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作品ID:1379
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ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


第四章「シュバルツェンベルク」:第12話「気分転換」

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第4章.第12話「気分転換」



 三十八階で苦戦してから、半月が過ぎた。

 今日は霜の月の第六週土の曜、すなわち十一月の最後の日だ。



 この半月間は週五日のうち四日はオークウォーリアとの戦い、一日はミルコとの訓練というサイクルを三回繰り返していた。



 そのおかげでレベルは順調に上がり、二十二まで上がっている。

 しかし、魔法を重点的上げたため、思ったより両手剣のスキルは上がっていない。



 高山(タカヤマ) 大河(タイガ) 年齢23 LV22

  STR1677, VIT1945, AGI1567, DEX1590, INT4502, MEN2564, CHA1325, LUC1315

  HP1170, MP2564, AR6, SR6, DR6, SKL305, MAG190, PL37, EXP463482

  スキル:両手剣44(複撃2、狙撃1、強撃1)、

      回避40(見切り3、予測1)、

      軽装鎧32(防御力向上2)、共通語5、隠密11、

      探知18、追跡8、罠5、罠解除8、体術28、乗馬8、植物知識9、

      水中行動4、上位古代語(上級ルーン)50

  魔法:治癒魔法22、火属性22、水属性16、風属性16、土属性16



 魔法を有効に使う方法を模索しているが、未だに有効な戦術が思いつかない。



 昨日も三十八階にチャレンジしてみたが、やはりオークシャーマンの魔法を食らってしまい、数回の戦闘で止む無く三十七階に撤退した。



 あまりに煮詰まっている俺を見かねたのか、



「明日は休め。そんな調子じゃ、いつまで経っても前に進めねぇぞ。女でも買ってすっきりしてこい」と言われる始末。



 今日の訓練は早めに切り上げ、酒を飲むことにした。

 いつもなら六時過ぎに山シギ亭に帰り、入浴の後、七時過ぎに夕食をとるのだが、今日はいつもより二時間以上早い四時前に宿に戻ってきた。



 山シギ亭の主人モリッツが、



「今日は早いな。なんかいいことでもあったか」



と言ってきたので、俺は肩をすくめながら、



「なんもないよ。気分転換に早く帰れってミルコに言われただけだよ」と答える。



 何日振りかでゆっくりと入浴すると、かなりリフレッシュできた気がする。

 その後、五時半頃から夕食を食べながら酒を飲んでいると、



「よう!元気にしてるか!」と声を掛けられ、肩を叩かれる。



 振り向くとカスパーたち5人が立っていた。

 護衛クエスト完了の打ち上げをするようだ。

 彼らと同じテーブルで食事をすることになり、互いの現況を報告し合う。



「タイガ、その後の調子はどうだ」



「ああ、なんとかやっているよ。それにしても久しぶりだな」



 するとカスパーが笑いながら、



「俺たちは、時々ここに泊まっているんだが、お前がいつも迷宮に行っているか訓練しているかで遅く帰って来ているそうだから、声をかけなかったんだよ」



 俺が「気を使わせちまったな」と謝ると、横で聞いていたユルゲンが話に加わってきた。



「ところで迷宮はどこまで行ったんだ?」



「迷宮の方は三十七階で一ヶ月近く止まっているよ。どうしても三十八階から先に進めないんだ」



 カスパーが驚きながら、



「まだソロなんだろう。たった三ヶ月でもう三十八階か……相変わらず非常識な奴だな」



といい、横では他のメンバーが笑っている。



 俺としては何が常識か判らないから、曖昧に笑ってごまかしているが、カスパーは少し真剣な表情で、



「普通、ソロで行けるのは二十階までって言われているんだよ。三十五階以上に進んだのは、去年だったか一昨年だったかに十四、五歳の若造が六十五階まで行ったって言う噂を聞いたくらいだぞ」



「十四、五歳で六十五階か。そいつはすごいな。本当の天才なんだろうな」と俺は素直に感心していた。



 すると、カスパーが呆れ顔になり、大きくため息を吐きながら、



「はぁぁ。お前なぁ、自分がどう噂されているか知ってるか?”剣鬼の後継者”、”神速の剣士”、”胴落としの豪剣使い”……」



(なんだ、その恥ずかしい呼ばれ方は。ミルコの気持ちが良く判った)



