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作品ID:1289
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ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)

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前書き・紹介


第一章「ベッカルト村」:第3話「設定」

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第3話「設定」



 俺は出てきたステータス画面を眺め、ゲームのような現象に戸惑っている。



(これってまんま、RPGじゃないか。何なんだこれは?)



 そう思いつつも自分のステータスを確認していく。

 妙に高い知力INTに疑問を覚えつつもステータスの確認を終了する。



 トップメニューに戻ると点滅しているアイコンがあることに気付いた。



「初期選択ボーナス設定」



 この初期選択ボーナス設定とは何だろうと思いながら開いてみると、どうやら初期ボーナスポイントを使って、キャラクターを強化することができるシステムのようだ。



 右側に「BP:50」と表示があり、左側に選択できる項目が並んでいる。

 ・通常スキル武器系

 ・通常スキル防御系……

と十程度の項目があった。



 適当に一番上の「通常スキル武器系」を開いてみると、更に下位のリストが開いて行く。

 ・両手剣(P) 5/1BP

 ・片手剣(P) 5/1BP……



 たくさんの項目が出たが、(P)ってなんだ?BPってなんだ?と疑問が次々と浮かんで来る。

 両手剣のところを念じてみると「両手剣の取り扱いに関するスキル」との、とてもシンプルで誤解のしようがない説明のみで効果などは全く判らない。

 「?」マークやヘルプ、チュートリアルを探してみてもどこにもない。



(これでどう選べというんだよ!)



 一頻りぼやいた後、わからないものは仕方がないと割切ることにした。

 一通り全部の項目を見てみるかと思い直し、一つずつ確認していく。



 通常スキル系を見て、基本ステータス加算を見る。

 基本ステータス加算は、

 ・STR加算(P) 50/1BP

 ・VIT加算(P) 50/1BP……

となっている。



 さっき見た俺のステータス値に加算できるようだ。

 ここで先ほどの疑問の答えを一つ見つけたような気がした。



(BPってもしかして、「ボーナスポイント」の略か?)



(ボーナスポイントを1使用することで五〇ポイント分ステータスが上がる。通常スキル系は五ポイント分スキルが付けられるということか)



