九周年にあたって
いくつもの別れがあった1年でした。
長期連載作品だけでも「うらら迷路町」「高嶺の花なら落ちてこい!!」「田中君はいつもけだるげ」「スケッチブック」「はるみねーしょん」「スターマイン」「恋愛ラボ」、そしてタイムスペシャル・・・
再び雑誌が減ってしまいました。
母体が減れば掲載作品も減るわけで、紙媒体での連載はさらに厳しいものになっています。
一方で毎年言っていますが電子への移行は加速度的に進んでいたます。
とはいえ、きららはその中で完全に独自路線を行くと決めたようで、「COMIC FUZ」という完全オリジナルのアプリでの電子化です。
Kindleでの雑誌電子化はありませんでした(コミックスはやっていますが)。
この独自路線が吉と出るか凶と出るかは・・・さてはて。
ただ、それをするだけの力を持っていることは事実でしょう。
先日行われた大阪でのきらら展、私も参加させていただきました。
レジェンドと言って差し支えのない作品たちのオンパレード!
はっきり言って、嬉しさと懐かしさで気分が高揚しっぱなしでした。
まさにきららの歴史であり、そんな作品たちの新たな1ページを見ることができたのは往年のファンとしてこの上ない喜びです。
とはいえ、「往年のファン」だからこその感想だったのかもしれません。
最近きららのファンになったという方にはこの凄さがどこまで伝わるのか。
明智クンや火星ロボといった攻めまくった作品がかつては掲載されていたんだぜ?というのは、今の人からすると「ええ!?」でしょうが、我々としては「そうそう、そんな時代もあったんだよ」であり、感覚のズレがはっきりするところのような気がします。
それと同時に、きらら自体の変化も強く感じるように。
かつてはMAXといえば百合作品中心、キャラットといえば女性向けを意識した作品がやや多め。そんな個性がありました。
が、最近はそういった差異はほとんどなく、全体的に同じような印象を受けるのが正直なところ。
それが往年のファンとしてはちょっと寂しかったり。
昔はね、結構攻めた作品がいっぱいあったんですよ?
一方で別の意味で爆走中(迷走中?)なのがぱれっとでしょう。
かつてはきららと並んで萌え4コマの双璧となっていたのですが、最近はラノベやゲームのスピンオフ作品や他誌からのゲスト掲載、4コマ以外のストーリー漫画などなどが急激に増加。そして、エロ方面の作品も・・・
ぱれっとLiteやOnlineが並び、本誌もがっしりとした地盤を持っていたかつての姿からは想像できない流れです。
とはいえ、「氷室の天地」や「未確認で進行形」などの生きるレジェンドもまだまだ活躍中です。
とまあ、「あの頃はよかった」的なことを言っていると立派な老害ですが、ちゃんと「今は今で凄いよね!」とも感じています。
そう、最近は歴史の浅い萌え4コマでも十二分に「レジェンド」と言えるような長期連載作品がいくつも出てきています。
蒼樹うめ先生を筆頭に、荒井チェリー先生や師走冬子先生といった人気・実力・キャリアを兼ね備えた最強クラスの方がその地位を確かなものにしています。
かつては「萌え4コマ」は4コマの一角に過ぎなかったのですが、今やその大きな部分を占めるほどに。
そして、紙媒体は前述のように縮小傾向にあるものの電子は元気元気!
その中で頭角を現してきた先生方も多いです。
最近の代表選手はせかねこ先生でしょうか。
Web漫画の人気ランキングでは上位で、単行本も重版を重ねています。
個人的にもその作風はすごく好みで、非常にいい作品を量産されています。
そのスタイルはご自身のTwitterで連載し、大量の描き下ろしを添えて単行本化するというもの。
こういった今までにない公開方法が出てきたことで紙媒体が押されているのかもしれませんね。
作品の発信方法は今がその過渡期だと思っています。
「電子」と一口に言ってもそれこそ千差万別。
その中で時代にマッチしたものが残る戦国時代なんだと思います。
なんだかんだ言っていますが、問題はウチのサイト。
ホント更新でが全くできていなくて申し訳ないです。
忙しさ&紹介したい作品は紹介しつくした、でありまして。
実際のところ、数年前の段階で「サイトの役割はもう終わった?」と感じてはいます。
元々の目的が「面白い作品を紹介してみんなに知ってほしい!」だったわけで。
そういった意味では個人的には満足してしまっているのです。
とはいえここを閉めるとかそういう気はさらさらありません。
次はいよいよ10周年。10年も何やってんだと思う方もいるでしょうが、一番そう思っているのは私自身。
よくまあ、これだけ続いたもんだ。
今まで以上にゆるゆるでしょうが、笑本の活動は続いていくので、生暖かい目で見守ってやってください。