 俺は体をくねりながら「もう止めてくれ。体が痒くなる」と懇願する。

 彼はまだ言い足りないようだったが、



「お前の戦いを見ていた奴の正直な感想だよ。幸い誰も魔法の話はしていなかったけどな」



「まあ、見られているのは知っていたからな。誰もいないときしか使っていないんだ」



「だから、お前もここにいる連中から見れば、天才の一人だと思われてるんだ。第一、ミルコに弟子として認められたんだろ。それだけでもここシュバルツェンベルクでは、一目もニ目も置かれるって判って無いだろ」



「俺はただの”変人”って思われてるって、思ってたよ」と自嘲気味にそう答える。



 ユルゲンが良く判っているじゃないかという表情で、



「それは否定しないぞ。第一、朝から晩まで訓練か迷宮か、それも休みもせず、毎日など、どこの戦闘狂(バトルジャンキー)なんだ?」



 俺は頭を掻きながら、



「まあな。ミルコの方針なんだよ。言いたいことは判るよ。最初の頃は模擬戦でミルコに伸されて、そのまま気絶する振りをして寝たこともあったくらいだからな」



 その言葉に皆が笑い、場がなごんだ。

 そして、「明日も迷宮か?」と聞かれたので、



「いや、一ヶ月振りの休みだ。まだ、何も予定は決めていないんだ」



 俺のその言葉に「「じゃ、今日はとことん呑むか!」」と一気に盛り上がっていった。



 そして、久しぶりに思う存分、酒を飲んでいく。



(たまにはこういうのもいいな。明日の二日酔いが心配だが、寝ていればいいか)



 ほとんど記憶が無くなるくらいまで酒を飲み、そのまま倒れるように眠った。





 翌朝、少しだけ酒が残っていたが、酷い二日酔いになることもなく、いつも通り、まだ少し暗い朝六時に目が覚める。



(この時間に起きるのが当たり前になったから、目が覚めてしまったな。二度寝するにしても腹が減ったから、朝飯を食ってから考えるかな)



 朝食を取ると余計に目が冴え、二度寝する気がなくなってしまう。



(今日はどうしようかな。天気は良さそうだけど、さすがに十二月=風の月に入ったから、外は寒そうだけど、久しぶりに馬にでも乗ってみるか)



 ギルドの馬場に向かった。

 馬場にはゴスラーから一緒にやってきた牝馬がいたので、久しぶりに相棒と遠出することにした。



 シュバルツェンベルクの街を出て、シュバルツェン街道を東に進んでみる。

 シュバルツェンベルクより東には大きな町はなく、山間に小さな村があるだけだそうだ。



 街を出るとすぐに森に入り、道も西行きに比べると非常に状態が悪く、森を進んでいくと一気に狭くなっていく。

 宿で聞いた話では、三マイル=四・八kmくらい東に行くと、大きな池があり、きれいな風景が見られるそうだ。



 この時期は熊や狼などの魔物が多いので気をつけるようにと言われたが、その池までならそんなに危険はないとのことだった。

 念のため、武装はしているが、今日はあまり戦う気分では無いので、魔物が出てこないことを祈っている。



 一時間ほどで目的の池に到着した。



 日本人の感覚からすれば、池というより湖なのだが、確かに透明な水面(みなも)、緑の針葉樹、少し雪化粧された山々のコントラストは美しく、澄んだ空気と相まって幻想的な雰囲気を醸し出している。



 三十分ほど近くの岩に腰を下ろし、風景を眺めながら休憩した後、シュバルツェンベルクに戻るため、街道を西に戻っていく。



(ツーリングで気分転換するようなものだな。これから寒くなるから難しいけど、時々遠乗りするのも悪くない)



 昼前にシュバルツェンベルクに到着し、馬を返しに行く。

 まだ早い時間でもあり、どうしようかと考えていた。



(昼から何をしようかな。街をブラブラしてからエルナにでも会いに行くかな)



後書き


作者:狩坂 東風
投稿日:2012/12/27 21:10
更新日:2012/12/27 21:10
『ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)』の著作権は、すべて作者 狩坂 東風様に属します。

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