作品ID:582
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もう未練はありませんか?
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
杏奈手玉に取られる
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「ふむ・・・・・・それではここは未練を解消するための場所と言うわけですね」
簡単な説明でここのことを理解してしまった巧。その理解力に杏奈とディーは驚かされていた。
「なんと言うかすごいですね・・・・・・」
「詐欺師として状況把握は必須技能だからね」
「でもどうやって死神たちを欺いたの?」
「実践してみますか?」
巧は杏奈たちの後ろを指差した。
『?』
まるで誘導されるようにそっちを振り向く杏奈とディー。
「何もありませんが・・・・・・」
振り向いたときには巧の姿は無かった。
「こっちですよ」
声のするほうを見ても巧の姿は無い。
「右だ!」
右を見ながら構える杏奈、そこに巧の姿は無く・・・・・・
ポン
肩をたたかれて振り向くと巧がいた。一人混乱に陥る杏奈を眺めてニヤニヤする巧。
「なにが起きたんですか?」
「いや?面白いね。ここまで簡単にだませるとは思わなかったよ」
一人ご満悦な巧に頬を膨らませて憤りを体現する杏奈。
「それにしても・・・・・・ここに来る人は二十歳(はたち)に満たない方が多いですね」
「ここには未練を持つ者だけが来るシステムらしいからね。ここに来る前に分けられてここには未練を抱えた者と死ぬはずじゃなかった人と自殺した人だけ」
「ふ?んって巧さんは!?」
心配するもそれは杞憂に終わる。巧は空間の壁の一つに描かれた壁絵を見ていた。
「この絵、すごいですよね」
「この絵・・・・・・どっかで見た気がするんですけど・・・・・・これを描いた人の名前はなんて言うのですか?」
「これを描いた人はあなたの前に来た神野弥生と言う人ですが」
神野弥生と言った瞬間巧はとても驚いたような顔をした。
「まさか神野弥生の絵だったのか」
「知ってるんですか?」
「知ってるもなにもとても有名な絵描きだよ。種類によっては国家予算レベルの値段にもなる。何より死んでしまったからね」
「弥生さんそんなすごい人だったんですね」
「すごい幸運だよ。弥生は自分の描きたい時しか絵を描かない主義だったらしいし。一回路上で似顔絵を描きますってやったらとんでもない事になったとか」
「ふぇぇぇぇ・・・」
「僕も仕事の途中で一回見たことがあるんですよね」
「・・・・・・誰をだましたんですか?」
杏奈の口調には容赦ない侮蔑の色があった。
「あはは・・・・・・詐欺師と言った以上勘違いされるとは思ってたけど・・・・・・僕がだましたのは彼女の絵のニセモノを高値で売る詐欺集団だよ。僕がだますのは一般人をだます詐欺師だけ」
決まり悪そうに顔を伏せる杏奈をよそに巧は話を続けた。
「僕の家は詐欺師のせいで壊された。だから僕も同じ土俵に立って復讐をしようとしたんだ」
「そうだったんですか」
「さて・・・・・・そろそろ僕もここから立ち去るよ」
巧が見せた笑顔は、どこか無理をしてるような感じだった。
復讐はなにを生み出すのだろう?
簡単な説明でここのことを理解してしまった巧。その理解力に杏奈とディーは驚かされていた。
「なんと言うかすごいですね・・・・・・」
「詐欺師として状況把握は必須技能だからね」
「でもどうやって死神たちを欺いたの?」
「実践してみますか?」
巧は杏奈たちの後ろを指差した。
『?』
まるで誘導されるようにそっちを振り向く杏奈とディー。
「何もありませんが・・・・・・」
振り向いたときには巧の姿は無かった。
「こっちですよ」
声のするほうを見ても巧の姿は無い。
「右だ!」
右を見ながら構える杏奈、そこに巧の姿は無く・・・・・・
ポン
肩をたたかれて振り向くと巧がいた。一人混乱に陥る杏奈を眺めてニヤニヤする巧。
「なにが起きたんですか?」
「いや?面白いね。ここまで簡単にだませるとは思わなかったよ」
一人ご満悦な巧に頬を膨らませて憤りを体現する杏奈。
「それにしても・・・・・・ここに来る人は二十歳(はたち)に満たない方が多いですね」
「ここには未練を持つ者だけが来るシステムらしいからね。ここに来る前に分けられてここには未練を抱えた者と死ぬはずじゃなかった人と自殺した人だけ」
「ふ?んって巧さんは!?」
心配するもそれは杞憂に終わる。巧は空間の壁の一つに描かれた壁絵を見ていた。
「この絵、すごいですよね」
「この絵・・・・・・どっかで見た気がするんですけど・・・・・・これを描いた人の名前はなんて言うのですか?」
「これを描いた人はあなたの前に来た神野弥生と言う人ですが」
神野弥生と言った瞬間巧はとても驚いたような顔をした。
「まさか神野弥生の絵だったのか」
「知ってるんですか?」
「知ってるもなにもとても有名な絵描きだよ。種類によっては国家予算レベルの値段にもなる。何より死んでしまったからね」
「弥生さんそんなすごい人だったんですね」
「すごい幸運だよ。弥生は自分の描きたい時しか絵を描かない主義だったらしいし。一回路上で似顔絵を描きますってやったらとんでもない事になったとか」
「ふぇぇぇぇ・・・」
「僕も仕事の途中で一回見たことがあるんですよね」
「・・・・・・誰をだましたんですか?」
杏奈の口調には容赦ない侮蔑の色があった。
「あはは・・・・・・詐欺師と言った以上勘違いされるとは思ってたけど・・・・・・僕がだましたのは彼女の絵のニセモノを高値で売る詐欺集団だよ。僕がだますのは一般人をだます詐欺師だけ」
決まり悪そうに顔を伏せる杏奈をよそに巧は話を続けた。
「僕の家は詐欺師のせいで壊された。だから僕も同じ土俵に立って復讐をしようとしたんだ」
「そうだったんですか」
「さて・・・・・・そろそろ僕もここから立ち去るよ」
巧が見せた笑顔は、どこか無理をしてるような感じだった。
復讐はなにを生み出すのだろう?
後書き
作者:総 誉 |
投稿日:2010/12/07 20:36 更新日:2010/12/07 20:36 『もう未練はありませんか?』の著作権は、すべて作者 総 誉様に属します。 |
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