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作品ID:752
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俺たちの日常 放課後バトル!!

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中

前書き・紹介


放課後4 再会した少女

前の話 目次 次の話









「あれ、もしかしておーちゃん? あ、やっぱりおーちゃんだ!」



「…?」



 とある日の放課後、今日は部活がないので、啓太は商店街で買い食いをしていた。特に帰ってもやる事はないので、こうして時間を無駄に潰している。そんな時だった。懐かしい人物に声を掛けられたのは。



「おーちゃんおーちゃん!」



「…頼むからここでその言葉連呼すんのやめれ」



「えへへー」



 全然反省していない笑顔で微笑む少女。啓太には、3ヶ月ほど見ていない顔ぶれだった。久し振りの第一声がそれでは失礼だろうに。



「ひっさしぶり?! 元気だったおーちゃん!」



「だからやめれて…。まあいいや。久し振りだな、神崎」



 少女の名は神崎無月。同じゲーム部所属の同学年の顔見知り。というか親友。一番つるんでいる時間が長い気の知れた仲間である。



「いっや?。ようやく医者から復学許可下りたよ?。ほんと、病院て暇なんだよね?」



「そうか。学校来れんのか。よかったな神崎」



「まったくだ! 部長とか元気?」



「全然。変わってない。お前のこと心配してたぞ」



「うっわ嬉しいね?。集れば何か奢ってくれっかな?」



「多分集らなくても退院祝いで奢ると思う…」



 そういうことは気前がいいのが部長である。さて、と啓太は無月の格好を見た。彼女は私服で、啓太は制服である。小柄だが、黒いジャケットに、ジーンズ。それに彼女のお気に入りの黒い鈴で髪をシンプルに一纏めにしている。相変わらず可愛らしい部類だな、とどこか他人事のように分析した。



 対する自分は、全身黒ずくめ。まあこれが制服だから仕方ない。だから他校から『喪服学校』だの『根暗学校』だの言われるのである。



「あれあれ? どしたのおーちゃん? んなにあたしんとこ熱視線送っちゃって」



「あん?」



「ありゃ? もしかして惚れちゃった? いやんこの鬼畜、いえこの家畜」



「誰が家畜だ!」



 くねくねと身悶えする無月の容赦ない言葉に啓太が突っ込む。無月はいつでも啓太をからかって遊ぶのが大好きだ。しばらく合ってなかった為か、それがヒートアップしている。



「駄目だよあたしに惚れちゃ?。おーちゃんに惚れられたら羽根つきとかささ身とか相手しなくちゃいけないし」



「何を意味分からんこことを…。あれ? まだ冬とか唯子に会ってないのか?」



「あってないよ?。今日はたまたまご無沙汰のゲーム屋に新作チェックしにきての帰りだから」



 ちなみに無月も二人の知り合いである。羽根つきが冬、ささ身が唯子だ。あだ名らしい。本人たちは怒っているが。



「あ、だから袋持ってんのか。何買ったんだ?」



「ん? えーと。P○PのMarriageBattleLoyalと。ミスタープリンスと。あと何だっけ、そうそう。すくでいアホ毛バトル」



「全部ギャルゲーかよ!」



「え? いっこは18禁だぞ?」



「更に悪いわ!」



 無月はオタクである。特にギャルゲー、エロゲー大好きな生粋の変態である。何でそんな金があるかといえば、こいつも金持ちのご令嬢であるからである。



「このこの?。いいじゃんおーちゃんだってギャルゲーやるくせに。でも何でエロゲーに手出さないの? 面白いよ?」



「エロゲーはR18だろうが! お前がおかしいんだよ!」



「まあいいじゃんいいじゃん。久々だしさ、一緒に帰ろうよ」



「あ?。家帰ってもやること――」



「何ならあたしんちよってく?」



「何このフラグ!?」



「ギャルゲーのやりすぎ! フラグって何!? あたしに何させる気!? この鬼畜王子!」



「やめろその全力で人間やめた言い方するの!」



 まあこんな感じでぎゃあぎゃあ騒ぎながら帰った二人。果たして啓太は気付いただろうか。



 帰り際、夕日に映った無月の影が、小さくガッツポーズを取っていたことに。

後書き


作者:ゾンビの方程式
投稿日:2011/06/05 12:09
更新日:2011/06/05 12:09
『俺たちの日常 放課後バトル!!』の著作権は、すべて作者 ゾンビの方程式様に属します。

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