 まだ確定ではないが、悩んでいても仕方がないので、とりあえずそういう仮定しておく。

 ボーナススキル基本能力強化系を開いてみる。

 ・各パラメータ上昇率向上(P)消費BP5、+50%

 ・成長限界解除(P)消費BP5、レベル100以上への成長可能

 ・成長速度上昇(P)消費BP5、取得経験値+100%

 ・加齢減少(P)消費BP5、加齢速度50%減

とあり、成長・才能に関する項目のようだ。



 更に他のボーナススキルも確認していく。

 ボーナススキル特殊スキル系

 ・凶暴化(A)消費BP5、バーサーク化により、一時的に攻撃力5倍、撤退不可

 ・魔眼(A)消費BP10、石化能力を持つ

 ・透明化(A)消費BP5、一定時間透明になれる

 ・透視(A)消費BP5、壁など通常の物質を透視できる

 ・読心(A)消費BP5、知能がある者の考えを読める

 ・鑑定(A)消費BP5、生物、アイテム等の鑑定ができる

 ・加速(A)消費BP5、一時的に10倍の速度で動ける

 ・生命力吸引(A)消費BP10、対象のHPを吸収できる

 ・魔力吸引(A)消費BP10、対象のMPを吸収できる

 ・魔物調教(A)消費BP10、魔物の調教が可能

 ・魅了(P)消費BP5、交渉時に相手の友好度を上げる。レベル差依存あり



 ボーナススキル能力付与系

 ・近接戦闘才能(P)消費BP5、近接戦闘スキルのレベルアップ時に+25%

 ・遠距離戦闘才能(P)消費BP5、遠距離戦闘スキルのレベルアップ時に+25%

 ・属性魔法適正(P)消費BP5、属性魔法を使用できる

 ・治癒魔法適正(P)消費BP5、治癒魔法を使用できる

 ・人魔法適正(P)消費BP5、神聖魔法・暗黒魔法を使用できる

 ・精神耐性強化(P)消費BP5、精神的なダメージを受けても通常の行動を取れる

 ・完全毒耐性(P)消費BP5、あらゆる毒物・有害物質に対し耐性あり

 ・ウィルス免疫(P)消費BP5、あらゆる有害ウィルス、細菌に対して免疫あり

 ・鋼鉄の皮膚(P)消費BP5、固有防御力あり

 ・各種製造技能(P)消費BP10、武器、防具、金属製品等の製造技能付与

 ・各完全知識(P)消費BP10、現時点で存在する各知識(魔法、魔物、動物、植物、武具製造、商業、政治など)を完全に習得



 ボーナススキル召喚系

 ・魔物召喚(A)隷属する魔物を召喚できる

   ドラゴン級50……妖精・野獣級5

 ・武具召喚(A)武具を自由に召喚できる

   アーティファクト級50……高品質10

 ・武具所有(A)初期から武具を所有できる

   アーティファクト級20……高品質3



 ボーナススキル初期設定変更

 ・不運(P)消費BP?50、運に係わる判定で常に?50%のペナルティを負う

 ・幸運(P)消費BP10、LUC値の効果が10倍になる

 ・トラブル体質(P)消費BP?10、普通にしていてもトラブルに巻込まれる

 ・魔人化(P)消費BP50、上級悪魔級の魔人となる

 ・不死化(P)消費BP5、アンデッドとなる

 ・魔属性(P)消費BP5、成長に従い悪魔系の能力取得可能、容姿なども悪魔化する

 ・聖属性(P)消費BP10、一神教の神の力を顕現可能。一神教を信奉

 ・獣化能力(P)消費BP20、虎、獅子などの獣に変身が可能

 ・再生(P)消費BP10、四肢の切断等でも自動再生

 ・復活(P)消費BP10、戦闘・事故など外傷での死亡時に復活

 ・雑食(P)消費BP5、動物が食べられるものはすべて栄養とできる



 数十項目の選択肢があり、すぐには決められそうにない。

 考えをまとめるため、一旦、初期設定画面を閉じようとした時、「ボーナスポイントが余っています。初期設定を終了しますか Y/N」とメッセージが出た。

 一瞬「Y」を選択しそうになったが、



(このまま閉じても大丈夫だろうか?設定画面には入れないと50ポイントが丸々使えなくなってしまうことはないか?)



と考え、ここはこのまま初期設定を進めた方が無難だろうと思い直す。



 では、どうやって、うまく割り振るか。

 この世界で生きていくためにどうすべきか。

 このボーナスポイントを使えば、かなり強くなれるはずだ。

 ドラゴン召喚や魔人化なんて、ほとんど無敵だし、復活できればやり直しも利く。



 ここまで考えたところで、俺は妙に引っ掛かるものを感じた。

 そもそもドラゴン召喚というのは何の代償もなくできるのか?

 魔人化も本当にデメリットはないのか?



 よく考えてみる必要がありそうだ。

 できるだけデメリットも考えながら、手堅く選ぶ方がいい気がしてきた。



 通常スキルとボーナススキルがあるということは、通常スキルは今後学べる可能性があるが、ボーナススキルはここだけしか手に入らない可能性が高いということだろう。

 基本方針として、できるだけボーナススキルを修得する方向で考える。



 まず、ほしいスキルをリストにしていく。



 暗いため、携帯のメモ機能を使うことにし、携帯の電源を入れる。

 一瞬、アンテナが立っていないか期待したが、やはり圏外。まあ当然だろう。



 ほしいスキルの候補を考える。

 まず、コミュニケーションが大事なので、共通語はほしい。



 海外では現地の人が何でもないウィルスで風土病にかかり死ぬこともあるという。よって、ウィルス耐性も必要。ウィルス耐性があれば性病も怖くないので、娼館にいって万全だ。

