小説を「読む」「書く」「学ぶ」なら

創作は力なり(ロンバルディア大公国)


小説投稿室

小説鍛錬室へ

小説情報へ
作品ID:2323
「『鉄鎖のメデューサ』」へ

あなたの読了ステータス

(読了ボタン正常)一般ユーザと認識
「『鉄鎖のメデューサ』」を読み始めました。

読了ステータス(人数)

読了(37)・読中(0)・読止(0)・一般PV数(69)

読了した住民(一般ユーザは含まれません)

ふしじろ もひと 


『鉄鎖のメデューサ』

小説の属性:一般小説 / 異世界ファンタジー / お気軽感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介

未設定


第16章

前の話 目次 次の話

 夕方ロビンが最後の仕事を終えて帰ってくると、戸口に花瓶の首が置かれていた。いわれたとおりに花瓶の胴と置きかえると、半時ほどでラルダがやってきた。
「旅装束だ。私とそろえてある。巡礼の旅と答えればいい」
 ゆるい草色の長衣と茶色のフードは妖魔のシルエットを包み、ロビンと並んでも区別がつかなかった。
 ロビンは店主が餞別にくれた一篭の林檎を分けた。餞別というだけあって、今までもらっていた売れ残りよりかなりましな味がした。クルルがもらした切なる喉声に、ラルダがなるほどと低く呟いた。
 ラルダは机の上に地図を広げた。小さな一人と一匹はどちらも初めて見る地図を物珍しげに覗き込んだ。そんな彼らにラルダは地図をなぞりながら旅の道筋を説明した。ラルダは訪ねた村々で薬草の知識や治癒呪文で人々を癒し、その報酬を路銀としてこの二年間ずっと大陸各地を旅してきたというのだ。
 いつしかロビンはラルダにこれまでの旅の話をせがんでいた。ラルダはクルルがなるべく退屈しないよう、ときどき地図を指しながらゆっくりと話した。黒髪の尼僧のゆるやかな声につれて、夜もゆっくりと更けていった。

 最初に異変に気づいたのは小柄な妖魔だった。机に広げられた地図に向いていた顔が突然中空に向けられ、触手の束がざあっと戦慄した。顔に脅えが走った。
「どうしたの、クルル!」「静かに!」
 ロビンを制し、耳をそばだてたラルダの顔色が変わった!
 ロビンの耳にも届いた。遠くから、だがはっきりと。ごりっという音、重い音。ごりっという音、重い音。
「しまった!」
 険しい表情でラルダが戸口に目を走らせた。
「裏口はないのか? ロビン!」
「壁の向こうはよその部屋なんだ。どこの部屋も戸や窓は通りに向いたのしかないんだ」
 ロビンの声に被さるように、別の方角からも同じ音が聞こえてきた。
「くっ、油断した! 裏通りにも手が回ったかっ」
「ニンギョウ! イシノニンギョウ!」
「落ち着け! こうなったらやり過ごすしかない。ベッドの下にでも」
 その言葉を同じ並びの離れた場所から響く轟音が圧倒した! 驚いたクルルが跳び上がり、ロビンもラルダも絶句した。

後書き

未設定


作者:ふしじろ もひと
投稿日:2021/10/19 00:57
更新日:2021/10/19 00:57
『『鉄鎖のメデューサ』』の著作権は、すべて作者 ふしじろ もひと様に属します。

前の話 目次 次の話

作品ID:2323
「『鉄鎖のメデューサ』」へ

読了ボタン


↑読み終えた場合はクリック!
button design:白銀さん Thanks!
※β版(試用版)の機能のため、表示や動作が変更になる場合があります。
ADMIN
MENU
ホームへ
公国案内
掲示板へ
リンクへ

【小説関連メニュー】
小説講座
小説コラム
小説鍛錬室
小説投稿室
(連載可)
住民票一覧

【その他メニュー】
運営方針・規約等
旅立ちの間
お問い合わせ
(※上の掲示板にてご連絡願います。)


リンク共有お願いします!

かんたん相互リンク
ID
PASS
入力情報保存

新規登録


IE7.0 firefox3.5 safari4.0 google chorme3.0 上記ブラウザで動作確認済み 無料レンタル掲示板ブログ無料作成携帯アクセス解析無料CMS