINEか電話をしてくる。
「今どきE-mailを送るやつなんて誰だろう?」
首をかしげた。
メールを開封してみる。本文を見て僕はびっくりした。
『 スケオくんお久しぶり(^_^)
今度の日曜日に○○町の
ワンダー遊園地へ一緒にいきませんか♪
お返事待ってます♥
ミネ子 』
どこか懐かしい。
JKのようなキャピキャピ娘で顔文字と、このハート。
送り主は…ミネ子……。
みねこちゃん!?
ガバっ!
スマホに飛びついた。
電話をかけようとする。
アドレス帳には消さずに入れてある。
でも、これ、古い電話番号では。
メルアド新しく変わってたからなあ。
それでも僕は確かめたい。
通話ボタンを押し、耳に当ててかけてみた。
プルルル…
「おおっ。ツナガッタ!」
少年のように胸をトキめかせていた。
『もしもし。ミネ子です』
キャンディーのような甘い声が聞こえた。
アア!やっぱりキミだったのかあ。ドキドキしてきた。
「ミ、ミネ子ちゃん!?久しぶり!元気してた!?」
興奮がおさえられない。
『スケオくん!うふふ。お久しぶり。元気よ』
上品な笑い声が聞こえてくる。
「いやぁ。驚いたナア。まさかこうして会えるなんて!」
「ウフフ。ほんとね。10年ぶりになるかしら?」
「ウエヘヘ。メール。みた。もちろんOKだよ。嬉しいナア」
照れ笑いをし胡坐を組み直した。
『ホントに!スケオくんアリガトウ!
同僚から入場券2人分もらったの。
でも、行く相手がいなくて困ってたの。
でも嬉しいわ。ありがとう』
電話の向こうからはにかむ声が伝わってきた。
僕も話すたびに嬉しさを抑えきれない。
このときめきは高校生以来だ。
こうして僕たちが10年ぶりにミネ子ちゃんと再会することとなった。
(つづく)
後書き
未設定
作者:白河甚平 |
投稿日:2019/12/23 15:59 更新日:2019/12/31 16:36 『サラリーマン、スケオくんのちょっと色っぽいミステリー』の著作権は、すべて作者 白河甚平様に属します。 |
目次 | 次の話 |
読了ボタン