 これはあくまで風土病対策であって、性病対策ではないと、心の中で言い訳をしてしまう。



 次に俺にはこの世界の常識はない。この状況を攻略本がないゲームと考えると鑑定もあった方が有利だろう。



 次は魔法についてだ。

 この世界ではどのくらいの割合で魔法が使えるのか。

 魔法が一般的な社会では、使えないと無能力者として差別されることはないか。

 それが無くても、魔法の知識は持っておいても損にはならないだろう。

 正直、せっかくのファンタジーっぽい世界だし、攻撃魔法は絶対ほしい。この世界の医療技術が分からないから、治癒魔法も持っておきたい。

 攻撃魔法も最初からソロで行けるほど強くないだろうから、近接戦闘技術も必要だろう。



 ここまでのスキルを整理してみよう。



・共通語(P) 5/1BP

・ウィルス耐性(P)5BP

・鑑定(A)    5BP

・属性魔法適正(P)5BP

・治癒魔法適正(P)5BP

・近接戦闘才能(P)5BP



となった。



 さっき見たとき、両手剣や片手剣といったスキルがあった。魔法も火属性、水属性などがあったので適性や才能だけでは使えないのでないか。

 近接戦闘技術は一般的な剣がいいだろう。

 片手で剣を振り回すだけの腕力はないし、体育の授業で剣道をやったので両手剣にしておこう。

 防御スキルもセットで持っているべきだろうから、回避スキルも押さえておく。

 属性魔法は複数選べそうだが、どれがいいのかわからない。とりあえず定番の火属性にしておく。



・両手剣(P)  5/1BP

・回避(P)   5/1BP

・火属性魔法(P)5/1BP

・治癒魔法(P) 5/1BP



 ポイントを割り振るスキルはどのくらいの数字が一般的なんだろうか。

 考えてもわからないので、一ポイントずつ割り振ると考えておこう。

 ここまでで三〇ポイント、残りは二〇ポイントだ。



 できるだけ早く成長できるよう成長速度上昇は押さえておきたい。

 加齢減少も長期的なことを考えると、これも押さえておきたい。



 ゲームでも序盤に無理をするとすぐに死んでしまう。

 この世界で死ぬとどうなるのか?ゲームのように教会で復活させてもらえるのかもしれないが、復活のスキルがあるということは恐らくそのまま死んでしまうのだろう。



 残り一〇ポイントをどう振り分けるべきか。

 ほしいスキルを並べてみる。



・魅了(P)  5BP

・加速(A)  5BP

・精神耐性(P)5BP

・毒耐性(P) 5BP

・透明化(A) 5BP

・透視(A)  5BP

・読心(A)  5BP

・復活(P) 10BP

・再生(P) 10BP

・幸運(P) 10BP



 ここまで並べてみて、”P”と”A”の意味がなんとなく掴めてきた。

 Pはパッシブスキルすなわち常時発動型、Aはアクティブスキルすなわち任意発動型だろう。



 この中からデメリットを並べてみよう。

 まず、復活は非常に魅力的だが、簡単な説明書きにはケガや戦闘で死亡した際に復活とある。問題はどのタイミングでどこに復活するかだ。

 つまり戦闘時に死んだ場合、周りを敵に囲まれた状態で死亡し、すぐに復活すると復活するたびに殺されることになる。

 ケガも同じで、罠にかかって胸に杭が刺さった状態で復活すると永遠に死亡と復活を繰り返すことになる。想像するととても恐ろしい。とりあえず却下しておくことにする。



 透視は使いどころが難しそうだ。

 諜報活動などでのぞきに使う場合や隠れている敵を探すのには使えるが、そこまでしてほしいスキルじゃない。単純にきれいな女性の服や浴室を透視するのは魅力的だが、命に替える気はない。



 読心は、下手に使うと人間不信になりそうだ。

 持っていれば友人にも使いたくなるだろうし、使えばきっといやな思いをする。

 これも外しておく。



 透明化はどこまで透明にできるかだ。

 体だけ透明にできるだけだとあまり意味がないし、仮に装備まで透明化できても、匂いや音を消せないと使いづらそうだ。

 よって、この透視、読心、透明化の三つも却下する。



 再生は、治癒魔法で代替できそうなので、候補から外す。



 魅了、加速、毒耐性、精神耐性、幸運が残った。



 幸運を一つ付けるか、他の2つを組み合わせるか、5ポイント1つにして武器などのスキルをアップするか。



 ここで幸運と不運の組み合わせで四〇ポイント稼げることに違和感を覚えた。

 LUC値が十倍になるのと、マイナス五十%ではどの程度の影響が出るのだろうか?

 LUCの効果が百ポイント一%なら十倍になっても10%しかプラス効果はない。レベル一でLUC値は六十台だったから、上限がどの程度なのか判らないが、少なくともマイナス五十%を覆すところまで持っていくことは難しいのだろう。

 こう考えると幸運の効果がどの程度なのか見極められない現状では幸運を付ける勇気はない。よって、幸運も候補から外しておく。



 魅了はどうしてもほしい。

 いい人間関係を作ることは生きていく上で大事だし、女性に使えばハーレムも作れるかもしれない。

 生きていく上でも、男としてもこれを外す選択は存在しないだろう。

 誰かに突っ込まれているような気がしているが、気にしないことにした。

 心の中で少し力んでしまったが、後五ポイントをどうするべきか再び考える。



 加速は近接戦闘と組み合わせると無双ができそうだし、毒耐性も即死系の毒のことを考えると押さえておきたい。



 だが、昼間のギルさんのツノウサギの解体でも辛かった平成の日本人としては、生き物を殺したり、アンデッドモンスターや某神話の邪神みたいなものを見たりした時に冷静に対応できるとは思えない。

 SANチェックを失敗しないよう精神耐性は必要だと思う。



 もう一度整理してみよう。



・共通語(P)   1BP

・ウィルス耐性(P)5BP

・鑑定(A)    5BP

・属性魔法適正(P)5BP

・治癒魔法適正(P)5BP

・近接戦闘才能(P)5BP

・両手剣(P)   1BP

・回避(P)    1BP

・火属性魔法(P) 1BP

・治癒魔法(P)  1BP

・成長速度上昇(P)5BP

・加齢減少(P)  5BP

・魅了(P)    5BP

・精神耐性(P)  5BP



 ちょうど五〇ポイント。



 ファンタジー世界の主人公のように、召喚系でモンスターや強力な武器を召喚したり、獣化で虎や狼に変身したりにも憧れるが、ここは安全第一でこのスキルに設定しよう。



 初期設定画面で携帯に書き込んだスキルリストの通りに設定していく。

決定ボタンを念じて押すと、「初期設定を終了します」のメッセージが現れ、メニューごと消えていく。



 もう一度メニュー画面を開こうとしたが、開くことができない。

 やはり一発勝負だったようだ。

 この設定を考えた存在の悪意を感じずにはいられない。

 だが、俺には鑑定のスキルがある。自らを鑑定し、スキルの確認をすると通常スキルと特殊スキルに分かれて先ほど選択したスキルが表示されている。



 筋力STR60、耐久力 VIT55、敏捷性AGI65、器用さ DEX120、知力 INT3000

 精神力 MEN800、魅力 CHA65、運 LUC55、生命力HP92、魔力 MP800

 固有攻撃力AR0、固有命中率SR0、固有回避率DR0

 保有可能スキル数 SKL156、保有可能魔法数MAG8、可搬力PL21

 積算経験値 EXP0

 通常スキル:両手剣5、回避5、共通語5、上位古代語(上級ルーン)50、

       水中行動4

 魔法:属性魔法1(MAX5)(ファイアボール)、治癒魔法1(MAX5)(治癒1)

 特殊スキル:鑑定、ウィルス耐性、精神耐性、近接戦闘才能、属性魔法適正、

       治癒魔法適正、魅了、成長速度上昇、加齢減少



となっている。



 魔法はMAX5となっているが、現在値は1となっている。レベル依存なのか?

 とりあえず、問題なく設定できたようだ。



 ここで通常スキルに上位古代語(上級ルーン)50というものすごく高いレベルのスキルと水中行動4というスキルがあることを発見する。



 上位古代語も上級ルーンも知らない。なぜ50もあるのだろうか。

 水中行動は百メートルくらい泳げるからか。

 だとすると、上位古代語の50はものすごい数字のような気がする。

 さっき見たときは精神力MENがもっと少なかったと記憶しているが、知力以外のパラメータと比べると一ケタ上がっている。精神耐性のおかげか?

 あまり考えても仕方がないので、今日はこれで寝ることにしよう。

 俺は鑑定の文字を消し、携帯の電源も切って、藁の上で寝転ぶとすぐに夢の中に落ちていった。

後書き


作者:狩坂 東風
投稿日:2012/12/04 21:27
更新日:2012/12/06 08:56
『ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)』の著作権は、すべて作者 狩坂 東風様に属します。

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